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……私が……・・になった日……

投稿がギリギリになりそうなので割愛します。


では本編をどうぞ

…………?……………ん?……何カ…………オとガ……




………ックボック……多く…てアク……出来る…箇……少な……る!……


……しかし、…………エンジンは…………現行の機種の120%…………やはりグラー……は天才だ……


…………チッ……奴が大人し…………ば、我々……に…なくてもよかったという…………





……………………あれ?…………身体が……動かない?……


…………ん?…………何だろう…………スゴく…………眠イ…………ココはドこ?……





「…不味……!……覚醒する……に……ウイル…を!早く!」




すごく眠い状態のラティは何とか薄く眼を開けるこのに成功した…

いつもの研究室ではない…研究室にはこんなシリンダーやチューブ……ましてや何かの標本やホルマリン漬けの遺体など無いのだから……

そして目の前に居た白衣の研究者に質問をしようとしたが何かおかしい……

こんな研究者は自分の研究所に居たかな?…

基本的にラティが眠りから覚めた時は、グラード博士の研究チームの誰かが必ず居るはずなのだがこの場には誰も居ない様に見える。


「…あの〜?申し訳ありませんがグラード博士か、私の研究チームのメンバーをご存知でしょうか?もしご存知でしたら連絡を入れ…っ!?がっ?!…びっ!!?………ぁ…」


疑問に思いながらラティが声を掛ける

すると、慌ただしくなった目の前の見知らぬ研究者達は機械を操作してラティの入っていたシリンダーに薬液を注入してきた。

薬液がラティの身体に触れると身体に鋭い痛みと体験した事のない未知の感覚が押し寄せる


それは本来なら造られた存在のラティが味わうはずの無い…人と変わらぬ存在まで至ってしまったが故の不幸だったのだろう……



このシリンダーに投与された薬液は、本来なら機械を強制停止させる事だけを目的にしていた……

だがこの薬液は人…若しくは動物に対しては別の効果を発揮する少し特殊な花の毒から作られていた……


…………その効果は……



……媚薬…………発情である…………



ラティは造られた存在であるが、各分野世界1位の科学者達が多くの助けを借り強化、改造された存在である、身体機能は人と何ら相違ない。

そして、精神面も何ら人と変わらず、蝶よ花よ…と育てられてきた箱入り娘同然のうぶな生娘であった…………


そんな存在が生物の妊娠治療にも使われる劇薬に近いモノを原液で使われればどうなるか……



「………ぁぅっ♪……………ひぅっ!?…………いっ!…………」



「えっ?コレもしかして……薬液に反応してるのか?」


「は?馬鹿言うなコレは人工物だぞ?」


「…………いや待て、…………おい、解析班?コレもしかして・・・は有るのか?」


「・・・ですか?ちょっとお待ち下さい?…………えっ?在りますこのprototype00には人間と同じ・・・が存在します!」


薬液に反応して惚けた表情のまま、ピクピクと、また時折ビクッと大きく反応するラティ

それを不思議がった研究者が疑問を横の同僚に問い掛けると同僚は一笑する。

だがその奥で、腕を組みながら全体を見ていた責任者らしい、いかにも研究者!、の容姿を持つ老人が解析班の女性に問い掛ける

少し時間を置いてから解析班の女性は老人に問い掛けられた事柄の結果を驚きながら報告する


「……ホッホッホッ!ならば話は早い……コレは身体を人間サイズに出来るのだろう?…………ならば、孕ませて……それを研究させれば良いだけではないか?サンプルは多い方が研究は捗るしの?」


濁りきった眼を爛々と妖しい光に輝かせた老人はコレを造ったグラード博士に感謝しつつ、ラティに残酷な仕打ちを決定した。








2年後……グラード研究所 グラード研究室


『……戦から2年、戦争はもはや泥沼の…………当初は圧倒的有利と言われていたクウ王国側の戦力は最初期の奇襲により…………現在も各地で戦火が…………』


「戦争……終わりませんね?それにしても…ラティちゃんは一体どこに行ってしまったのでしょうか…」


ラティが研究所から居なくなって2年が経ち、当時の女性主任はグラードが研究所所長に就任した事を契機に引き継ぎを受けてグラード研究室のリーダーになっていた。


テレビから聞こえるのは、ラティが研究所から消えた翌月に始まった戦争の話題…最初は何らかの手段で評議会がラティを連れ去ったのだ!と、主張していたグラード博士だったが証拠もなく、ラティが【少し出掛けてきます】と、書き置きを残していた事からそのまま外に出てしまったのだろうと結論づけられ、今では少人数の追跡調査のみらしい


リーダーになった女性主任だったが、グラード博士による研究チームのメンバーを初期の人間のみに戻すという事をしていた為、少なくなったメンバーで今までに蓄積されたノウハウを使いラティの姉妹とでも言うべき6人の精霊を生み出していた、ラティ失踪時の反省を活かす為、今回の6人は各研究者が親代わりとして常に一緒にいる様にしていた。


