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笑う

「レン!!!」


そういって柵に駆け寄って下を覗いても生い茂ってる木々しか見えない。何があったのかよく状況を飲み込めない。どうせこのまま1800万2回目を迎えるのだと思っていたから目の前の出来事が嘘だとしか思えない。


心臓の音を隠すようにサクラがざわざわと泣いていた。


「うるさい!!うるさいうるさい!!」


私はレンの安否だけが気になっていた。いても立ってもいられなくて公園の階段を駆け下りた。


「全部お前のせいだ」


「自業自得だ」


「なにを今更」


など木々が噂話をしていたが今はそれすら耳に入らなかった。とにかく何度も何度も優しく追いかけてくれたレンが気になっていた。



いつから気がついていたんだろう。なんで気付いたんだろう、私は完璧だったはず・・・・・・。完璧なピエロだったはず。


そして下についたのだが、落ちたはずのレンはどこにもいなかった。死体すらない。何も無かったかのように桜がとぼける。


「レ・・・・・・ン・・・・・・?」


返事はない。ただただ桜の木が揺れている。おかしい、何かがおかしい。ああ、そうか。そうだったんだ。


「全部レンが仕掛けた罠なんでしょ!?私を騙したんでしょ!?また明日になれば繰り返されるんでしょ!?」


ザワザワと噂する声が聞こえる。やっぱり、やっぱりそうとしか考えられない。なんだ、なーんだ、心配して損した。


「クッ・・・・・・フフ・・・・・・アハハハ!!!」


あーあ。帰ろうっと。何これ、ウケる。バカにされてたんだ。


家に着いて1800万1回目の今日の睡眠。なんだか疲れたー。明日は1800万2回目かー。がんばるぞー!!


そして次の日。


いつも通りの朝。


いつも通りの時間。


いつも通りの生活。


のはずが、ずっと止まったはずだった日にちが動き出していた。

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