宇宙暦435年9月7日 0024時
宇宙暦435年9月7日 0024時
「アヴァル、艦長の言う事は事実です」
「なに・・・な!!?エリシアお嬢様がどうしてそんな所に!?」
まあ、普通驚くよなぁ・・・領主の娘がこっちに居れば。
「私はこの艦の副長を務めています、訓練任務中に不具合が発生した為急遽帰還中、たまたま最短ルートだったこの宙域を通ったにすぎません」
「では真宇宙艦隊所属艦と申されるのか」
「私が宇宙艦隊に職を持つ事は公然の秘密なのでしょう?」
「左様で、ですがしかし・・・」
「ブランシュ家直系の者としてアヴァルに命じます、ここで起こった事・・・この艦の存在自体を見なかった事、なかった事として周知徹底させなさい、無論全ての情報の消去・改竄も含みます」
驚いて思考が鈍ったところに更に追い討ちを掛ける。
この旧課長補佐も中々やるようで。
「それは・・・しかし・・・」
「さもなければ国家法に基づき貴方方のみならず、類戚にも処分が下される可能性があります・・・」
「・・・なんと!」
「分かりましたね?」
「ですがお嬢様を発見した場合、何事においても公爵様に報告せよと・・・」
「そんな事してみなさい、公爵家が取り潰されますよ・・・私達を見てしまったというのはそれ程の事態を招くと理解なさい」
「っ!!!」
「・・・選びなさい、この件を全て消去・改竄・忘却して命を繋ぐか、今この場でパトロール艦隊と名乗りつつも宇宙海賊に成り下がった者共を処分したと報告されるか、2つに1つです!」
やっぱり貴族は貴族、何だなと思う・・・。
気迫と言うかプレッシャーが隣に立ってるだけでもハンパないんですけど。
そしていつの間にか殲滅される側からする側に成り代わってるし。
向けられたアヴァルとかいう人、ご愁傷様。
「・・・、・・・了解、いえ・・・了解いたしましたお嬢様」