「解雇からの共闘命令下る!!」
前回からの続きです。
ではどうぞ。
俺を(かなり手荒な扱いだったが)助けてくれた
「猫宮すずさん」・・・。
教室の中に佇む猫宮さんは綺麗なブロンドの様な
金髪くるくるパーマのショートヘアーでとても
愛くるしい容貌だった・・・。
「少し場所を変えましょうか・・・。」
猫宮さんは俺にそう告げる。
気付けば周りの空間が元の状態に戻りつつあり、
床に倒れていた生徒たちがもうぼちぼち起き上がりそう
だった為、少し彼女も俺も焦っていた。
「ここまで来ればいいでしょね。」
校舎裏の暗がりの様な場所に2人きり・・・。
彼女はもう時間切れだったのか元の姿になっていた。
でかい瓶底眼鏡をカチカチ指でいじる彼女。
多少苛立っていた様だ・・・。
「なんで貴方変身しなかったの?」
誰でもそう思うであろう疑問を投げかけられてツライ。
「お・・・俺は・・・もう・・・女には戻れないんだ。」
カシャーンッ!!
瓶底眼鏡を落としてしまった猫宮さん・・・。
「・・・はあ?!貴方そういう趣味だったの?!キモイ!」
・・・・・・・・・。
「あ!違う違うっ!!俺が言いたいのは「女に戻りたい」とか
じゃなくてっ!!もう・・・変身できないっていう意味であってっ!」
必死で自分の言葉のあや・・・というか言う単語のチョイスのミスに
慌てて言い訳じみた台詞を頭の中で考えようとしていた。
かくかくしかじかとばかりに漫画的な大層便利な言語処理をしました俺。
「へえ・・・?じゃあ貴方解雇されたってわけね・・・?」
ようやく事の真相を知れて納得したらしい・・・。
「じゃあ良かったじゃない。貴方もう用済みだったのよ。
残念だわ・・・。折角「お手伝い」してくれる「仲間」が
できたと思ってたのにそれが、こおーんな「腑抜けた根性」の
やる気なし男なんだから・・・。呆れてしまうわね・・・。」
グサリグサリ・・・。
心が痛いですもうやめて・・・。
君の言葉選びはどれも的確だけれども辛辣すぎて心が折れる。
「じゃあやめちゃうんだ?魔法少女・・・。もどきか・・・。」
少し寂しそうに言われてなんだかなぁな状態・・・。
そこであることに気づいた・・・。
「なあ!猫宮さんっ!俺、何で変身も出来ない一般市民に
戻れたはずなのに、あんな変な怖い化け物が「俺」に
向かって攻撃してきたんだ?!ピンポイントに狙われたとしか
思えないんだけどもっ!!・・・なんで・・・。」
眉間にしわを寄せて難しい顔をしだした猫宮さん・・・。
「それが私にも分からないのよね・・・。敵さんの中では
既にブラックリストにでも載ってるんじゃないの?
貴方の存在が・・・。」
続けてこう言い放つ・・・。
「まあ。私よりも出来の悪い貴方如きが何で狙われてるのかまで
知らないけどね・・・。それ考えると私「超・不愉快」なの。」
思わず俺もムッとしてしまい、噛みつくように反論する。
「不愉快ってなんだよ?!俺だって結構色々やなことでも
こなして頑張ってきたんだよっ!「如き」とか言うなっ!!」
「ふうーん・・・?」
上から見下ろす様な態度でニヤッと笑い、
俺に近づいてきた・・・。
「傷になってるね・・・。ごめんなさい・・・。
「女の子の顔に傷を付けたら駄目」なんだろうけど
貴方は男の子だから・・・どうなるのかしらね・・・?
日本はなんだかんだで「男女平等ではない」訳ね。
この場合は「男の子が損をするパターン」か・・・。」
よしよしと犬を撫でる様に俺の顔の傷跡を撫でてくる。
カアーッと自分の頬が赤面するのを肌で感じる・・・。
「や・・・やめろよ・・・。スキンシップが過ぎるぞ!」
ぽかんとする彼女・・・。
「ブッ・・・」と笑いだした。
「ごめんごめん・・・。つい。」
「君は女の子なのにあんなに一生懸命戦って危ない目をみて
平気なの・・・?!俺だったら・・・怖いけど・・・。
でも情けないのは嫌だから・・・、君みたいな女の子を
ちゃんと守ってあげたい気分だよ・・・!」
ポロッと口から零れた言葉だった・・・。
時間差で「かああああーーー」と赤面しだす猫宮さん。
「あ・・・・・貴方・・・よくそんな痒くなりそうな台詞
言えるよねっ?!こんなこと言われたの生まれて初めてよ・・・!」
「俺だって変な奴みたいに思われても構わないけど、
男として「君みたいな女の子」を守れたらいいなってただ・・・!」
(そう思っただけだよ。)と告げようとした次の瞬間に・・・
ガサガサガサッ!!
「パーンッ!!」と茂みの中からウサギ野郎の「キリ」が
クラッカーを鳴らしながらでかでかとふてぶてしい態度で
出てきたので俺も猫宮さんもビビってしまった・・・!!
「すごい・・・これが「ウサギ軍団」の「キリ」・・・。」
間近で見ると迫力あるのねと言いたげだった・・・。
「いやー。良かった良かった。お前やっぱり続けろよ!
向いてるよお前は・・・!!育てがいがあったってもんだな!」
テンションMAXで盛り上がるウサギは俺の肩を叩きながら
「いやー。試したんだよな~。ハッキリ言って。」
・・・・・・・・・。
「ハアアアアアアアアアーーーーーーーッ?!」
「でかい声で叫ぶなこの馬鹿たれがっ!」
そう言いながらも嬉しそうに俺に鉄拳を繰り出した。
殴られたり爪で引っ掻かれたりで俺の顔のその後が
後々どうなるのかが心配になってしまうよ・・・。
「ごめんね~?敵を欺くならまず味方からって言うでしょ?」
後ろから黒猫が現れた・・・!!
「カモミールッ!どうゆうことこれっ???」
(あ。猫宮さんのとこの猫さんですか・・・はいはい。)
「2人で陰で連絡とりあいながら「己を高める作戦」を
計画してて。見事に2人とも合格点よ?」
カモミールさんとやら、猫宮さんに抱きかかえられて
彼女の頬を舐めていた・・・。
(うちのウサギなら絶対できない芸当だな・・・と
想像しただけで気持ちが悪くて吐きそうになった・・・。)
「次回からお前ら2人でグレードアップして「共闘」だな!
頑張れよっ!!エリナ嬢も実はこの件には大賛成してくれてて
それで敢えてお前ら2人に話しかけなかったんだぜ?!」
嬉しそうなウサギ・・・。
後ろからにょっと出てきた天使系美少女のエリナちゃん!!
「猫宮さん・・・いいえ。『ぷりちー・くろにゃん』様っ!
サインくださいましっ!!」と・・・猫宮さんの前に立って
サイン色紙とマジックを手渡していた・・・。
ぽかんとする俺と猫宮さん・・・。
続。
なんとなく「くどい回」になってしまい、そこがやや
残念ながらも「次回への布石」となれたので作者的には
「なんとか保てた・・・!」と冷や汗たらりで少し安心です。




