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悪夢の始まり・・・。最後の刺客・・・。

物凄くシリアスで重い展開が続きます・・・。

ラストに繋がる重要な回です。

エリナちゃんは、何時もの姿だった・・・。

ダーク・エリーの姿ではなく何時も通りの小6の女子の・・・。

でも、その表情は以前の明るさが消えてなくなったかの様に

静かな・・・一見穏やかなものに見えていた・・・。


朝起きて、父親の姿を探す・・・。

「ばあや・・・。お父様は・・・?」

「ああ、エリナお嬢様・・・。良かったです・・・。

お元気になられましたか?お洋服もお着替えになられたという

事はもう体調は治られたのですねぇ?学校にはもう行かれますか?」

にこにこと笑いながらそう話すばあや。

「あの・・・、お父様は・・・?どちらですの?」


「あ・・・旦那様で御座いますか?ええ~と・・・。」

困った様に目を左右に動かす所作を見ていてエリナちゃんはこう言う。

「・・・お仕事ですのね・・・?また・・・。」

溜め息をこぼしつつも何時もの事とばかりに慣れた様だった。

「お・・・お嬢様・・・。旦那様はとてもお忙しいのですよ・・・。

だから・・・大丈夫ですよ・・・?」

恐る恐る丁寧に対応するが・・・。


「わかってます。そんな事は・・・。そんな・・・気を使わないで。

私・・・今日から・・・ちゃんと学校に通いますから。」


「・・・お嬢様・・・。」



結兎はキリの姿が見えない事に多少の苛立ちと不安感を感じていた。

「あいつ・・・一体・・・。今どこにいるんだよ・・・!」


公園の近くに来たら偶然にベンチで談笑している猫宮さんとまゆらの姿を

見かけた。「猫宮さん。・・・この人・・・誰?」


「ピンキー・まゆらですっ!きら~ん★」

おちょくる様にひょうきんな態度でそう正体を自分でばらすまゆら。

「えええ?!こんな地味な人が・・・?!!あの???」

驚くのも無理はない。変身前と変身後では風貌がまるで違うからである。


「地味言うなしっ!!」

べしんっと頭を軽くはたかれる。

「いてっ!!」

その感じが・・・何だか懐かしい感じがした・・・。

キリを・・・思いだしたのだ・・・。

(よく考えればあいつには暴力的な言動を理不尽にされてたっけな・・・)


