表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/29

第005話 魔王

 魔王は魔界を統治する為に存在する。

 魔王は人との境界を作り魔族を守る為に君臨する。

 魔王は人々を滅ぼす者ではない。

 魔王は恐怖の存在ではない。

 魔王は交渉をし関係を保つ為に働く。


「簡単に言えばただの王様なのです」

「ただの王様って言うのも凄い説明だけど、何となく解ったわ。でも、人と争いを続けてるのはなんで?」

「国際情勢というのも有りまして、魔界の他に精霊界なる世界も存在します。人々はあらゆる世界と関係を持とうとして、交渉に失敗すると侵攻します」

「はた迷惑な…」

「人は人同士でも領土争いで戦争をしていまして、時に我々と共闘した歴史も有ります。それは目的が一致したという事でしたが…」

「どうなったの?」

「最後に魔王を裏切って侵攻したそうです。その時は魔王軍が勝ったのでしばらくは人との戦争は無くなりました」

「へ~…」

「ドラゴンや天使という独立した種族は時代で敵味方が変化しましたが、基本的には自分達を守る事が主軸で、特に魔界に侵攻する事はありませんので、こちらから喧嘩を売るような事をしなければ問題ありません。ですが、人の方で積極的に関与しているようで、気に入られた者達は稀代の英雄と呼ばれるようになり、更に人同士の戦争を加速させています」

「それで魔王って結局なんだったの?」

「ただの王様です」

「そうじゃなくて、その理由よ」

「元々は人への対抗手段ですが、何かの守護者のような役割もしているみたいなのです。残念ながらそこまで詳しくは知らないので」

「そっかー……」


 人によって世界は動き、人の所為で世界は動かされる。

 魔王が必要となったのは人の所為なのだ。


「初代魔王は強かったですよ、老衰で死ななければこの呪いも解けたのでしょうけど」

「今って何代目なの?」

「三十三代目です。次が三十四になりますが、残念なことに代理も存在しませんし、世襲でもなければ、指名する事も出来ない今は、次の魔王候補が何人存在するかは不明です。お嬢様も候補の一人ではありますが」

「他の候補っていうと誰だかわかる?」

「四天王の元部下に可能性がある者が一人居ます。ですが、現在の実力では認められないと思います」

「お父様の記憶にも無いんだけど、魔王に成る必要条件って何?」

「不明です。あの玉座に座って何も起きなければ魔王ではないという事ですけど、座ったからといって必ず魔王に成れるワケではないで、私には解らないのです」

「……ん?先生は、初代魔王が強いってなんで知ってるの?」

「それは、私が挑んで負けたからです」

「……は?!」

「あの頃の私は絶対に負けない自信が有ったんですよ……」


 目は無いが遠い目をしている。

 お嬢様の好奇心が膨らんでいるのは良くわかります。

 えぇ……。


「一応、元人間です。今はただのスケルトンですけど」

「……肉体を欲しいと思わないの?」

「過去の魔王様に何度か肉体を頂きましたが、魔王様が死んでしまったので元の骨になりました」


 元は人間じゃないの?


「じゃあ、私が肉体を与えたら私が死ぬまでは肉体を維持できるのよね?」

「そうですけど、今のお嬢様では魔力が不足していると思います」

「今は、ね。もっと勉強するから、作れるようになったら肉体を上げるわ」

「あ、ありがとうございます!」


 歴代の魔王様で肉体を頂けたのは3回。

 初代と十三代目と二十四代目。

 基本的には私の身体が目的でしたけど、お嬢様の場合は何でしょうね?


「感謝する必要は無いわ、一緒に行くんだから」

「え、私も行くんですか?」

「お父様に言われてるんでしょ?」

「え、えぇ……」


 そっちはただの約束なので破っても良いんですけどね。


「そもそも自分で肉体を作れるんじゃないの?」

「自分で作ると呪いの影響で直ぐに消えます。自己修復のスキルの所為でスケルトンに戻ってしまうんですよね……」


 人なのか骨なのか。


「他者からの魔力依存で姿を維持できると」

「そうです。強化魔法みたいなものですが、術者の魔力次第で永続的に効果を発揮します」


 魔法についての勉強はほとんど終わっている。

 何しろ魔王様の知識を得ているのだから、引き出しが多過ぎてまだ上手く記憶を扱えていないようですが。


「自己修復スキルを得たのがスケルトンに成ってからってことね」

「その通りです」


 お嬢様は勉強に熱心だ。

 常に私から何かを得ようとしている。

 まあ、そういう私も知るというのはとても楽しいのですけど。


「ところで、そろそろ休憩にしませんか?」

「もうそんな時間?」

「夕刻に近いです」

「じゃあ、お墓に行ってくるわ」

「はい、いってらっしゃいませ」


 スケルトンを3人ほど連れて行き、中庭に咲く花を摘んだ花束はアイシャが持ち、水入りバケツと布をスケルトンに持たせ、墓に行く。

 いつもピカピカなお墓を見てにっこり。

 それが日課になっていた。





※あとがき


■:スケルトン


骨だけで動くが、契約しないと動けない。

マリアは全部で500体ほどのスケルトンと契約している。

城内の管理をさせている

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