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第059話 進展・膠着・停滞

 グリフォンの群れが確認され、Aランク以上の冒険者が集まったキャンプ地がある。そこでは、Sランクも3人いて、残りの10人がAと+Aだ。

既に大小10頭以上のグリフォンが倒されていて、貴重な素材をは剥ぎ取っているのだが……。

既に山に成っていて持ち運ぶにもかなりの労力が求められそうだ。


「これだけあると何が貴重なのか分からないな」

「気分だけなら勇者と同じ気持ちになれるけど……」

「一匹なら爪1枚だって残さないが、捨ててるからなぁ」


 焚火を囲んで休んでいる者達が会話をしていて、大きな被害も無く、残りのグリフォンも襲って来るのを待っている状態だ。貴重なグリフォンの肉も腐らせてしまいそうなので、先行で新鮮なモノを一匹、街に送った。

 きっと喜んでいるだろう。


「魔法袋を持っている奴がいればすべて持ち帰れるのにな」

「そんなの勇者様くらいだぜ」

「鑑定持ちが居るんだ、それぐらいで満足しとこう」

「だよなー……」


 何人か戻ってくると、また、斃したグリフォンが持ち込まれた。

 これで2匹増えたワケだ。

 グリフォンの数も減ってきて脅威も軽減されたからには、帰還を考える頃だろう。


「全部狩らなくて良いのか?」

「当たり前だろ、Aランクになる為の試験みたいな相手だぞ、居なくなったら他の冒険者が困る」

「だよなー……」


 進展も無くなったからには、報告の為に帰還の準備を始めた彼らに、驚く光景が見えた。Sランクでも警戒する程の、巨大な魔物、レッドカラー、いわゆる赤いドラゴンだ。

 それが空から急降下してくる。


「おいおい、流石にアレはSランクに任せるぞ」

「最後に良い獲物じゃないか」

「Aランクは必要なモノを馬車に載せろ、撤退の方法は任せていいな」

「おーけー」

「なら行く……って、あのスピードは着地じゃないぞ……落ちた……?」


 レッドカラーはそのまま彼らの目の前に落下し、そこから3人が現れた。

 何か言いあっている様子だが、斃したのはこいつらだよな?


「だから、勇者じゃなくても倒せるって言っただろ」

「すごいですねー、その剣の威力が」

「ああ、剣が凄い」

「ってめーら!」


 ドラゴンを見てもなんとも思わないのか、素材の剥ぎ取りすらしていない。

 希少種ではないにしても、間違いなく成体のドラゴンなのはここに居る者達なら誰でも分かる。

 てか、アイツ、どこかで見覚えが……。


「ギデオンか、戻って来たのか……?!」

「おー、ゲンズーさんだ。なんでこんなところにSランクが集まってるんだ?」


 グリフォンの群れを退治していた事を説明するついでに、いつまでも現れなかった理由を訊ねたが、困った顔で頭を掻くギデオンである。


「ギルドからお前の捜索依頼が出てるぞ」

「俺の捜索?」


 ギルドからの捜索依頼がギデオンに出ていること自体はそれほど意外でもない。何故なら彼にしかできない厄介事が有るのなら、直ぐに呼びたいのだ。

 しかし、今回は事情が違う。


「大元については詳しく教えて貰えなかったから、国王絡みだろ」

「あのおっさん、俺が早く帰ってこないと困る理由でもあるのか」


 国王をおっさん呼び出来るのはSランク冒険者の中でもギデオンだけで、その国王がギデオンを召喚した張本人であるから、ギデオンはその名前を聞いただけでもイラっとする。しかも、早く帰って来て欲しい理由も知っている。

 今は魔法袋の中に入れたままの、あの魔王の腕が有るのだ。

 それを使う事によって膨大な魔力を手に入れ、ギデオンはその魔力と魔法陣を利用し元の世界に帰る予定だった。

 ギデオンは今も帰れると信じていて、不安なんてどこにも無い。

 呼べるのだから帰す事ぐらい、この剣と魔法に満ちたファンタジーで不可能事など考えられないからだ。

 だから強くなれたし、魔王も倒せた。


「あのおっさんは周辺国に喧嘩を売り過ぎたツケを今も払わされていて、その解決に俺の力を利用したいんだろうけど、俺にはもう無理だな。今でもドラゴンぐらいなら斃せるが、魔王とは戦えないだろうよ」


