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フリーターの話5
「だって…………あなたの寿命もうないですから」
寿命………………?え?寿命??
「信じられないみたいですね??
ちゃんと書類見ました??
あなたが売っていたのは自分の寿命ですよ。
あなたの寿命は明日まで。
明日までの少ない時間を売ってまだ金を儲けたいですか??」
そんな、いや、明日まで??まだオレ健康じゃん。どうして??
「儲けますか?
あと一日の間に友人や両親に会いに行きますか?
どっちになさいます??」
信じられない。
あれ、オレどうしてこんなことになったんだろ??
金のためだ。
金のために時間………寿命を売ったのか??金はなんのために集めたんだろ…………
「返答はまだですか??」
目の前の男は追い打ちを掛けるように声をかけてくる。
「…………なんで分かんだよ。オレの寿命が」
「やっぱり、気になりますよね、私の目は特殊なんですよ。まぁ、特殊といっても標準装備なんですけど。」
だって、悪魔だから―――――