第11話
早くも話の中盤に入ろうとしています、、
「このワンピースとか可愛くない?」
「ああ、そうだな......」
買い物を始めてから約2時間。俺たちはあるショッピングモールに来ているのだが、
お目当てであった沙織への誕生日プレゼントはとうに買っており、今は楓自身のウィンドウショッピングに付き合っている。
正直疲れた......
「ちょっと!聞いてる?......てかもしかして疲れてる?どっかで休もうか?」
「ああ、頼むわ。」
そう言って入ったのは同じモール内にある洋食屋だ。
ここは昔からよく来る店で俺もよく家族や楓たちと来たものだ。
「私オムライスにしよ〜。怜人はどうすんの?」
「俺はハンバーグにライス付きにするわ。」
「いつもそれじゃない〜?」
「うるせえ。いいじゃん美味しいんだから。」
と、他愛のない会話を繰り返していくと
「ねえ、怜人。ひとつ聞いていい?」
「ああ、いいぞ。内容によるが。」
この店で楓がこんな真剣な顔で言っているってことは恐らくあのことだろう。
「やっぱりまだあの子のこと好きなの?」
やっぱりな。好きなの?って聞かれるとは思わなかったが、楓の言うあの子のことだとは大方予想は付いていた。
「うん、好きだよ。早く忘れたいんだけどな......」
「やっぱりね。怜人も物好きだなぁ。今どこにいるかどうかさえ分からないのに。」
「自覚してるよ。でもずっとモヤモヤしてるんだ。もしかしたら俺たちの方に非があったのかもしれないし......」
そう言うと、楓はムッとした顔をしながら
「そうだったとしてもだよ。物心ついた頃から一緒にいたのにあれは不義理だよ。」
楓は続けて言う。
「私は、すごく悔しいんだ。何でなんだろうって。直接会って問い質したい気分だよ。まあ、どこにいるかわかんないからそれすら出来ないんだけどね。」
「楓......」
俺もすごく悔しい。というより後悔してる。あの時の俺はあまりにも子供だった。口を聞いてくれなくても当然だ。
そう、俺と楓の言うあの子というのは俺たちのもう1人の幼馴染。
名前は、五十嵐ましろ。
俺の家の隣に住んでいて、物心ついた頃から3人で一緒に遊んだりするほど仲良しだった。
そして、俺の小さい頃からずっと好きな人。
だが、中学の卒業式のつぎのひ、ましろは引っ越した。
俺たちには何も言わずに。だから、今どこで何をしているのかも全く知らない。
「もうこの話やめよっか。しんみりしちゃったし。ごめんね?こんな話して。」
「ああ、いいよ。この1年全く触れてこなかったしな。いずれちゃんと向き合うべきなんだよ。」
「それもそうだね。それにしてももっと楽しい話したいな〜」
本当にその通りだ。向き合うべきだとは言ったが、出来ればこの話はあまりしたくない。
今は目の前に楓がいる。俺の大事な幼馴染だ。
「そうだな。てかまだ買い物すんの?」
「もっちろん!今日のために貯金を切り崩してきたんだから!あ、怜人にもなんか買ってあげようか?」
楓がニヤニヤしながらこちらを見ている。
「施しなんか受けないさ!逆になんか買ってあげようか?家と車以外ならなんでも買ってあげるぞ〜」
「何その親戚のおじさんみたいな喋り方...... 私も施しなんか受けません!てかめちゃ買ってくれるじゃん。」
そうなんだ。いつまでも後ろを向いていられないんだ。楓がいて、信介もいて、沙織もいる。
今もすごく充実している。
ましろのことを忘れることは無いが、そんなことあったねと笑い合える日が来ることを祈ろう。
「よしっ!じゃあ食い終わったしショッピング再開するか!」
「そうだね!あ、それが終わったら私の家来る?」
は?
読んでいただきありがとうございます!
もう1人の幼馴染を変更させていただきました。




