凱旋受けて帝国へ
街についた。のだが。
「おいフレム。これはどういうことだ?」
「おいおい水くさいぞリュート。お前はこの街の英雄だからな」
説明すると、街で俺は凱旋を受けていた。しかもシアと一緒に。
さらに言うと付き合い始めたのもバレている。
そして俺が呼んだのは同業者のフレム・バーン。
赤い髪の坊主頭。背中に大剣を背負い、顔には太刀傷がある。
一見すると怖い人と思うが優しい人だ。
「とりあえず冒険者協会の方に向かわせてもらうぞ」
「了解だ」
こんな一幕があった。まぁ気分は良かった。
◇◇◇◇◇◇
場所が変わって俺たちは冒険者協会にいた。目的はシアと俺の移住について。目の前にはギルドマスターのグレイさん。シアはというと、俺の左腕を抱えていた。(切断されてはいない)
「事情は分かった。彼女と共にどこまでも行くといい。それが君たちのためになる」
「「ありがとうございます」」
「あ、そうそう」
そう前置きを挟んでグレイさんはこう言った。
「君たちが帝国へ行くなら、教師になってくれないか?」
「教師、ですか?」
「ああ、君のランクはギルドマスター権限でSS級まで引き上がっている。条件はすでに達成している。あとは」
「「?」」
「君たちは安心して暮らせるよ。あそこなら」
その言葉で、俺たちは教師になることに決めた。
◇◇◇◇◇◇
「今日は飲むぞぉ!!」
『おぉ!!』
「騒がしい・・・」
ところ変わって俺の泊まっている宿屋。
そこでは俺たちとの別れに耐えられずここまでやって来た人たちが酒を飲み交わしていた。
そして俺は目の前で調理するこの宿屋の持ち主のおじさんに言った。
「悪いなおじさん。あいつらが騒いじゃって」
「いいってことよ。稼げるしな」
そう言ってガハハッと笑うおじさんはどこか嬉しそうだった。そして俺の前にも料理を置く。
「お前も食えよ。なぁに、今生の別れって訳でもねぇんだし、来たきゃ来い!」
「あぁ、そうだな・・・」
そう言って辺りを見回す。
(この景色。あいつらとパーティ組んでたときとは大違い、だな)
俺は立ち上がる。そしておじさんにこう言った。
「おじさん。俺にも一杯!」
「おうよ!!」
そして俺も彼らに混ざる。その時、シアも混ざり始めてみんなで酒と料理を楽しんだ。
そして翌日。
「頭痛い」
「私も痛いよ。でももう出るんだよ?」
「あぁ、分かってる。準備するよ」
そして俺たちは街の外へと向かう。そして、
「リュート、じゃあな!!」
「また来いよぉ、歓迎するからなぁ!!」
そう言われて俺たちは街を出た。
旅が、始まった。
これにて第一章終了です。
第一章はプロローグ的な感じなので悪しからず。
良ければ評価、お願いします。