チャーハン屋のハイヌウェレ
この前、平和な田舎の食堂で飯を食っていたんだが、ある事件が起きた。
いきなり食堂の中に全裸のおっさんが5人も入ってきたんだ。
そしたらいきなりさ5人で情熱的なダンスを踊り始めたんだ。
その中の一人のおっさんが俺のチャーハンをかきこみはじめた。そしてそのおっさんはこう言った。
「このかにチャーハン、カニカマだぞ」と。
俺はカニカマと気付けなかった自分を悔やんだ。
その時5人のおっさんは俺に手を差し伸べてくれた。
「大丈夫。僕はこの街にはびこるチャーハン詐欺を取り締まるために派遣された弁護士団なんだ」
そう言いながらおっさんは玉袋の裏から弁護士バッジを取り出した。
俺は勢いにのまれ、涙を流してしまった。
待てよ。なにか違和感を感じる。
このおじさんの弁護士バッジ、黒に近い銀色だ。
しかし、弁護士としての経験が溜まってくるとメッキが剥がれてきてだんだん下地である銀、そして更にベテランの弁護士は黒に近い銀になるんだ!
俺の違和感は信頼へと変化した。
ありがとう。おっさん。そしてカニカマにさよなら。
俺は500円を持ってレジへ向かうんだ。そうすると、レジのおっさんは不敵な笑みでこちらを見た。
「どうやら一流弁護士を呼んだことで買ったつもりになっているようだな」
「何ぃ!」
あまりにも予想外な一言で私はつい、感情的になってしまった。
「ところで、これを見てどう思う?」
おじさんはいきなりズボン、そしてパンツを脱いだ。
それはカニカマだった。いや、違う。まさか!
「そうこれは、カニカマなんかぁじゃない。俺の陰毛だぁ!」
それは尋常ではない大きさの男性器だったんだ。まるでトラのような威圧を感じる。チャーハンに目を落とす。チャーハンの具の真実にきずいてしまった。
「そうだ、この焼豚は、米は、刻みネギは全て私の体からできているッッ!」
「そして、油も例外にあらずッッ!」
私は無意識にゲロっていた。そして、全裸のおっさん5人組ももらいゲロをした。
そして、店内にいた私以外の唯一の客であるお婆ちゃんが席を急に立ち上がった。
お婆ちゃんは言った。
「お前のチャーハンが大好きだよ」
その瞬間、店内にいた8人のうちおばあちゃんを除いた全てのからだに異変が起きた。全身にカニカマが生え始めたのだ。体の外だけじゃない。内臓もだ。喉のあたりがムズムズする、息ができない。霞みゆく意識の中で最後に見たのは空へと羽ばたくお婆ちゃんであった。
そして7人が搬送され、この事件は終わった。
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翌日の新聞の一面はこの事件で持ちきりだった。
お婆さんの正体。そして店の衝撃の真実。そして、おじさんたちの体からあらゆる病気への対抗策となり得る細胞因子が発見されたこと。
何よりも大きく描かれた5人の全裸は僕を元気づけた。
病院の窓から見える桜は春を告げていた。
私の体は多臓器不全でもうボロボロであった。
チャーハン屋の店主は「かにチャーハンなのにカニカマ入れて悪かったな」という遺言とともに死亡、その臓器はまだ希望があった私の体へと移植された。
俺の体内からのカニカマ摘出手術は長時間に及んだが今俺は生きている。
しかし、俺にもまだあの事故の跡がのこっている
。それは、陰毛のカニカマ。
「店主のおっさん、お前も俺の中で生きてるんだな、チャーハンうまかったよ」