表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/75

第047話 勝利条件

 マリア先生の作戦を聞いた時、意外だと思ったけど、理由を聞けばその通りなので他に方法が無いと付け加えた事も理解が出来た。

 それと、このスパイ達も問題である。

 家族が人質にされているのでは逃げるワケにもいかず、助けに行きたくともほぼ不可能で、金で解決させるには問題が大き過ぎる。

 そもそも、金で解決できるのなら奪いに来たりはしないだろう。


「確かに一番楽だし、問題解決の近道だけどなあ……」

「戦って勝つつもりでしたら、全面戦争であなた一人で数万の兵力と対峙してもらいますけど」

「勘弁してくれ、俺はギデオンじゃない」

「ちょっと待ってよ、あのアホ勇者なら勝てるの?」


 二人は思案する様子もなくアイシャの疑問に即答した。


「勝つだろ」

「勝てますね」


 開いた口が塞がらないとはこういう事を言うのだと、実体験したアイシャだった。

 しかし、この作戦を実行するとなると移動がとても大変で、移動先の土地も確保しなければならず、家畜などは諦めるしかないと思っていたが……。


「そうですね、食糧を運ぶのは私が何とかします。限界は無い筈ですがこの魔法袋は特別製ですし、許容量は私の魔力に依存しますので」

「商業ギルドの連中が泡を吹いて倒れそうな事をサラッて言わんで欲しいな」


 通称「冒険者ギルド」

 正確には冒険者協同組合連合会らしいが、いつの時代からギルドと呼ばれるようになっている。

 単にギルドというと冒険者ギルドになるが、この他にも商業ギルドや海運ギルド、細かく言うと更に分類され、漁師ギルドや薬師ギルド、山師ギルドも存在し、国に承認されていないギルドも含めると、数百種類のギルドが各地に点在している事になる。

 だいたいは二大勢力の冒険者ギルドか商業ギルドに所属していて、小さい町や村に存在するギルドは、冒険者ギルドに全ての依頼が委託される事も有る。

 商業ギルドは地域によって冒険者ギルドよりも賑わっている事があり、国王のお膝元や、流通の拠点となる街では、商業ギルドの方に人が集まっている。

 ただ、暗殺や窃盗などの依頼を取り扱う闇ギルドも存在し、とある貴族が出資して存在しているという噂も有るが……今回は関係ない。


「人や建造物はコテージぐらいの大きさ迄が限界なんですよ」


 実は山だって入りますけど、袋が壊れます。湖の水を入れようとした時は収拾がつかなくなって涙目になった懐かしい記憶です……。


「……その袋の中に小屋が入ってるのか」

「ええ」


 ちゃんと二人が生活できるくらいのスペースもありますし、増築用のお風呂場を別に造りましたから、今度はお嬢様と入るとしましょう。

 うふふ。


「先生、なんか別の事考えてない?」

「いえいえ。それより計画をさとられない為にも、一度や二度の防衛戦は覚悟してくださいね」

「厳しい勝利条件だな……」

「その袋って食べ物が大丈夫なら、人が入っても良いんじゃないの?」

「モチロン大丈夫ですけど、高確率で洞窟病になって死亡します」


 洞窟病というのは酸欠の事なんですけど、この世界では空気という発想は有っても、それを吸って生きているって考える人はまだ少ないんですよね。

 魔力さえ在れば何でも出来るという、脳筋のような魔学者の考え方が主流というのも不思議な話です。この世界に転移させられた時代と現在と、文明レベルが殆ど変わっていないんですよ……。

