急展開!!
お待たせしておりました。
新作です。
「何か」が起きますよ?予告通り・・・。
床に突っ伏した状態で気絶している英太をよそに
俺たち「地球防衛団(仮)」は話し合いをしていた。
(それも教室のど真ん中で人目も気にせず堂々と(笑))
「じゃあ最近隕石が降らないのって何かと関係性が
あるとかなのか?」俺が猫宮さんに問う。
「私でもそこまではちょっと分からないわね・・・。
ただ、この星は今ちょっとヤバいことになってるのは
確かみたい・・・。日本だけじゃなくて海外にも
宇宙人の侵略の余波がきてるとかきてないとか・・・。」
真顔で真剣に話し合う俺たち・・・。
傍から見てる生徒たちはポカーンとした顔で
「なあ?最近なんであいつら3人でつるんで
わけのわからない話ばっかりしてんの?」
「さあ?僕らとは次元が違うアピールがしたいだけ
じゃないの?「どうせお前らには分からないだろ。
俺らだけの秘密の会合なんだよ。」みたいなノリじゃない?」
えらいキッツイ言われ様だが「まさにその通りで御座います。」
こんな与太話信じる奴なんて・・・いるのかな?実際・・・。
まあ、実際に隕石落下事故が多発してる昨今だから
何が起きても不思議じゃないし誰もそんなに驚かない様な気もするが。
「確かに言えることがあるとしたら・・・。
私が戦って勝ってる相手は「月の国」の支配者とは
また違う軍団?みたいな感じなのよね・・・。」
「「月の国」・・・???何それそんなのあるの?」
俺がぽかんとした顔で猫宮さんの話をつい遮る。
猫宮さんもこれにはさすがに呆れてキレていた・・・。
「あ~な~た~ね~え!そもそも貴方のバックにいるのが
「月の国」の原住民だった「ウサギ軍団」の生き残りの
「キリ」じゃない!!」
「ええ?!あいつの星が「月」だったって?!
そんなおとぎ話もびっくりなことあんの?!すげー!」
つい驚いて子供みたいに(子供だけど 笑)はしゃぐ俺に
ガッと蹴りを入れてくる猫宮さん・・・。
「いたいっ!!」
(この子毎度毎度「暴力的」なんだよなぁ・・・。
顔は天使の様に可愛いのにとんだ捻くれ小悪魔だよ・・・。)
「ともかく!敵は1人や2人じゃないの。
今は緊急事態だからそんな風にチャチャ入れてる場合
じゃないでしょ?!真剣に話し合いましょうよ!」
「は・・・はい・・・。すみませんでした・・・。」
涙ぐんで謝る俺は尻に敷かれた亭主の如しだった・・・。
いや。まあ俺としては既にマイエンジェルことエリナちゃんとの
新婚生活(最近は満喫できてないけどさぁ。)が・・・。
いかんいかん!!俺としたことが浮気はいかん!!
そんな中・・・。
突然空からキラリと光る飛行体が出現した・・・。
なんか嫌な予感がして背筋がぞわっとした・・・。
ゴオオー!という飛行音が聞こえてきて耳をつんざきそうだ。
「俺様の嫁ーーーーーーーっ!!」
宇宙の彼方から愛を叫ぶかの如く「愛してるぞーーーっ!!」と
大絶叫しながら教室の窓をドガシャーン!と突き破り
ガラスの破片が飛び散って室内はパニックに陥った!!
「きゃあああああああ!!」「うわあああああああ!!」と
男女ともに叫びながら教室から逃げていくが俺ら3人は
バッと戦う体制を整えて構えていた。
「ふう・・・。嫁・・・。俺様に久しぶりに逢えて
嬉しく思わないか?」
「げ!!忘れた頃にやってきたよこいつ!!」
青ざめてその場から逃げ出したくなる俺・・・。
俺の元に近づき所謂「顎クイ」の様な状態に・・・。
俺の顎を人差し指で「くっ」と持ち上げながら
一言・・・。
「ん?いつもと違うなと思ったらお前はいつもの
「ウサ耳バニー」じゃないじゃないかっ!!
なんだかいつもと違う!身長もバストも足りないっ!!
髪の色もいつもの愛らしいピンクじゃなしに
水色の髪色じゃないかっ!!!どうした?!
イメチェンなのかこれはっ?!」
慌てて弾丸の様にまくし立てながら俺に詰め寄ってくる。
「これが本来の俺なんだよばーかっ!ザマミロ!」
ははーんとばかりに嘲笑ってやった・・・。
(だってこいつのせいで俺は「魔法少女」になる
キッカケにならされたんだからな・・・。恨みつらみも
全て吐き出したいぐらいだよ・・・!!)
「・・・分かった・・・。俺様は君の全てを受け入れようぞ。」
・・・は・・・?????何言ってんだこいつ・・・。
「困った時は俺様をいつでも頼るがいい・・・。
俺様は今でこそ落ちぶれて財力も部下も失ったが
人脈は広いから大体のことは融通がきくぞ・・・?
だから安心して敵と戦うがいい・・・。」
・・・何の人脈なのか・・・。そもそもこいつが何を
言ってるのかもさっぱり分からないでいた・・・。
「月はもう手放した・・・。元の「原住民」は今でこそ
いない状態だが、そのうち戻ってくるだろう・・・。
また「再建」すればよい・・・。それよりも俺様との
「祝言」はいつ挙げようか・・・?」
ホストの様な甘い言い方で俺に接してくる・・・。
相変わらずだなこいつ・・・。
しかし英太といい、こいつといい・・・。
何で「男の俺」にここまで執着してくるんだよ。
怖すぎるだろ・・・。
教室内はガラガラだったが・・・。
何という事か・・・。英太が突っ伏した状態で
床に倒れたままだった・・・。
(まさか・・・聞こえてないよな?この会話・・・。
見られてないよな?この状態を・・・。)と内心ドキドキして
手に汗握ってカチンコチンに固まる俺だった・・・。
「ああもうっ!真剣な話し合いしてたのにこれは
どういうことなの?!本郷結兎くんっ!!」
途中で話に割り込んでくる猫宮さんは苛立っていた。
「こいつは敵のボスじゃなかったの?!
