宇宙暦435年9月7日 1435時
宇宙暦435年9月7日 1435時
「は?・・・単艦で越境し強行偵察しろと?」
どうにかあの坊ちゃん貴族を撒いて?艦の修理も終わり、第1宇宙艦隊司令部機動要塞に着いたわけだが・・・。
「単艦ではない、アストレアが退いた工廠で新設計の・・・と言うよりはアストレア型専用と言った方がいいか、6級護衛艦2隻を建造しておったのだ、その2隻が昨日就役したのでそれをつける」
去年末に勃発した中華連合との防衛戦争に軍歴1週間の俺が出陣しろと?
強行偵察って事は一戦して敵の反応や戦力その他諸々調べて来いって事だから・・・
無理だろ普通・・・
「6級護衛艦2隻つけて貰ったところで初陣が強行偵察任務とか・・・」
「辺境からここに来るまで訓練したのだろう?それで十分だ、何か問題あるかね?」
問題大有りだと思うのは俺だけなのだろうか・・・司令長官にバレない様チラッと元メスイヌ・・・面倒だな、副官でもあるエリシア少佐の顔色を伺ってみる。
「長官、まだ編成されて間もない我部隊にその様な任務が務まるとお思いですか?」
俺の意を汲んでくれたのかエリシア少佐が第1宇宙艦隊司令長官であるハクセト・フォン・M・キム元帥に疑問を呈してくれた。
「少なくとも他の艦艇を遣るよりはマシだと考える、この要塞のセンサーを使ってもアストレアがかなり近づくまで感知できなかったからな」
「1週間しか訓練期間が取れなかったのにですか?」
「1週間あれば今の艦なら大丈夫だろう」
「いえ、艦は大丈夫かもしれませんが、その・・・艦長が・・・」
「問題ないな、明日より1週間護衛艦2隻を入れて部隊としての訓練期間を予め用意してある、出撃は15日0300時、任務の詳細はおって連絡する」
はい、エリシア少佐の健闘空しくキム元帥は会議があるといって部屋を出て行ってしまった。
元帥の疲れた様な顔が印象的だった・・・。
「・・・やるしかない?」
「・・・その様です艦長」