共存
探している。
自分の未来を変えるための方法を。
過去にも飛び、一度自分の存在自体が消えかけてもなお、消えたくないと願い、何度も飛び回り、今、未来に至る。
この世界ではどうなっているだろうか。
自分が死んでいるか、もしくは双子のもう一人が死んでいるか。
どちらも救う世界を探しているのにそれがかなわずにいる。
両方生きることが許されないのか・・・・・・何故片方しか生きられないのか、あるいはどちらも生きられないのかわからない。
探している・・・・・・ただ、探している。
何故・・・・・・?
あたし達は死ななければならない?
最後に君はつぶやいた。“死にたくない”なのに君はあたしを庇い、死んだ。
この時代に存在しないあたしだからこそ聞けた君の本音。
あたしが君に庇われなかったときのあたしも“死にたくない”と思っていた。
そしてまたあるところではあたしも君もお互いを庇いながら死んだ。
未だ、どちらも生存する世界は現れない。
どちらかがどちらかの生存を危険にさらす。
呪われた双子、一卵性のまったく同じ性質を持ちながらにして運命を別たれた悲しき双子。
どちらかというと君は優しき影で、あたしは鋭き光。
それは大臣達が勝手に決めたこと。
大人の勝手な理由で引き裂かれたにすぎない運命。
だから大臣を変えてやろうとした。
でも王族が平民からお金を巻き上げることは確かであたしについている大臣をかえようとしても今度は金に目が眩んだ大臣が次々にあらわれ、その反動でか、君が死ぬときがある。
全ては大臣達が悪い。
国を次々制覇しようとしていくから。
人々の嘆きは、時を駆け回る前のあたしには・・・・・・聞こえなかった。
いや、聞こえないようにあらかじめ密封されていた。
でも君には聞こえていた。そうでしょう?
ねぇ、あたしと同じ性格をして、同じ歳の“お姉ちゃん”?
聞こえていた・・・・・・だからまわりの物事が判断しやすかった。
そしてある世界では君が殺された。
その優しさばかりに。
君はメイド、あたし専属の一番高い位に君臨する。
でもあたしに近づくことはなかった。
直接話すことさえ許されなかった。
大臣達が許さなかった。
密封するべき対象であるあたしに、まわりの物事が判断できる君をつけるわけにいかなかった。
王女は世間知らずなままでよかったのだ。
無駄な事を吹き込まないようにメイドの最高位という位をつけて君を椅子に座らせ、周りのメイドがあたしに下手に近づけないようにし、君が無駄な事を言わないように位で縛り付けた。
それは動かずにただ座り続ける―人形―
メイド最高位の君に誰も近づくことはなかった。
その立場から来る権力が怖かったのだろう。
あたし同様に・・・・・・。
あたしは国を牛耳るように見せ掛けるための人形で君は影であたしに近づくことを拒むようにするために作られた人形。
あたし達は同じ運命を共にしながら双子という立場を利用された人形だった。
別ち、同じ生を受けながらにして、立場や身分をかえられ、お互いに触れ合うことは愚か、話すことさえできなかった。
でもお互いはお互いを忘れなかった。
それが実証された今、あたしは運命を変えにいく。