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第018話 手伝い

 許可は別として、この街を復興させる必要が有るのは間違いない。

 このまま放置していれば幾度となく人間どもがやって来るし、魔王国領を守る為の拠点も必要だ。勇者は目的を達し、元の国へ帰るだろうから、国を脅かす程の強者は暫くはやってこないだろう……。

来ないよね?

 食事中だけど、二人して食べながら難しい顔しないで。

 ホゥディという、この町の唯一の生き残りの男の子と一緒に食べているが、食べている時は忘れている様子で、食べ終えると寂しくなって私に抱きついてくる。

 骨ばーちゃんのようなマリア先生にも抱きついているので、特にお姉ちゃんが良いってワケでもないみたい。

 ふぅ……。

 べっ、別に寂しくないし。


「それにしても、世界が12分割されていて、それぞれにその土地を守る守護者が居るなんて、知らなかったわ」

「知ったところで魔王に成ってしまえば他の場所まで手が回りませんからね」

「お父様も守ってたって事なんだ?」

「守っていましたが、自覚は無かったとしても異様な魔力や魔素溜まりには気が付いていたかもしれません」


 ちなみに、今回ここに居るみんなの腹を満たすだけの食材を用意したのは先生で、予定の9割を失ったそうだ。いきなり旅に影響が……。

 だからと言って持っているのに無視も出来ないし。

 先生は食べてないけど。


「それにしても、このサシスセソって美味しいわね」

「ソシスです……」


 思い出しました、魔王様も同じ言い間違いしてましたね。

 なんで文字数が増える方向で間違えるのかが謎なんですよ。

 まあ、腸詰でもソーセージでも良いんですけど、何故かこの世界では通じなかったんですよね。言語加護の所為らしいので捨てましたけど……。

 あぁ、今はもちろん通じますよ。


「先生、誰と話してるの?」モグモグ

「ただの独り言です、お気になさらず」


 食事が終わったら復興作業が始まりました。

 ……え、手伝うんですか?

 じゃあ、面倒なんでそこら辺の骨を……。

 先生が呪文を唱えると、むくろがむっくり起き上がる。

 ……骨?


「あれ」

「えっ」

「ぉゃ」

「マリア先生じゃないですか」


 骨が先生の事を知っている……。


「あっ、骨ばーちゃん!!」

「おぉ……ホゥディだね…」

「うん……」


 それだけなのに察したかのように優しい表情をする。

 骨でも分かる。


「そうか、大変だったねぇ……」

「うん……」


 少年の頭を撫でていて、先生と同じような手をしている。

 要するに骨だ。

 その骨が少年の頭に手を乗せたまま向きを変え、先生に丁寧にお辞儀した。


「お久しぶりです、子供の頃に魔法を教わったシェリィです」

「あぁ、あなたが骨ばーちゃんでしたか……」


 先生って知り合い多過ぎじゃないかな?


「この街の状況は理解しております。ですが、私の魔法で誰も助ける事が出来ず、悔しいです……」

「あなたはネクロマンサーですし、戦うのは不慣れでしたね」

「一応、回復魔法も使えたのですが、あの四人が強くて強くて……」


 今度は骨ばーちゃんが先生に頭を撫でられている。

 ボロボロのローブを着てはいるが、もちろん、頭も骨だ。

 涙が見える。

 目は無いけど。


「悔しいのは皆同じです。魔王様も敗れてしまいましたし」

「えぇっ?!あの優しい魔王様が……そ、そんな……」


 街が大変な事になっても魔王がそんな事になっているなんて知らないから、愕然とし、膝から崩れて、ついでに身体も崩れた。

 先生が修復する。

 お父様の為にこんなにも悲しんでくれる人が居ると思うと、嬉しくて私も涙が出てしまう。

 人でいいよね。


「それでは、お城はどうなって……お嬢様の誕生をあれほど喜んでいらしたのに」


 先生か簡潔に説明すると、シェリィの身体が震えて崩れる。

 バラバラになった骨をホゥディが拾って一ヶ所に集めると先生が修復した。

 それにしても崩れやす過ぎる。


「お嬢様……」


 私に気が付いて跪く。

 そんな事はしなくて良いのだけれど、私の事を知って心配してくれる。

 今度は私がその骨の頭を撫でる。

 骨の所為なのかこの人の背は低いので思わず撫でてしまったのだ。


「お父様ってこんなに慕われていたのね。なんか嬉しい……」


 その喜びの分、悲しみも増幅する。

 そして骨の身体が崩れてしまった。


「崩れ過ぎよ」

「ちょっと補強しますね」 


 簡単に直るのもどうなのかしら。







※あとがき


先生  「たくさん作ったのに……もう保存食が無いですね

アイシャ「どうするの?

先生  「お金は有るので買いましょう(ジャラジャラ

アイシャ「なんでそんな袋に沢山金貨を?

先生  「お給金を使う事が無かったので

アイシャ「お城の近くに町は無いし、お店に行くまでが遠いもんね


■:シェリィ


通称骨ばーちゃん

長生きしすぎて骨と皮になっても生き続けた魔族の女性

875歳

勇者の戦いに巻き込まれて死亡したが、マリアによって骨として復活する

ネクロマンサーで特に骸骨を操るのが得意

お城で働く骨たちの次期リーダー(予定


■:魔王は膨大な魔力を管理していて、その地を守る事で世界の均衡を保っている

同じような場所が世界に12か所ある


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