何でこんな「色事」みたいな雰囲気になってるの?!
そもそも男同士じゃないっ!!」
ドカーーーーン!とばかりにスッパリと言い放つ彼女。
「なに・・・?君は男・・・?なのか・・・?」
やや青ざめる敵のボス(名前知らん)。
「まあよい・・・。」
「いいのかよっ?!」
なんだか夫婦漫才みたいなやり取りを交わす俺と敵。
「俺様の名前を教えてなかったな・・・。俺様は
「闇の使い株式会社」の社長の
「クロクロクロクロクロクロクロクロ(エンドレス)。
つまり、略して「クロ様」と皆は呼んでくれている。」
「本名ながっ!!」
そりゃあ、皆略して当たり前だと思ったよ俺でも・・・。
「そんな事よりも・・・。今はそれどころではなかったな。
祝言の話は今は置いておく・・・。実は嫁であるお前に
伝えておこうと思って助言しに来たのだよ俺様直々に・・・。」
「・・・え?!」嫌な予感がよぎる・・・。
「この星。「地球」と呼称されるこの惑星・・・。
今大変なことになっておるぞ。」
冷たい瞳になって冷淡な口調で真面目に話し出した・・・。
「大変な事って・・・。」
息を呑む俺ら3人・・・。(ちゃんとエリナちゃんも傍にいます)
「地球の中でもめざましい進歩を遂げた国の利権を争って
銀河中のかなり悪質な生命体が徐々に攻め込んでいるのは
知っているだろう?」
俺はハッとした。
それは今まさに3人で作戦会議していた時に出ていた話題だ。
そう・・・。まさに。
「真の敵」についての話・・・。
「あいつらは俺様の様に生易しくない連中だ。
実際に下劣な見た目と凶暴性のある理性のない化け物。
「宇宙獣」と我々の間で呼ばれている
下等生物・・・。」
「・・・なんかヤバイ話になってないかこれ・・・。
確かな情報なんだよな?!それ・・・。」
「そいつらが何故この国や他の辺境の惑星全てを
支配している理由を知りたくないか・・・?」
「もったいぶるな!早く要件を言えよ!!」
こくこくとエリナちゃんと猫宮さんも必死に頷いた。
「あの様な下等生物が使われているのは「上の立場の者」が
存在するからだ。つまり俺様の様に「下っ端」を使う者だな。
だが俺様はあんな汚い真似はしない。混同するなよ?
俺様の美学からは果てしなく遠い考え方の連中がいるということだよ。」
いつになく真面目に話をする「クロ様」とやら・・・。
「つまり・・・情報提供してくれてるって事だから。
貴方、私たちに味方してくれるっていうの?」
冷静な口調ながらもひやひやした感じに顔をこわばらせながら
真剣に問いかける猫宮さん・・・。
「・・・こちらもなかなか麗しい見目の少女だな・・・。
だが今は時間がないから後で構ってやろうぞ・・・。」
「いらないわよっ!」少し照れながら怒る彼女・・・。
「あ。もうタイムリミット・・・。貴様ら今すぐ備えろ!!」
口調を荒げて「変身」を促す。
同時に次元がぐにゃりと歪み始めた・・・!!
敵さんのお出ましの合図だと思われる・・・。
変身しようとした矢先に猫宮さんの足首を「何かが」掴んだ!!
「ひゃああああっ!!」
ドロドロとしたアメーバの様な形状の「宇宙獣」・・・!!
「猫宮さんっ!!」
俺は叫んで手を伸ばすが届かない・・・!!
時空の歪みにエリナちゃんは失神してしまった。
「エリナちゃんっ!!」
エリナちゃんの姿が遠くに消えてゆく・・・。
「どうしようっ!!何でこんな時にウサギはいないんだよ?!」
焦る俺をどこから出したのか知らないが黒いマントで
覆い隠す様に庇ってくれたのは敵だった筈の「クロ様」だった。
「俺様は必ず君を守ると誓ったろう?この場は俺様に
しがみついていろ!!巻き込まれるぞ!!」
「でも!エリナちゃんと猫宮さんがっ!!」
情けなくて泣きたくなった・・・!!
「俺は何もできないっ!!」涙が思わず零れ落ちた。
すると・・・!!
零れた涙が結晶の様に固まり、光り出した・・・。
今までに見たこともないぐらいの「光」だった。
次の瞬間に俺は・・・。
ウサギの合図もなしにひとりでに姿が変わっていく・・・。
「・・・嫁・・・?」
クロ様はマントの中で包まれて抱きしめていた筈の俺の
変わっていく姿に驚きながらも・・・嬉しそうに笑みを浮かべた。
「それでこそ我が嫁の真の姿・・・。」
惚れ直したと言わんばかりに褒めたたえる俺の姿は・・・。
光り輝くドレスを身に纏うどこかの王女の様な姿だった。
(と、俺は後に知るのである・・・。)
続。
進化した「ユイト」の「真の姿」。
「ひとりでに覚醒を遂げたユイト」は次回
いつになく「主人公らしく戦います(多分(笑))!!