「やぁ、元気してるかな?」


「あら所長?どうしたんですか今日は確か評議会に参加される筈じゃ?」


女性主任が物思いにふけっていると研究室の扉がカシュッと開く

そこから所長となったグラード博士が入ってきて挨拶をしてくる、女性主任は出掛けたはずの博士が来たことに驚きながら予定を確認する


「いや、分かっているよ……だが今日は体調が優れなくてね…申し訳ないが欠席させてもらったよ…だいたい、私が1人反対したところで決定が覆る事は無いからね…………おそらくだが…妖精…だったか?うちの娘達には劣るがそれでも兵士一人ひとりにあのレベルの魔導エンジンが配備されればカイ帝国の勝利は揺るがんだろう。」


「……妖精……ですか?うちの精霊への当て付けですかね?だいたい、あっちの研究チームのメンバー見ました?うちの研究チーム追い出された奴がプロジェクトリーダー何かやってるんですよ?……絶っっっ対!産業スパイですよ!!なんならラティもアイツに……」


グラードは会議を欠席した事を告げ、今回の議会が招集された理由が評議会側の研究所が作り出した

【妖精】と、呼ばれる人型魔導機の試験導入だった事を明かす

それを聞いた女性主任は、訝しげに机を漁りひとつの資料を引っ張り出し、資料に載っている写真を指差し怒りをあらわにしながら捲し立てる


「主任…それ以上はいけない……彼は評議会のお気に入りだからね、この研究室くらいならいいが…研究所内でも安心はしない方がいい……もはやこの研究所も安全とは言い切れないからな?」


「…っ!…すいません頭に血が上ったみたいです…………ふぅ……大丈夫です…私は冷静な女…クールな女…完璧才女…よし!」


グラードに諭された女性主任はハッとするとぶつぶつと呟くと気合を入れる

それを見たグラードは苦笑する、そして女性主任の机の上に置かれたドールハウスのベッドで何かがモゾモゾと動くのが見えた。



「…………おかーさん…おはよ…むにゃ…んぅ……じーちゃんも……いるの……」


「おぉ、おはようラド今日は随分と寝坊助だな?」


「…いやっ!昨日の実験で疲れたんじゃ無いかな?!そうだよね!きっとそう!なんならもう少し寝ててもいいよ?」


ドールハウスのベッドから起きた小人がまだ眠いのか目をこすりながら挨拶すると、グラードが返事をする

そして何故か女性主任はラドと呼ばれた茶色い右サイドポニーヘアで赤い眼の小人をもう一度寝かせようと必死になる。


「ん〜〜!……んみゅ?ちがうよ〜……らどがねむいのは〜…おかーさんがはまってる……もんすたーはんとげーむにつきぁ…ぁてあげたからでしょ?」


「主任?」


「てへっ?」

真実がバレてしまい女性主任はジト目を向けるグラードに舌を出して謝った。








???研究所


「コレももう2年か…いくら人工物でも…年端もいかない容姿の女の子にこんなことしてるなんて知られたら俺生きていけねぇや。」


「……お前そんな顔してさそんな殊勝なこと言っても誰も信じねぇぞ?鏡見て来い、次はどんな風に遊ぼうか期待する子供みたいな顔してるぞ?」


肉達磨のような研究者がいやらしい笑みを浮かべながらシリンダーに浮かぶ少女を舐め回すように見つめる

それを見たサングラスの研究者が少し表情を引きつらせながら忠告する

シリンダーに全裸で入れられているのは140cmくらいの人間にしか見えない少女だがひとつだけ明らかに人間では無い特徴があった…シリンダーの薬品越しにも綺麗に見える黒い翅である

そう…あれから2年間ラティと呼ばれた少女は少しだけ成長したが未だに眠りについたまま、ただ研究サンプルを産むための道具として扱われていた。


「でもよー?コイツ1年に1匹しか孕めないんだろ?そしたらさ?俺らにもおこぼれがあってもいいんじゃ無いか?」


「馬鹿言うな、そんなことして、もしコレが壊れたらお前だけじゃなく俺まで殺される…だいたい失敗作をお前が持ち帰って使ってるだろう?アレじゃ駄目なのか?」


「いや、アレはアレで良いんだけどさ?コレより小さいからすぐ壊れるし何より反応が面白くない!あ、とかう、とかしか言わないし…生体反応はしっかりするからその点は良いんだが…折角なら本体を使ってみたいじゃないか!」


肉達磨がサングラスになおも食い下がる

廃棄予定の失敗作を肉達磨が持ち込んで毎日のように使用しているのを知っているサングラスが言う

すると肉達磨は下卑た歪んだ笑みを浮かべてそう言い切った


「……確かに可愛いし綺麗だとは思うが……俺にはその感情が分からんし理解したくもない。」


「お前も一度使えばわかると思うんだがなぁ?……だいたい俺はコレぐらいのが孕んだ状態で使うのが1番興奮するんだがな?失敗作は孕めないから愉しさ半減だ…………あぁ、勿論やった事は無いけど……な?」


