……脱出…………既視感……
短いですが再開しました
コメントありがとうございました!
早速書き始めました
ではどうぞ
……うん……さっきまでの事は無かったことにしよう……
たとえ……服が薄いシーツのようなモノ1枚で下着を履いていなくても……
「という事で!ディアーナさん!そろそろこの場所を出ようかと思うのですよ!」
何が「という事で!」かは判らないがこの異様な空間を脱出する事には賛成だ…しかしどうするのか判らずにラティを見ていると何やら私に向けて両手を広げ、眼を閉じている
………………「テイッ!」……ばしんっ!……びたんっ!!
顔の前でぱたぱたと背中の黒い翅を羽ばたかせながら
両手を突き出してギュッと目をつぶったままのラティに、
イラッとしたディアーナは昨夜の繰り返しのようにはたき落とす
「…うぅ…何でまた……私、何かしましたかぁ……」
黒い小さな生き物が涙目で私を見つめている
何かしたのでは無い……
何百、何千、何万の死を体験させられ…
何度も何度も数え切れないほど殺され犯されたのだ…
そして何より私は契約しただけでまだ何も教わっていない
「ラティ?私はどうすればいいのか貴女からまだ何も聞いていない…どうすれば此処から出られるの?」
「えっ?!……あっそうか!力の使い方なんて精霊でもなければ分かりませんよね?…………そうだ!ちょっとこっちに来てもらっても良いですか?」
当たり前な質問をするとラティはディアーナを手招きして見慣れない光る遺跡の前まで連れてくる
「それではディアーナさん、このコンソールに触れてインストール!と言ってください、それで大丈夫です。」
「……ん?コレ?…………ィンストールッ!?!?……カハッ……グッ……ガ……ァァ…………」
「えっ?!うそ!?何で?…………あっ……精霊用……ご……さ……ディ…………」
自信満々なラティに促されるまま光る遺跡に触れてインストールと唱えたディアーナは心底後悔した……
もうこのぽんこつ精霊は信用しない…
薄れゆく意識の中で視界の隅に写るぽんこつ精霊を睨み、糸が切れるように意識を失って倒れた
……あのぽんこつ精霊……絶対………しばく……
「…あっ!目が覚めましたか!良かっ…って!えええええぇぇぇ…………うっぷ…おぇぇ……」
目が覚めたディアーナが先ず初めに行ったのは、相変わらず目の前でぱたぱたするモノを掴み全力シェイク
そして泣き喚く声を無視して大人しくなるまで全力シェイク
何かを撒き散らすソレに変わってるけど構わず自分に付着しないよう全力シェイク…………シェイクシェイクシェイクシェイクシェイクシェイクシェイクシェイクシェイクシェイクシェイク…………
ようやく気が晴れた頃
完全にぐったりしてピクピクとしか動かなくなった黒いぽんこつ精霊を、汚いモノを持つように右手の親指と人差し指で逆さ吊りに摘む
まだ少し臭うが仕方ない、いい加減外の空気を吸いたくなったディアーナは"魔法を使う"
「ディメンションゲート」
そう呟くとディアーナの目の前には黒い蠢く門のようなモノが現れる
ディアーナは逆さ吊りにしたままのラティを一瞥して、置いていこうか?と一瞬悩むが、魔法が使えなくなっては事だと思い取り敢えず一緒にゲートを潜った
「ん!?眩し……あれ?此処村の中央広場……でも何でお母さんのお墓が立派に?……あれ?他のお墓も凄いことに……」
ディアーナがディメンションゲートを潜った先はどうやら自分が生まれ育った村だったようだが様子がおかしい……
自分は死体を埋めて死んだ村民の特徴的な物を墓前に添えた簡素な墓を作った筈だが……
目の前の墓はどう見ても立派な石碑の様にしか見えない……
「…………先にこの汚物を洗わなきゃ…水場まだ残ってるかな?」
困惑しながらも自分の手の中でツンとした匂いを醸し出す物体を見て村の水場だった場所に歩き出す
水場はまだそのまま残っているが蔦がひどい…まるで何年か放置されているみたいだった…
「…こう…っ!蔦が多いと面倒くさいっ!……うーん…そうだ魔法!…あった「グラビティブラスト」……よし!開けた……よっ!……」
蔦を近所の家に残っていた"錆びた"ナタで切っていたディアーナだったが魔法の存在を思い出して使用する
すると一瞬で開けた水場に右手で摘んでいたモノを躊躇なく投げ込む
ーぽちゃんっ!………………ばちゃばちゃっ!ばちゃ!…ー
投げ込まれたモノは少しすると驚いたのか水しぶきを上げ、翅をぱたぱたさせると浮かび上がり辺りを見渡す
「けほっ!ゲホッ!!…いったいなにが……あっ…ディアーナさん!よくぞご無じっ!…………」
水を滴らせた黒いドレスを肌に貼り付けた痴女精霊は嬉しそうにディアーナまで飛んでくると、
何度目か判らないはたき落としをくらい……
何度目か判らないが意識を失った……
そしてはたき落とした張本人のディアーナはふと思う
…………そういえば今薄いシーツ1枚に包まれただけの私の方が痴女か……
そう思うとクスッと笑いながら、
足下でピクピクしている泥だらけで濡れた精霊を摘み上げ、
水場に残っていた石鹸で洗ってあげた
コメント評価お待ちしてます!
読みやすいよう改訂をしていきますので短くてもどうかお付き合いをお願いします!
ではまた次回に