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新年初笑いとばかりに「あいつ」がやってきたらしい。

今回は一応前回の続きですが新年ということもあり、

シリアスムードから一転してギャグ要素アリです。

世界観ぶち壊しですが元々そんなストーリーなので肩を落とさない様に

お読み進みくださいませ・・・。

「戦慄の紅」を捕獲した宇宙人の英太は

とある一室でそいつを警察官の取り調べの様に

尋問していた。


「おら。吐け。お前は何なんだ?誰の差し金だ?」


「・・・何のことだよ?俺は普通の高校生だよ・・・。

差し金とか・・・訳わかんねー・・・。つか、ここどこだよ。

家に帰してくれよ・・・!!怖いよ!!俺はただ、家で

漫画読んでたいだけなんだから!!漫画の世界だけが

俺にとっては唯一の居場所なんだよ・・・!!逃避したいだけであって

何で親や友達に馬鹿にされなきゃなんないんだ!!俺は・・・。俺は。」


弱気に成り果てている「戦慄の紅」・・・。

その彼の姿はもうどこにも「戦慄さ」はなかった。

ただの気弱ないじめられっ子の様にうじうじと泣き言ばかり

言い出していてナイフを持ち出した記憶すらないようであった。


ふう・・・と嫌な溜め息をついた英太はとある人物に

連絡を秘密裏にとっていた。

「おう。元気だったか・・・?ちょっと昔の文献を

調べ出して欲しいんだ・・・。急遽頼む・・・。ああ・・・。

あいつ?まあ・・・元気だよ?て言いたいところだけど、

今は落ち込んでいて以前の明るさはどこにもないぞ。」


そこで何か相手に言われたようだ。通信機越しに・・・。

「・・・。馬鹿か・・・。まあ俺も馬鹿だから人の事は言えんが・・・。

まあ、今のあいつには「お前」が必要かもな・・・。うん。じゃ。」


少し笑んだ英太は安堵した様に床に座り込む。

「元気になってくれたら・・・いいんだけどな。うん。」


そして後日。

猫宮さんに対して話を告げる英太。

「ふうん?じゃあ。あのナイフ男はただの人間なんだ?」

「そう、本名は「江野えの行夜ゆきや。近くに

住んでる高校の普通の高校生らしい・・・。まあ、不登校だった

みたいで、もうじき高校を中退するところだった・・・とかなんとか。」

「それが何であんなに凶暴になってたのよ・・・?変なクスリでも

やってたとか・・・?!ナイフとか・・・一昔前に流行ってた

少年犯罪の加害者みたいじゃない・・・。キレるタイプなの?」


少し考えて口元に指を添えながら今これを言っていいのかどうかに

ついて迷っているようだった。

「何なの?!私にも言えないようなことなの?!!」

少し顔が間抜けにほころぶ英太は口角が上がっていた・・・。

「いや~・・・。すずちゃん・・・。やっぱり可愛いなぁ!!」

かあっと赤くなる猫宮さんは「かっ!からかうなっ!バカっ!」と

可愛らしく反論した・・・。

こんな時だというのに相も変わらずのラブラブぶりにシリアスムードが

若干和んでいた。


「まあ。これは、一種の「まじない」だよ。そのせいで

頭がおかしくなってたんだろうな。何者かに操られていたのか

記憶まで飛んでなくなってるしな・・・。」


「まじない・・・?何それ・・・?暗示にかかってたってこと?」


猫宮さんは更に英太に近寄って問いかけた。

「一体誰に・・・!!」

顔が近づいたはずみなのかわざとなのか、(多分わざとだが・・・)

猫宮さんのほっぺたにちゅーする英太。

「なあっ?!!何すんのよっ!この・・・ばかあっ!!」

赤くなって走ってその場を去る猫宮さん・・・。


「今は言えないんだ・・・。ごめんね・・・。」

情けない顔で彼女に聞こえない様に謝る。

・・・が・・・。

「ぷにぷにほっぺが美味しいなぁ・・・。ふふ。

やっぱりすずちゃんは最高に可愛いなぁ・・・。ふふふ。」

次の瞬間にいとも簡単に元のアホの英太に戻っていたのであった。


その頃・・・。

家でまだ寝込んでいた結兎。

部屋の鍵を誰かが開けて侵入してきた。

「?!誰だっ・・・?!!」

ガバッと起き上がり警戒していた結兎。

次の瞬間、暗闇で誰かに押し倒されてしまう。

「ぎゃあああああっ!!ダッ誰かーーー!!」

「逢いたかったぞ・・・。我が嫁よ・・・。」

聞き覚えのある声。それに長い黒髪がサラリと顔に当たった。

「お・・・お前・・・!!なんっ・・・!!なんでっ?!」

「逢いに来た・・・!!」

にこやかに笑うのはそう・・・読者も忘れ去りそうな

懐かしの宇宙人の「クロ様」であった!!!


「今年もこの星は所謂「明けましておめでとう」ってやつかな?

「あけおめ~!」てやつかな?嫁!これでこの星の挨拶は合っているか?」

明るくにこやかに話しかけるクロ様は真っ暗な部屋でも

よく分かるほどに瞳がキラキラしていた・・・。


「・・・うわああああーーーーん・・・。」

「何を泣くっ?!悲しいことなど何もないぞっ?!笑え?」

「お前のアホな顔見たら安心してしまった自分に泣いてるううう!!」


ポカンとするクロ様はその直後に宥める様に結兎の頭を撫でた。

「大丈夫だ・・・。俺様がいる・・・。お前は1人じゃないんだぞ?

だから・・・もう泣かなくていいんだぞ・・・?」

優しい顔で微笑みながら結兎を抱きしめていた。


んが・・・。

「ゆいくんっ!!どうしたの・・・キャーーーー!!!」

「どうした母さんっ!!?・・・ギャアアアアア!!!」

叫び声を聞きつけて部屋に入ってきた両親に思いっきり見られてしまう。

結兎はハッと気が付いた・・・。

その構図は・・・。黒髪の美形に押し倒された上に抱きしめられている

小学生男子の息子を目撃した親。というもので・・・。(笑)


「ちっ・・・違うんだこれはっ!!!」


「お父さんーーーっ!!ゆいくんがとうとう本当にゲイの世界の

住人になってしまったわあああああっ!!ボーイズラブなの?!

これはボーイズラブなの?うちの息子はボーイズラブ?!!」


「息子がボーイズラブにいいいいいいいいっ!!!」


絶叫する母親と父親・・・。


「違ううううううっ!!!!」涙目で誤解を解こうとするが・・・。

クロ様が余計な台詞をよりによって吐いてしまう・・・。

「お父様、お母様!!息子さんを僕の嫁にくださいっ!!」


「ばっきゃろおおおおおおおおおっ!!!!!」


大絶叫が響く新年の夜更けであった・・・。

前半はシリアスでしたが徐々に元のギャグパートを入れてみました。

懐かしいですね。この展開(笑)。

でもまたシリアスにも戻りますが以前よりはシリアスは控えめに

マイルドモードになるかもしれません。

ですが、最後は大どんでん返しが起こる予定です・・・。

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