サングラスは付き合ってられんとパソコンを操作し始める

肉達磨はそれを聞き流しラティをギラギラと熱い眼差しで見つめながら語っていた




……此処は……ドコ?…………ぐらー…博セ…シュ任……ドコ……?…………



「そういやコレが産んだ2匹のうちの1匹目が今度戦争の戦力として導入されるらしいぜ?」


「type x-01か……確か所長直々に調整した個体だよな、魔導エンジンの出力もコレの80%程度までは出るんだろ?怖ぇよな…だって一撃でクウの軍隊の半分は殺せるんだろ?俺だったらそんな恐ろしいもん怖くて作れねぇな……」


僅かに覚醒した意識の中……

ラティは研究者達の会話を少しでも聞いていたかった……

ほんの少しでも良いから情報が欲しかったのだ……

しかし、コレとは何のことだろう?……

眼は薄らとしか開かないが、言葉は聞くことができる状態のラティは悟られないようこの状態を維持することにした。


「あーー!所長もいい加減コレの量産化メドつけてくんネェかなぁ?そうすりゃ俺も種付け実験参加するんだけどなぁ〜〜……」


……あれ?おかしいな?とラティは思った……


何故なら肉達磨がコレ……と言って指をさしているのは私?の入ったシリンダー……


「そういや所長から3度目の実験するから前回までの映像を確認して備えとけ…とか言ってたなぁ…俺、アレ苦手なんだよな…何か…非覚醒状態のコレの実験とか…企画物見てる方がマシなくらい酷いからなぁ…まぁ仕方ねぇ、流すぞー?」


…………ジジ……ジッ……


サングラスがそう嫌そうにパソコンを操作すると映像が流れてくる。


ーサンプル量産計画第1回目ー


『……えー、本日よりとある協力者からもたらされた実験体を使用してサンプル量産実験を試みる……協力者曰くまだ人としては幼いように見えるが実験体は創造物でありなんら倫理的又は道義的に問題がない存在…という事だ。』


……ラティは映像に映る、いつか見た評議会の代表者の一人だったか?老人が言い訳のように捲し立てると画面は変わる。


『最初に、壊してしまっては元も子もないので…拡張実験から始めよう…うむ…………………………身体機能的に人間と同等の生殖反応が確認された……しかし、まだ不安が残る………このまま当面は拡張実験と開発を進める事を方針として第1回の実験を終了する。』


……ザ、ザ……ピッ!……


ーサンプル量産化計画第21回ー


……いくつも同じような映像が続いていたが今度からは何か違うようだ……理由としては先程まで顔を隠されていた実験体が顔を出している……あれ?…シリンダーの中に居る…人?…あの顔…何処かで……見たような……


『時間が掛かったが、前回までの実験により実験体が妊娠機能を有していることが確認され、かつ…これまでの拡張実験で耐久性の問題も解決した………よって、かねてより計画されていたサンプル量産計画の本格稼働だ!』


老人が誇らしげに宣言すると、シリンダーの中にドリルのような…嫌悪感を感じる独特なデザインの棒を差し込む

差し込まれた棒は迷わずシリンダー内の人の下腹部へと伸びていく……


『…………っ!……ぁぁ…………ああアアァァァ!!!…………』


まだ映像がはっきりと見えない…しかし苦しそうな、何処か嬉しそうな声を聴くと胸が痛くなる……


……ザ……ザ…


ーサンプル量産化計画第30回ー


だんだんとはっきり見えてくる…どうやら実験体と言われている人はシリンダーから外に出されているようだ……

……?お腹がすごく膨らんでいる…食べ過ぎたのかな?…


『…………はっはっはっ……ハァーッハッハッハァーー!!遂に!遂にやったぞ!母体のDATAを見る限り産まれて来る個体は母体の80%程度の出力のようだ!!見たかグラード!貴様の研究は……私の物だぁ!!』


実験体さんはすごく苦しそうな息を吐きながら呻いているが、今回に限っては顔が映っていない…何だろう…すごく嫌な感じがする……

…パソコンに映る映像が足下から徐々に上に上がってきた。


…………産まれたままの姿なのか、衣服が一度も映らず……


……裸足の足元


……シミ一つない素足


…………膨らんだ下腹部


…………わずかに膨らんだ胸




…………もはやパソコンの映像ははっきりと見えるようになっていた。


……何故だか判らないが心臓の鼓動が早い……


……本能が見るな!と訴えかけているかのように感じるが……もう遅かった……


胸から上にゆっくりと……時間的には一瞬だったのだろうが……私には何時間にも感じた……


『さぁ!産め!我らの……最強の兵器を産み落とせ!!』


老人の叫び声と共に映像が、実験体と呼ばれていた少女を映す。




……私だった……


『さぁ!産め!忌々しいグラードの創造物よ!我らの為の礎となれ!!』



「いやーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」


老人がそう宣言するのと同時に、私は絶叫を上げた。








……その後はよく覚えていない……






……ただ…ひとつだけ…ひとつだけ覚えているのは…






……慌ただしく動き回る研究者達が消し忘れたパソコンの映像から……赤ちゃんの泣き声が聞こえた事……







……それだけだ……


タイトルは母になった日


と、なっております。


では次回!

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