 まぁ、だいたい戦争と魔法の発達の所為で、頑張っても蒸気機関車が出来たくらいでしたね。すぐに破壊されましたけど。

 その昔に細かく記録した研究者時代に作ったレポートもしまいっ放しでしたね、久しぶりに確認してみますか。


「なんか、余裕そうだな?」

「まあ、予定地は決まってますし」

「そんないいところ有ったか?」

「山に囲まれた水の湧く湖のある森林地帯が、手付かずで残っているはずです。あなたが通ってきた道の途中にあったと思うのですが」

「有るが、確かゴブリンの支配地域だったような……」

「森ごと発破して撤去願いましょう」


 なんで二人して私を見るんですか。

 お嬢様も爆破魔法得意じゃないですか。


「いや、まあ、確かにゴブリンなら貴族を相手にするより良いか……」

「では、作戦を伝えに行きましょう。こういうのはとにかく早い方が良いですから」


 二人が頷いてくれました。

 まぁ、大反対に合うのは当然の予想が出来ていますが、他に方法が無いことも丁寧に説明しませんとね。





※以下、一部の有力貴族と周辺諸国の簡単な説明

すげー多いし、地図も欲しいなあ……



■:マウセル伯



オガサンの住む町やニュンベル山脈を含む高地を管理する伯爵

土地は広大だが開発が行き届いておらず、深い森や川が多い

開発されていないおかげで獣人や妖精、弱い魔物が棲みやすい

親から受け継いだだけの35代目マウセル伯爵はそこまで賢くない

比較的凶悪な魔物の少ない穏やかな場所

部下の方が優秀で理性的な者が多い

対外的には中立国のギンギール王国に所属している



■:ブリード伯



ヘンデニル公国に所属する領地を管理する伯爵で元商人、今も商人。

聖地アルファディルに近く、聖地は領内にあり、独立した教会として認められるまでは伯爵家が管理していた(金で権利を売ったのは極秘事項)



■:ギンギール王国



ギール王が治める国

国王は猫獣人で支配権を賭けての内戦で勝利して今の地位に就いた

今は獣人同士仲良くやっている


▼首都ワー[直轄地]



獣人が多い国で、特に猫獣人が多い

過去には獣人同士での内戦が有ったが、猫獣人が数で圧倒して今の体制になった

他種族を嫌うような傾向は無くなっているが、犬獣人と狼獣人の仲が悪いのは伝統

天使族の子孫も住んでいる



▼ゲー[マウセル伯]

▼名も無き農村[マウセル伯][オガサンが住んでいる]



■:レオポルテ帝国



皇帝レオポルテが治める国

初代皇帝は軍事力で制圧、占拠して皇帝支配を勝ち取った


▼帝都ノイエル[直轄地]



ゴ・グール伯爵の所属する国

ヒルデスハルと仲が悪く、常にチャンスを狙っている



▼ティゲールの街[ゴ・グール伯]

▼モガルドの街[ボルディックの出身地]



■:ロスマノフ皇国



皇帝ロスマノフが治める国

ロスマノフは天使族の子孫で天上人を名乗り、皇(神の代弁者)を自称している


▼帝都スマノフ[直轄地]



ヒルデスハル伯爵(辺境伯)の所属する国

ゴ・グールと仲が悪く対立しているが、現在は休戦中



▼メイガスの街[魔族の住む町]

▼ドードリアの街[ヒルデスハル伯]



■:ヘンデニル公国



貴族選挙で選ばれたヘンデニル公爵が治める国

権利は欲しいが他国との政治が面倒な他の貴族から押し付けられた

戦争はしたくない。が信条


▼デニルの街[直轄地]



▼ミグルスの街[ブリード伯]

▼聖地アルファディル[聖女ハニエル]

▼港町ボールド[アリリエル伯]



■:ヒーデルハス王国



現在は存在しない王国

他国の侵略に失敗した上に、革命軍がクーデターを成功させた後、疲弊しきったところを魔物によって滅ぼされた悲しい国



■:魔王国



その時の魔王の名前がそのまま名称に使われる

現在はブイルダン魔王国だが、ほとんどの場合は名称を省いた魔王国と呼ばれる


▼魔王城[町では無いが多くの人が住んでいる]


▼パテリアの町[ギデオンに破壊された]

▼クフーリンの街[農地がたくさん有る]

▼ギルガントの街[四天王筆頭の街]

▼ローテイルの町[セリーヌの出身地]



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