□4□
4階にある教室についた。校舎は白で統一されていて、どの教室にも冷暖房完備している。
ったく、疲れた。
もう授業うける気がしない。
教室のドアを開けて入った。
窓側の暖かい自分の席に座った。
あー、疲れた。
机にうつぶせになった。
「おっはー!」
そういったと同時に、背中に体当たりされされ強い衝撃が走った。
「うおっ、いってーな!!」
背中をさすりながら、後ろを見てみると原野 航一が立っていた。
こいつは、俺と同じクラスで唯一俺と親しい友達。
「いや〜、悪い。悪い」
頭をかき、笑いながら言っていた。もろ、悪気がなさそうに。
「いやー、俺には謝っているようには見えないんだけど」
「何言ってんだよー。俺ちゃんとあやまっ」
「はいはい」
言葉の途中でわざと遮って言ってやり、再びうつぶせになった。
「えー。最後まで聞けよ!」
航一が机の前に場所を移動させた。
「んー、どーした?朝から倒れこんで」
「・・・・・・ライオンに追いかけられた」
「え!?じゃあ、帰ろう!今日は危ない!!」
「人間の女子にだよ」
「なんだ、人間か」
「人間に決まってるだろ」
ハーっと心の中でため息をついた。
「イケメンも苦労するんだな」
「イケメン言うな。全然うれしくない」
やっぱり、この両親譲りの少しホリの深い顔と高い身長は好きになれない。
中学同様、高校に入学して早々王子様扱いをうけている。だから、今日みたいに朝とか時々追いかけられる。
そのおかげで、俺は半分女子恐怖症だ。
「ま、俺がいるから大丈夫さ!ライオンからでも何からでも迎え撃つ!!」
肩にぽんと手をおいて、航一が明るく言った。
俺は、顔を上げた。
「俺は、航一の方が男らしいと思う」
「またまたそんなことー」
なんか、こいつといたら元気が出てくる。今日も1日がんばれそうな気がしてきた。
丁度そのとき、キーンコーンカーンコーン・・・・・とチャイムが鳴った。
「じゃ」
航一も席に戻っていった。
そして、いつものように、今日が始まった。