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シア奪還からの恋人へ


俺は今、隣国のセレスティア連合王国にいる。

理由はシアさん、もといシアを奪還するため。

俺は知人に聞いてシアのいる結婚式場に向かった。

そして、


「『神剣召喚・地』ッ!!」


地面から神剣を召喚すると針山みたいになるんだな。と思いながら、思いのままに叫ぶ。


「シアさんを、シアを返せ!!」


かなりの大声で叫ぶ。それだけで、会場や近くにいた貴族らしき人たちが木っ端微塵になった。


「ハァッ!!」


右手に神剣を持ってシアの元に突撃する。

そして魔力障壁らしきものを壊してシアの手首を左手で握る。当人のシアは驚いているが、気にせずそのまま引き寄せて左腕で彼女を抱く。


「リュート、くん。だよね?」

「なに言ってんだよ? 本人だ」


そう言うとシアはそのまま俺に抱きつく。その大胆な行動に驚きつつ、その柔らかさと甘い匂いに全力で理性を駆使して情欲を押さえる。今そんなこと、あってはならないんだ。


「ちょ、シア!?」

「会いたかった。あなたに、会いたくて仕方なかった。怖かった。怖かったよぉ・・・」

「シア・・・」


そう言って泣き出した彼女の背中を擦って頭を撫でた。そうすると彼女は抱きつく力を強めてくる。

するとまるで恋人のような2人の行動に、側で生き残っていた国王らしき人物が怒りだした。


「許さんぞ!! 私の娘に手を出すったぁいい度胸だなぁ貴様!!」

「・・・あれが父親だと、シアも報われないな」

「・・・だね」


何故分かるのか。それは俺がシアの過去を知っているからだ。前に俺は彼女の過去を聞いた。俺の過去を話すのを条件に。

なので支離滅裂なことを言う国王(シアの父親)を俺たちは無視する。そして、


「帰ろっ、リュートくん・・・いや、リュート」

「・・・あぁ、そうだな」


身勝手なことを言う国王を放っといて俺たちは帰路についた。

ちなみに街は無事だ。俺が街に揺れを起こす魔道具を破壊したからだ。

そう、これはセレスティア連合王国による魔道具を使った犯罪のようなものだ。まぁ、どうでもいいけど。

そして俺たちは帰り道を飛んでいた。俺がシアをお姫様抱っこする体制だな。


「ねぇ、リュート」

「ん? どうした、シア?」

「あ、あの、その、え~っと・・・」

「落ち着いて、ゆっくりでいいからさ」

「ふぇ? ・・・そうね」


そうして彼女は、深呼吸をすると覚悟を決めたかのような顔つきで言った。


「・・・私リュートのこと、好き」

「・・・・・・え?」


そしてあろうことか告白してきた。その事に俺は頭が真っ白になった。


シアが、俺を好きと言った?

アリシア王女殿下が? 俺のことを?

・・・マジかよ。


「あのね。だから、その、えっと・・・むぐっ!?」


すげぇ、嬉しいわ。

そう思いながら彼女にキスをする。

それは時間にして1秒。だけど、永遠に思えるほどに長い長い1秒だった。

そして唇を離すと、彼女はビックリした表情で顔を真っ赤にさせていた。

伝えよう。今ここで、この想いを。


「俺も、俺も好きだッ!! だから、俺と付き合ってください!」


そう言って頭を下げる。そして返事がないので不思議に思いシアの顔を見上げると、シアは大粒の涙をたくさん浮かべていた。そして、



「・・・はい!」


そうして再び抱き合ってキスを交わす。今度は長く。


こうして俺たちの想いは通じ合った。


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