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8話 魔族探し

沙紀の機嫌も良くなり、俺と沙紀は1階の食堂で食事をする事にした。


「あら、さっきはお邪魔しちゃってごめんなさいね…ふふっ」

「ずっと覗いてたんですか?」

「まさか、そんなねぇ…ふふっ」

(絶対に覗いてたな、この人は)

「別に見られてたってイイよっ!なんならここでもう1回する?」

「お前なぁ…はぁ…っ」

「若いっていいわねっ」

「リズさんだって十分若いですよ!それにあたしより綺麗だし」

「あら、嬉しいわね。そんな事を言ってくれるなんて はい、これサービス」


リズさんはテーブルに唐揚げみたいな物を置いてくれた。


「コカコドリの唐揚げよ。香ばしくて美味しいから食べてね」

「リズさん、ありがとう。はい拓真…あーん」

「ガキじゃあるまいし、1人で食える!」

「いいから、あーん!」


余りにも沙紀がしつこく迫るので、仕方なく口を開けてやった。

俺の開いた口に沙紀は唐揚げを入れ、満足そうな笑みを浮かべていた。


「拓真、あたしにも食べさせてよっ!」

「自分で食えるだろ!」

「拓真に食べさせて欲しいのっ」

俺は唐揚げを1つ抓んで沙紀の口元に運んだ。


「あーんって言ってくれないの?」

「はいはい、あーん」

投げやり気味に言ってやった。


「あらあら、仲が良いこと…ふふっ」

リズさんはニヤニヤしながら飲み物を2つ置いていった。


「唐揚げと合うから飲んでみてね。セフレの葉を煎じた飲み物よ」


沙紀は出された飲み物を口にした。

「美味しい!ハーブティーみたいな味だよっ」


ハーブティーは以前、姉貴の家で飲んだ事があったので、俺も飲み物を口にしてみた。

「おっ、マジで旨いな」


俺と沙紀は出された唐揚げを全て食べ、飲み物も飲み干した。


その後、夕食を食べて部屋に戻った。


「沙紀、明日から魔族探しをするからな」

「うん、今日みたいにはならないでよっ!」

「クウラの事か?」

「そうだよっ」

「分かってる」

「ならいいけどさっ」

「沙紀、お前の能力について少し教えてくれないか?」

「あたしの能力?」

「ああ、今日獣人に化けた魔族を自白させただろ?」

「うん」

「あの時、沙紀はどうやって能力を使った?」

「アイツの目を見て本当の事を言いなさいよって思っただけだよ?」

「声は何て言ってた?」

思想操作マインドレーターって言ってたよっ」

「やっぱりか 沙紀、お前の能力は誘導だけじゃないかも知れない」

「どういう事?」

「幻惑も使えるかも知れない」

「幻惑って…幻を見せて精神攻撃するやつ?」

「あぁそうだ」

「試してみるっ?」

「誰にだ?」

「拓真に決まってるじゃないっ!」

「止めろよな!どうせ陸でもない事を植え付ける気だろ」

「そんな事ないよっ!あたしにラブラブな拓真にしようかなーって」

「陸でもねえーじゃねぇか!」

「あれー?いい考えだと思ったんだけどぉ…」

「そんな事を間違ってもするなよ!明日は早いからもう寝るぞ」


これ以上暴走されては困るので、俺はそそくさとベッドに入った。


どうやら沙紀も眠りに就く様でベッドに入って来たのだが、ベッドに入るなり身体を俺に密着させた。


「なんでそんなにくっ付くんだよ」

「だって、落ちるの嫌だし…それに…ぎゅーってして貰いたいから」


俺は沙紀の方へ振り向き両腕で抱きしめた。

沙紀の鼓動が伝わってくる。俺の鼓動も沙紀に伝わっているんだろうが、そんな事より沙紀の柔らかな胸が俺の胸に押し付けられている事が気になってしまう。


俺も沙紀も鼓動が速くなってきた。

お互いが見つめ合い、自然と唇が合わさった。

その後の事はハッキリと覚えていない。

朝目覚めた時、お互い裸だった。


沙紀はまだ寝息を立てて寝ている。

(目が覚めたらどう思うんだろうな)


俺は沙紀の寝顔を見ながら、沙紀の頬をツンツンと突いてみた。

「…んんっ」

「おはよう沙紀」

俺が挨拶をした途端、沙紀は俺に抱き付きキスをしてきた。


「お前なぁ…」

「えへっ、おはようの挨拶」


俺は敢えて昨晩の事は聞かなかった。

俺はベッドの下に落ちていた下着を取り、直ぐに着替えを始めた。


「沙紀も早く着替えろよ?」

「う、うん…ねぇ拓真」

「な、なんだ?」

(昨晩の事でも聞いてくる気か!?)


「お風呂とか無いのかなぁ」

(良かった、昨日の事じゃなかった)

「風呂か…確かに風呂やシャワーの話は聞かないな リズさんに聞いてみるか」

「聞いてきて!」


俺は部屋を出てリズさんの元へ向かい風呂について聞き、再び部屋に戻って来た。

部屋に戻った時には沙紀は着替えを終えていた。

(着替えたのか…チョット残念)


「風呂は王族か貴族の家にしか無いそうだ。それと大衆浴場みたいのも無いってよ」

「えっ!?じゃあ普通の人達はどうしてるの?」

「桶に沸かした湯を注ぎ、布で身体を拭くだけらしいぞ」

「そんなの嫌だぁ!お風呂がいいっ!」

「なら、沙紀の魂操術で貴族でも操ったらどうだ?」

「ぶぅーっ」

「だが、風呂があったら商売出来そうだな」

「じゃあ拓真作って!」

「作れる訳ねぇーだろ! 痛っ!?」


<クリエイトバレットの能力が解放されました>


「はあ?」

「どうしたの、拓真?」

「新しい能力が…」

「あっ!目が緑になってるよっ?」


≪お待たせなのでぇーす!≫

(また出やがったな)

≪マスターは、つれないでぇーす!≫

(で、今回は何の用だ?)

≪クリエイトバレットのお話をするのでぇーす!≫

(ならサッサと済ませてくれ)

≪オーケーなのでぇーす!クリエイトバレットは創作弾なのでぇーす!≫

(何かを作れる弾って事か?)

≪そうでぇーす!≫

(どう使う?)

≪木の箱を作りたければ、木の箱を想像して木を撃つだけでぇーす!≫

(どんな物でも作れるのか?)

≪何でもは無理でぇーす!姿形が単調な物しか作れませぇーん!≫

(分かった!もう引っ込んでいいぞ!)


「何かわかった?」

「あぁ、もしかしたら…風呂に似せた物を作れるかもしれん」

「ホントっ!?」

「作れるとは言ってないからな!期待はするなよ」

「拓真なら、きっと作ってくれる…はず」

「だから期待をするな!取り敢えず飯食ってギルドに行くぞ」

「……うん」


リズさんが用意してくれた朝飯を頂き、ギルドへ向かった。


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