「今日はサボろっか!!結兎くんっ。魔法少女談義という名目で。」


そう・・・今は登校時間真っ最中なのであった・・・。

猫宮さんも地球がヤバイという事態なのでもう学校の事など

どうでもいい・・・とは言い過ぎだが、なんとなくまゆらの

空気に呑まれて今現在に至る的な・・・。


「魔法少女・・・最近は俺・・・変身できないんだ・・・。

キリ・・・あのウサギ野郎がいないから。こんな時に・・・

一体どこに行ったんだよ・・・。」


「まあたネガティブになってるよ~?笑え~?」

まゆらは明るく笑い飛ばした。


「大丈夫よ。それに関しては・・・リクが何とかしてくれてる

みたいだからね・・・。」


「・・・リク・・・?」

結兎は聞いた事もない名前を初めて聞いて訳が分からないでいた。


その時・・・。

向こうから歩いてくる「二足歩行のウサギ」の姿に驚いて

思わず走って近づく結兎。


「キリ!!!お前!!今までどこにいたんだよ・・・て・・・。

あれ・・・?お前・・・何その縦ロール・・・。変・・・。」


ぱしんっと太い腕で頭を叩かれた。

「変とは何ですか!!私の自慢の縦ロールに向かって失礼な!!」

口調が何時もと違うのに違和感が増す・・・。


「キリ・・・じゃないのか・・・?」


「私は月の国の生き残り・・・。キリの妹のリクですわ。」


一見間抜けな出会い方だが・・・これは・・・

彼の運命を大きく左右する出会いでもあった・・・。


「・・・妹・・・て・・・?」




時を同じくして学校の送り迎えに高級外車に乗り込んで

登校しようとしていたエリナちゃん・・・。

偶然に・・・結兎達の楽しそうに笑う姿を通りすがりに目にする。


「随分と・・・楽しそうな事ですわね・・・。」


明るい声が響く朝の公園を車で通り過ぎていき・・・。

彼らの姿が見えなくなるまでずっと見ていた彼女は・・・。


「いつまでもそうしてられると思ってたら大間違いですわ・・・?」


意味深な言葉を呟いてはいたが・・・悪ぶっていたが・・・。

その横顔は寂しそうなものだった・・・。


(いつでも私は蚊帳の外・・・。仲間はずれ・・・。

お父様もそう・・・。忙しい忙しいっていつもいつも

そればかり・・・。叱りつけるばかりで・・・。

ろくに相手もしてくれない・・・。でも・・・。

今は違うわ・・・。「ダーク・エリー」になれたんだもの・・・。)


深く沈みこむような静かな悲しい笑みを浮かべていた・・・。



その頃・・・。

「悪魔の貞子」がスケッチブックに殴り描いていた

何本かの絵本の様なものが・・・完成してしまった・・・。


「出来た・・・。これで・・・。世界は終わるの・・・。

「私が終わらせるの」・・・。こんな世界なんか要らない・・・。

絶望の結末を描けるのは・・・この世界で・・・たった・・・

「私だけ」・・・!!やっと・・・終われる・・・。


この世界は・・・・・「終わる」のよ・・・!!」


うふふふふ・・・と不気味に哂う姿は・・・惨めさに満ち溢れていた。


「「物語」の始まり・・・。世界の終わりに繋がる・・・。

私が作った「お話の世界へようこそ・・・。」ふふふ・・・。」



スケッチブックに大量に描かれていた絵本の中身は・・・。

膨大な数の無数の「悪夢」の内容ばかりだった・・・。


歩き出して部屋から出た「悪魔の貞子」と自称する絵本作家は、

外に出歩きながらスケッチブックのページを捲る・・・。


「第一話・・・。「嘘の世界」・・・はじまりはじまり~・・・。」


その瞬間に世界中の人間が突然眠りにつく様に倒れ始めた・・・!!

当然、結兎達も猛烈な眠気に耐え切れず、本当に倒れそうになる。

「リク!!これが敵の作戦ねっ?!!」

「また・・・戦ってくれますか?まゆら・・・。」


スッと立ち上がり「当たり前でしょ?」と勝ち気に微笑む。


「まゆら・・・さん・・・、私・・・」ガクッと力が抜けて

倒れる猫宮さん・・・。

結兎も半分眠りの世界に入ってしまっていた・・・。


「寝てはダメ!!敵の罠に嵌ってしまう!!ダメよっ!!」

しかし時すでに遅し・・・。

結兎は・・・。力が抜けた様に倒れ込んでしまい・・・、

もう・・・夢の中に入ってしまっていた・・・。


「エリナちゃん・・・!!こんなところにいたんだ・・・?!」

夢の中で結兎は「エリナちゃん」の姿を発見して嬉しそうに

近づいていく・・・。


エリナちゃんは笑顔で結兎に向かってこう発言した・・・。


「弱いユイト様・・・。嫌いです・・・。二度と・・・。

貴方の顔なんか見たくもなかった・・・。だから・・・。

私は貴方を避けて・・・学校に行けなくなってしまっていたの・・・。」


結兎は・・・一気に血の気が引く・・・。


「大体・・・何なんですの?貴方は・・・そもそも・・・。

男の子の癖に「女の子」の格好をして・・・。気持ち悪い・・・。」


「気持ち悪い」の一言を聞いた瞬間に膝をついてその場に

しゃがみ込む様な感覚になっていた・・・。


「ずっと・・・笑って見てました・・・。貴方の事・・・。

心の中で馬鹿にしていたの・・・。私・・・。ずっと・・・。

気持ちの悪い男の子だなって・・・。軽蔑して見ていました・・・。」


「嘘だ・・・。そんなの・・・・・・。」

頭が真っ白になる・・・。


「大ファンですだなんて・・・「大きな嘘」でしたのよ?

