9/12
フリーターの話7
結局、夜まで豪遊して、次の日は運良く土曜日だったから、旧友を読んで昔話に花を咲かせた。
それから、簡単だけど遺書を書いて遺産が両親に行くようにした。
ダメな息子の最後の親孝行のつもりだ。
億万長者に両親はなれたハズ。
そして、最期のときがきた。
直感的に分かった。
どうしようもない眠気が襲ってきて、オレをどこかへと運ぼうとしているように思えた。
「最後なんだな」
稼いだ金で買った高級マンションで、真っ白な天井を見ながら呟いた。
思い返せばなんにもなかった人生だった。
まあ、方法はなんとも言えないけど金持ちにはなれたから良かったかな…………
ダメだ、ね…………む………………
*****
「ご馳走様でした」
事務所で小さく呟いた男は遠くを眺めて舌なめずりをした。