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転校生は「ウルトラ強かった・・・。」

今回から徐々にシリアス風味になるかもしれません・・・。

でもまた徐々にギャグを交えたアホコメディーに戻るかも。


続きをどうぞ・・・。

転校生。

「猫宮すず」と自己紹介した彼女は俺に・・・。

「ガンを飛ばしてきた・・・。」


びっくりして目が丸くなったがすぐさま彼女は

フイッと横を向き、やはりやや猫背っぽい姿勢で

俯いていて・・・。その印象はやはり「暗そうな子」だった。


休み時間になり、猫宮さんがとぼとぼと歩いていたら

クラスのボス的存在の悪ガキが彼女の足にわざと足をかけて

転ばせようとニヤニヤ嫌な笑い方をしながら嫌がらせを

しようとしていた・・・。

誰もがその瞬間を見ていたが(当然俺も驚いて見ていた)

その足をひょいっと飛び跳ねてかわし、見事にスタスタ・・・

とはいかずに、またしてもとぼとぼと歩き始めた。


いじめっ子の悪ガキも周りの子たちも「唖然」としていた。


英太が少し困惑気味に「あの子・・・かっこいいな・・・。」と

褒めたたえていた・・・。

確かに・・・。

一見すると大人しそうな、こう言っては失礼かもしれないが

とろそうに見える子なのに反射神経が鋭敏だと驚いてしまう。

名前の通り「猫」の様な子だった・・・。


「ちりん。」

首に巻いたチョーカーに小さな鈴が付いていて、

オシャレアイテムの様だが何故だろうか・・・。

不思議な感じがする・・・。

まるで「俺と同種類の人間」を見ている様な気分だった。


放課後。

いつもの様に帰ろうとしていた。

今日は珍しく「隕石」は降ってこない。

多分もう敵さんも諦めたんだろうなと自分なりに解釈した。

「あの阿呆のラスボス野郎・・・。」

段々と思いだすと腹立たしい気持ちになったが、

「その後のエリナちゃんとの蜜月ムード」に繋がる一件だったので

嫌な思い出でもあるがそれと同時に・・・。

ムフフな良いイメージも思い起こさせるのでにやけが止まらない。


その時だった。

「本郷結兎くん。」

名前をフルネームで呼ばれたので振り返ったら・・・。

ラベンダー色のパーカーに短パン、縞々のタイツを穿き、

よく見るとそれなりにいい感じにオシャレないでたちの

転校生の「猫宮すず」が立っていた。


大きな眼鏡をスッと外し、俺の方を見る。

オレンジ色の瞳はまるで本物の猫の様だった。


俺はハッとして、「え?何?なんで俺の名前・・・」と

言いかけたら言葉を遮る様にこう切り出した。


「貴方、本当は「女の子」の格好してるよね?時々。」


ひゅ~と乾いた風が吹きすさんだ。

俺は余りの衝撃に身がすくむ思いだった・・・。

青くなって、冷や汗が背中の方から滲んでくる・・・。


「え・・・?」誤魔化そうと言葉を探したが・・・。


「貴方・・・。私と共闘してくれないかな・・・?」

彼女は冷静だが冷たいという感じではなく、真顔で真剣に

俺に「提案」してきた・・・。


「共闘?!どういう・・・」言葉を続けようとしたが、

その瞬間に怪物の様な・・・なんというか、如何にもな

雰囲気の「化け物」が姿を現した!!


「なんじゃこりゃあああああっ!!」

俺は腰が抜けそうになるぐらい恐ろしかったので

悲鳴を上げてしまう・・・!!


「・・・貴方、意外と・・・でもないか。甘ちゃんだから

こういう敵との実戦経験は皆無でしょう・・・?」

そう言う猫宮さんに俺は驚いた・・・。


「君・・・。もしかして・・・。」

ごくりと唾を飲む・・・。


「俺と同じ人種の・・・?」

それ以上は言えなかった・・・。

勘違いだったらカッコ悪いってのもあったし、

それ以前に今は状況が状況だけに怖すぎて身がすくんでる。


「カモミール!変身魔法をかけて!」

カモミールと呼ばれる黒猫がストン!と降りてきた。

「みゃ~お~~~~~~っ!!」鳴き声と共に彼女は

光に包まれて、イメージ的には綺麗で迫力のある音楽が

BGMで流れそうな所謂一般的な魔法少女系ヒロインの

変身シーンみたいな感じになっていた・・・。


俺は・・・。

腰が抜けている割にそこだけは冷静にツッコんだ。

「俺の時の変身と全然違うじゃねえかよっ!!

こっちの方が正統派じゃないかー!あのウサギ野郎ぉおお!」と

涙目になってしまい、ウサギの「キリ」を恨んだ・・・。


猫宮さんはやたらと長い変身シーンを終えて、

黒猫をモチーフにした様なもこもこの衣装を身に纏い、

ハロウィンのコスプレみたいなカッコになっていた。

(しかも黒猫らしく、猫の耳と尻尾が生えていて、

ぶっちゃけカッコよかった・・・。)


「『ぷりちー・くろにゃん』参上っ!」と叫んでいた。

(え・・・!名前・・・ダサいな・・・!と苦笑いが・・・)

でも変身後の姿は金髪ショートで爪が鋭く長く、スレンダーな

スタイルのキリッと系美少女だった・・・。

イメージとしてはモデルさんがコスプレしてる様な感じ。


敵は・・・。見るのもためらう程の異形の化け物だった。

もうほんとに映画とかに出てきそうな本物の怪物そのもの。

顔には大きな目玉が3つもギョロリと付いていて不気味な容貌。


「ぷりちー・くろにゃん」と名乗る転校生の猫宮さんは

物凄い速度で動き回り、敵の腕を掴みながらその鋭い長い爪で

一気に引き裂いていた。(!!!)衝撃を受ける俺・・・。


「グワアアアアアアッ!!」

叫び声を上げながら突進してくる。しかも俺の方に!!

「ぎゃあああああ!怖い怖い怖いっ!!誰かーーー!」

情けなくもそう叫ばずにいられない俺だった・・・。


後ろから化け物のもう片方の腕を掴み、ぐるんと回り込んだ

彼女は目玉をその鋭い爪で攻撃していた・・・!!


「凄い!あんなに華奢な女の子が・・・!!」

俺は今日は珍しく真面目な顔で真面目な言葉しか言えないでいた。

「ムーンライト・サンダーボルト!!」とか、何かの漫画やアニメに

出てきそうな決め台詞を叫びながら両手から「雷」の様な衝撃波を

打ち込んで敵の化け物を木端微塵にしてしまう・・・。


「・・・かっけぇえーーー・・・!」

思わず拍手してしまったよ・・・。俺・・・。


それで振り返る彼女は冷たいまなざしで一言。


「貴方、全く頼りにならない。変身すらしないなんて・・・。

今まで何をやってきたのかしらね・・・。」と呆れた様に

俺に軽蔑するような感じに言ってきた・・・。


なんか・・・。返す言葉もない・・・。

俺は今日ほど「情けない」と思ったことがなかった・・・。



続。

思った以上に新キャラの「猫宮すず」が強いので、

主人公を圧倒的にあらゆる意味で凌駕しております・・・。

最初はこのキャラはもっと甘い感じにロリッとした

ブリッコキャラとしてギャグ要員として登場させるつもりが・・・。

とんでもないシリアス展開になってしまい、作者も戸惑っております(笑)。

また少しずつ、ギャグも交えつつ展開させていきたいです。

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