「大好き」だなんて・・・貴方に言った事があったかしら・・・?」


「嘘・・・嘘・・・・・・・・・て。」

言葉が負の連鎖の様にずっと繰り返して口から出てしまう・・・。

ショックが計り知れなかった・・・。


「・・・言ってあげましょうか。本当の事を・・・。

私は・・・ずーっと「貴方の事が大嫌い」でした・・・。」


「大嫌い」の言葉を聞いた瞬間・・・。

結兎は嘔吐した・・・。


現実の世界では・・・まゆらが必死に倒れた結兎の体を揺り動かす。

「ダメよっ!!悪夢に取り込まれてしまったら!!罠なのっ!!

絶対に・・・駄目・・・!!!」

涙ぐむまゆらは・・・。次の瞬間にキッと前を見据えて

「リク・・・!!変身魔法!!早く!!!」と叫んだ。


リクが魔法をかけるとまゆらは星屑の煙幕の中からいつもの

地味な「木山まゆら」ではなく、派手な衣装の「ピンキー・まゆら」の

姿に変わっていく・・・。


「すずちゃん・・・!!貴方も暫く堪えていてねっ!!」

走り出すまゆらは敵の位置を探り当てるのに必死だった・・・!!


「悪夢は・・・まだまだ終わらないのよ・・・?

「第2話」・・・「裏切り」・・・。」


猫宮さんも夢の中にいた・・・。

そこでは猫宮さんは・・・英太をやはり探していた・・・。

英太の姿を見つけた猫宮さんは一瞬安心して駆け出した。

「英太く・・・」


悪夢の中の「英太」は・・・。

冷たく突き放す様に猫宮さんを拒絶し始める・・・。

「ああ。お前か・・・。何しに来たの・・・?」


「何って・・・・・・・。」


「彼女気取りなの・・・?いい加減勘違いがウザイんだけどなぁ・・・。

ハッキリ言って迷惑なんだよ・・・。うんざりだ・・・もう・・・。」


ドクンッ・・・と心臓が破けそうな音がする・・・。


「あ・・・そ・・・そう・・・。あはは。ごめんね~・・・。

なんか・・・。私がウザイって・・・そうなの・・・何時から・・・?」


「最初からお前の事なんか何とも思ってなかったよ・・・。

勘違いが酷くて早く切り捨てたかった・・・。正直・・・。

他の女の子とかいっぱい見てる方が・・・ずっとお前と居るより

楽しいんだって・・・、知らなかった?」


冷淡な目つきと口調で「切り捨てたかった」と言う英太・・・。

その言葉が・・・すずの心を抉って傷つける・・・。


「じゃあね・・・。猫宮さん・・・。」

後ろを向いて何処かに行こうとする英太の姿に絶望する・・・。


もう・・・「すずちゃん」とは呼んでくれないという悪夢に魘されていた。


眠りの中で「英太」に裏切られた事が・・・深く心を抉り・・・。

現実世界で倒れて眠るすずの目には・・・涙が滲んでいた・・・。


「お話の続きは・・・まだまだ続くのよ・・・。「終わり」まで・・・。

延々と「終わらないの」・・・。」

悪魔の貞子の台詞はまさしく「悪魔の様に残酷」だったのだ・・・。



悪魔の貞子の攻撃の開始・・・。

その攻撃はどこまでも「闇が深くて心を抉るものばかり」であった・・・。

まゆらは間に合うのか・・・!!

そして・・・生き残っていたキリの妹のリク・・・。

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