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少女ジェシカ  作者: れあ
1/4

龍に取り憑かれた孤独の少女


かつて龍と人間が存在していた時代


人間による龍の不思議な魔力の研究により龍は絶滅した


龍の絶滅と引き換えに人間は魔法を手に入れる事が出来た


しかし、死んでも尚人間に恨みを持つ龍は者憑きとなり復讐を決断する


そんな時代の境目


戦争と言う言葉が産まれた時代。


ーーーーーーーー



「んぁっ…ん……」


あたしの名前はジェシカ


幼い頃から凶悪殺人者として恐れられてる


「はんッ…あッ…」


何故って?


あたしは気に入らない人間はみんな殺しちゃうから


「あん…あっ…。」


今ではあたしを殺せば、もの凄い大金が手に入るくらいの賞金首


そんなあたしのいつもの夜


「はぁっ…はぁっ…」


「どうしたジェシカ、もう降参か?」


薄暗い部屋であたしは、今日会ったばかりの男と絡み合う


「まだよ…」


毎日毎日違う男とヤってる


「――――ンあァっ!!!」


ただ自分の欲求を満たす為に…


「はぁ…はぁ…」


ついさっきあたしは、この男としょうもない勝負をしてた


「俺の勝ちだ、約束通り一週間俺の女になれよ」


「わかったわ」


ルールは簡単、先にイった方の負け。


ただそれだけ


あたしは負けたから一週間この男以外とヤれない


でも、そんな約束守らない。


良い男がいたら直ぐにヤる


それでコイツが邪魔してきたら、殺しちゃう


いつものあたし


「今夜のパーティー行くのか?」


名前を知らないパーティー


ヤクザ、マフィア、犯罪者、そんな感じの奴らしか来ない宴。


どんな凶悪犯でもそこなら普通に遊べる


「もちろんよ」


そこで良い男を探す


あたしの日課


自分で言うのも何だけど


あたしルックスやスタイルなんかには自信があるの


他人よりもずば抜けてね


 あたしは黒いセクシーなドレスを身にまとった。


「それじゃパーティーでね」


さっさと靴を履く


今夜のパーティーのドレスを探さなきゃ


「もうどっか行くのかよ」


当たり前よ


何時までもあなたに関わって居られない


事が終われば次の男狩りの用意に励むのがあたしなの


「えぇ、ちょっと買い物に行くわ」


お上品に扉をパタンと締め、部屋を後にする


どんな男の前でもセクシー且つお上品があたしのモットー


まぁ…時々崩れるけれどね。


『また今日も違う男とヤるのか?』


当たり前よ


この世の良い男は全部あたしのもの


なんて、ね


時々あたしの心に話かけてくる奴


龍のキメライナ


幼い頃出会ってからずっとあたしに憑いてる


その代わりに魔力を手に入れたんだけど


『俺はお前が寂しがってる様に見えて仕方ないのだが』


こんな風にあたしの事を何でも知ってる様な素振りばかり


あたしは寂しくなんて無いの


今を楽しんでいるだけ


いくら賞金首だって言っても、賞金稼ぎを仕事にしてる奴くらいしか、あたしの事なんて知らないからあたしは堂々と街を歩ける。


まぁ、あたしを狙ってきたら死ぬだけだけどね


あたしは賑やかな街並みを取りあえず適当に歩いた


ふとキラキラとしたドレスが目に入った


紫色で胸元が大きく開いていて


下半身は、前はギリギリまで短く


後ろはエレガントに床に擦りそうな程長い


それになんともこのキラキラ感が好き


今夜のドレスが決まったわ。


あたしはチリンチリンと美しく鳴る扉を開いた。


「いっらっしゃいませ。」


あたしが入ったのとほぼ同時にブスな店員が挨拶をしてきた


多分、世間一般には彼女は美人なのだろう


でもあたしの前ではどんな美人さえもあたしの引き立て役、結果ブスなのよ


店員があたしの顔をポカンとした間抜けな顔で見つめてる


あたしの美しさに驚いているのね、良く有る事だわ


「とてもお綺麗ですね。今日はどの様なお洋服をお探しですか?」


聞き飽きた言葉を添えてあたしに話かけてくる店員


もう欲しい物は決まってる


「あちらの紫のドレスが気になって、試着して良いかしら?」


「かしこまりました。用意致しますので、こちらへどうぞ」


あたしは言われた通り試着室に行き


店員が持ってきたドレスを身にまとう


綺麗…良い感じね…


自分で自分に見とれてしまいそう


チラッと値札を見てみる。27万ガルだ。


ふ~ん。結構高いのね。


指からちっちゃな火を出してドレスを汚さない様に値札を切り取ったら


あたしはそのまま堂々と店を出る


会計?しないわよ。お金無いもの


余りの堂々さにしばらく唖然とする店員


もしかしてあたしの美しさに見とれてるのかしら


あたしはそのまま余裕で店を出る


悠然と歩るくあたし


良いドレスが手に入って気分が良いわ


「お客様!!お客様!!」


気分良く歩いてるのに後ろから邪魔してくるブスが1人


「あら、何か御用かしら?」


用事なんて知ってるわよ。


だってお金払って無いもん


「すみませんが、そちらのドレスのお金をまだ頂いて無いのですが…」


申し訳無さそうに喋るブス店員


何であんたが謝るのよ、その申し訳無さそうな演技もムカつくわ


「そう言えばそうだったわね。わたくしの家が直ぐ近くなの、今の所持金じゃ少し不足してるから、あなた、付いて来て下さる?」


「かしこまりました、それでは御一緒致しますね」



ー数分後ー


あたしとブスは人気の無い路地に来ていた


「あの…御自宅はどちらでしょうか?」


不安になってきたのか


ブスが話かけてきた。


そうだ…優しいあたしは1回だけチャンスをあげよっ


「ねぇ、あなた。あたしこのドレス凄く気に入ったんだけど、タダでくれないかな?」


「えッ…それは…申し訳御座いませんが、出来ません。」


「そぅ…残念ねぇ…」


せっかくの生きるチャンスを無駄にするとは、馬鹿ね…


あたしはブスの左胸の前に手をかざす


面倒臭いから心臓を止めようかな


「何をする気ですか?」


危険を察知したのか、店員は両腕を胸の前でクロスに組み魔法で防御壁を作り上げた。


へぇ~、結構良い魔法使えるんだ


でもあたしの魔力の前ではその程度の防御壁は無意味。


あたしは指先に力を入れた。


「くぁッ…がはッ…」


ドサッという音と共にブスは倒れた


「はッ…はぅぁ…」


苦しそうにもがく店員


次第に目が虚ろになり、その体から生気という物が消えていく


あたしを鋭く睨んだままブスは死んでいく


そんな瞳であたしの事を見るんじゃ無いわよ


汚らわしい。


さっさとあたしはその場を後にする


さっきまでいた部屋に戻って


今夜のパーティーまで少し眠る事にしましょ。


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