覚醒 2
『魂を、与える?』
俺にはよく意味が分からなかった。
━━━はい。神々の魂の一部を与え、命を蘇らせることが可能です。ですが・・・
『ですが、なんでしょう?』
━━━ふふ、敬語は要りませんよ。さて、質問に答えましょう。
そう前置きをして、俺の質問にアスタロト様が答えた。
━━━神々の魂を人の子に与えるのは簡単ではありません。まず前提条件として、神々の権能の一部を使役出来ること。今回は、貴方が神々の権能の一部を込めた装具。いわゆる神具を扱えるため、前提条件を満たしています。
『でも、あくまでもそれは前提条件。そこからさらに条件が加わる、ということか?』
━━━そうですね。では
条件その1、貴方が清廉潔白の魂を持つこと。言い替えると、犯罪を犯していないこと。
『・・・第一条件はクリアだな。犯罪はしていないし』
━━━まぁ、あの時は救出しているので帳消しになっていますね。おっと、話が少し逸れましたね。
では条件その2、守りたいものがあること。犯罪以外で、貫き通したい意志が有ることです。
『これももう、達成しているな』
━━━最後は、貴方が神々の血を有すること。
『え・・・?』
神々の血を有すること? え、無理じゃん。
そう思ったのだが、次のアスタロト様の一言に俺は驚くことになる。
━━━その点については大丈夫です。何せ、私は貴方の母親なのですから。
『え?』
絶句した。
俺の母親が、女神?
『・・・マジか』
━━━以外と反応が薄いですね。
『驚けないんだよ。驚きすぎて』
━━━まぁいいです。では儀式を開始しましょう。
『そうだった。じゃあお願い。母さん』
━━━~~~ッ!?!?!?
『だ、大丈夫ですか?』
━━━だ、大丈夫です。
そして、その会話が終わると、俺は地上にいた。
◇◇◇◇◇◇
「さてと・・・!」
思い切り地を蹴ると、俺は風を置き去りにしていた。
「え・・・!?」
まぁ、驚いている時間はないので武器を召喚した。
「『神剣召喚』『神剣術』」
━━━キィィィン!!
甲高い音を響かせて剣と手刀がぶつかる。その直後、刀身をずらして手刀を地に落とした俺は、後ろのアリスに近づき、未だに驚いているアリスに俺は声をかけた。
「大丈夫か? アリス」
「ぁ・・・リュート、くん」
いつの間にか君付けになっているが、まぁいいだろう。そうして頭を撫でた。
「よく、頑張ったね。怖かっただろう? でも、大丈夫だよ」
「・・・ッ!!」
「!?」
そう優しく話すとアリスに抱きつかれた。
そのまま頬に、柔らかいものが触れた。
その感触は一瞬だけで、でも、想いの詰まった感じがした。
「えへへ、ありがと。リュートくん」
垢抜けた様子のアリスに、復活したリュート。
もう不意打ちでしたねアレ。もうどうなるか予想がつきますね。




