残さず食べなさい。【二百文字小説企画言ノ葉ノ悪魔参加作品】
「お残しは許しまへんで!」
彼女の言葉は素晴らしいです。
鳥はある日、食肉になった。
鳥は食べられるまでの過程を見ることにした。
体をバラバラにされて店で売られた。
一部は人間に買われて巣へ持ち帰られた。
人間に鉄板で焼かれた。
得体の知れないものを振り掛けられた。
土の板に乗せられた。
草と一緒に乗せられた。
食卓に並べられた。今晩のメインのようだ。
すると嫌いだと言われた。
まずいと言われた。
食べられずに捨てられた。
鳥は食肉からゴミになった。
よって鳥は成仏できなかった。
みなさん、腐ってもいないのに捨てるのはよくないですよ!
冷蔵庫に保存して、朝にでも食べましょう。