 ギデオンは隠そうともせずに軽い口調で喋ったその内容は、普通なら重大な事である。魔王と戦う力を失ったという事は<勇者>ではないという事になるのだ。


「お前らには手伝って貰った事も有るし、ステータス見せてやるよ」


 Sランクでもステータスというのはなかなか見せるモノではない。

 そこには隠しておきたい秘密も有るのだが、ギデオンはこの世界から消える予定なのだから関係がない。



名前 ギデオン(シュウイチ・山本) 性別 男 年齢 24 種族 普人

職業 聖魔士 Lv 98 筋力 683 魔力 368 敏捷 68 魅力 70

HP 8931 MP 450

所持 魔法袋 太陽の剣

特殊技能 異世界転移 ドラゴンバスター 鑑定Lv3 技能神と契約 聖女の加護



 Aランク達は撤退準備をしていて見ておらず、見たのは共闘もした事の有るSランクの3人で、その職業に驚いている。


「聖魔士なんて知っているのは一人だけだし、俺が生まれる前には亡くなっていた伝説の人だ……」

「やっぱ珍しいんだな」

「自動回復も無くなってるじゃないか」

「そのおかげなのかHPがアホみたいな数値になったけどな」


 ステータスを閉じると、今度は後ろの二人に視線が向く。


「あの二人……ってか、あの女の子は聖女じゃないか?」

「ちがいまーす、偽りの聖女でーす」

「そうだ、聖女ピンスだ。どこの国だったか、宣伝してたなあ……」


 もう一人居るのだが、何故か寄せ付けたくない雰囲気を醸し出していて、ピンスに叩かれていた。


「ほらー、挨拶くらいしなさいって」ペチペチ

「……ヴァルドだ」

「俺は俺はゲンズー、こっちの二人はドライクとリッカー」


 軽い会釈をし、最初の疑問を投げたのはリッカーだ。


「ギデオンは何処まで行ったら行方不明になれるの?新しいダンジョンでも見つけたなら私達にも教えてよ」

「いや、世界樹に行ってた」


 その名前はSランクになった彼らでも行くのを面倒と思う様な場所である。

 確かに、そんな場所に行けば音信不通になるのも納得するのだった。





※今日の魔王城



シェリィ「誕生日おめでとう、

レノア 「おめでとう

ホゥディ「わーい、凄いケーキだ

シェリィ「全部食べていいのよ

ホゥディ「うん……

シェリィ「どうしたの?

ホゥディ「強くなるって、泣かないって決めたけど、思い出しちゃった

シェリィ「泣いても良いのよ

ホゥディ「う……ん……ぐす

シェリィ「よしよし

ホゥディ「おねーちゃーん、おかーさーん、ぼく頑張るからっ、わーーーん!!

レノア 「いい子ね(ホロリ

シェリィ「……(お父さんも思い出してあげてね)




■:ゲンズー


 Sランク冒険者

 ギデオンを最初に育てた人

 異世界の者である事と、ギデオンが本名ではない事も知っている

 珍しい長剣を武器にしている

 体毛ツルツル系犬獣人


■:ドライク


 Sランク冒険者

 ゲンズーとコンビで活動し、魔人に成る方法を探している

 職業は賢者で、一人で攻撃、回復、補助が可能

 一人で国を崩壊させたことが有り、ギデオンと国潰しを笑って話せる相手

 体毛ふさふさ系犬獣人


■:リッカー


 活動中で唯一の女性のSランク冒険者

 マリアが活動再開しているので二人になった

 マリアを勝手に先生と呼ぶようになるが生徒になった事は無い

 実は天使と普人のハーフだが表記は天使 翼は無い


■:ホゥディ 


 唯一の生き残り まだ戦士見習い 登場時6歳 最近7歳に成った

 特殊技能 攻撃するとダメージが3倍になる


■:シェリィ


 元骨ばーちゃん、現スケルトンでネクロマンサー


■:レノア


 トレインの指示てお城の警備をしている


■:一般スケルトン


 元はマリアのスケルトンだが、今はシェリィが管理している


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