表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖かし行脚  作者: 柚木 小枝
第壱柱
1/34

プロローグ

バイト帰り、闇夜を駆ける人影を見た。


“人が飛んでる”


思わず発した俺の言葉を聴いた影は、そっと俺の前へと降り立つ。



「そうか、お前がそうなんだな?

 

 お前に恨みがあるワケじゃねーが。俺の為に…消えてもらうぜぇ…!」




この世に 光と闇があるように。

コインにも表と裏があるように。

全ての事象には対になる存在がある。


“ 世界にも 表と裏がある ”


そんな当たり前の事を

少し考えれば分かりそうな事を

この時まで俺は 知らなかったんだ。



◇◇◇◇◇



時は戦国時代。

戦の絶えない戦乱の世。人と人とが争い合う、そんな時代。

この世はまだ、人と人ならざる者…“妖かし(あやかし)”とが共存していた。

伝承によっては、“妖怪”、“物ノ怪”等と称される事もある。


そんな世の中であるからこそ

人々の争いが激化すると共に

人と“妖かし”との争いもまた、激化していた。


人も、“妖かし”も、自らの安住の地を求めて

己の生活の潤いを求めて

日夜 争いを繰り広げていた。


だが、それも戦乱の世が終わりを告げると共に

人と“妖かし”との争いもまた、終わりを迎える事となる。


“神の従者”とも呼ばれる者達によって

妖かし達は裏側の世界へと封じられた。



◇◇◇◇◇



それから時は経ち、現代。

妖かし達の住まう裏の世界。


一匹の大きな妖かしが暗闇の中、静かに語る。



「時は満ちた。今こそ、この数百年にも及ぶ忌まわしき封印を破る時が来たのだ。必ずや成し遂げて来い。」



闇に浮かぶ大きな妖かしは、九つに分かれた巨大な尾をゆっくりと動かしながら、手前に跪く者を見下ろす。

跪いているのは、九つの尾を持つ大妖怪に比べれば至極小さな妖かし。大妖怪の尾の一本にも満たない。人と同じぐらいの背丈だ。

小さな妖かしは、闇に笑みを浮かべながら静かに頷いた。



「御意。」

ご覧頂き、誠にありがとうございます。

少しでも良いと思って下さった方、是非ご応援下さい!

ブックマークの追加、画面下にある『☆☆☆☆☆』での評価

頂けると大変励みになります。


宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