二つの秘密と記憶の回復
「さて、と」
夜になって彼女たちが俺のベッドの端で伏せて寝ている頃。俺は普段着に着替えていた。
「これ着るのも、一月ぶりなのか」
と覚えていないのに謎の感傷に浸りながら着替えを終わらせ、部屋を出る。そして俺が向かったのは部屋から見渡せる庭園だった。
「何故だろう? ここにいると、何かを思い出す感じがする・・・」
何故かは分からないけど、ここにいると、昔花が好きだったような気がする。でも俺は、そんな人ではない。どういう、ことだ?
「・・・お前さんも来てたか」
「え? シアの伯父さん?」
「そうだ」
そうして現れたシアの伯父は、今俺が座っているベンチに腰を下ろした。
「お主、混じっとるな・・・?」
「? どういう、ことでしょう?」
「はは、敬語は要らんぞ。それと、儂はグレイじゃ」
そう前置きを挟み、グレイさんは話を始めた。
「儂は、生まれながらに、全てを見通す目を持っておるのじゃ」
「・・・え?」
じゃあ何で俺はこの人に襲われたんだ?
と、疑問が浮かんだ。だが、質問する前にグレイさんは語りを再開してしまった。
「だが、君は儂の目を持ってしても何も見えなかったのじゃ」
「・・・! つまりそれは」
そんな俺を見て不気味に感じた。そう言うことでは?と予想した。
そして案の定。
「そう、儂は不気味に感じたのじゃ。そして思い付いた今まで儂が見れなかったものの内から、とある結論が見えた」
「それは・・・!」
俺が若干興味を持った目で訴えかけた。
「それは、お主が、転生者であることだ」
「!」
そう言われた瞬間、俺の頭の中にたくさんの記憶が流れてきた。
そこには、シアやアリスに似た少女が様々な場面に映っていた。
━━━お~い。そろそろ朝だよ~?
━━━ぅ~ん。~~~ッ、おはよぅ紫亜
━━━~~ッ!? う、うんっ、おはよっ!
またある時は。
━━━どうしたの? アリスお姉ちゃん?
━━━ん~? 琉斗~?
━━━そうだけど? どうし・・・
━━━あぁ、もう可愛い~!
━━━アリスお姉ちゃん? むぐっ!?
そんな楽しくて、温かくて、優しい記憶が次々に蘇ってくる。
そんな記憶をたくさん見て、俺は。
「・・・! 泣いておるのか?」
「え? ぁ・・・」
泣いていた。
という訳で、実は転生者なリュート/琉斗くんとシア/紫亜とアリスでした。
ちなみに、アリスに関しては、いい感じの名前表記が思い付かなかったので、カタカナのまんまです。




