夢の出るかいはシリアスな事が多い
すいません。 なんかあまり進みませんでした。
また、夢を見ていた。
最近よく見る。 今日見た夢はなんとなく覚えている。 夢の内容は少し珍しいかもしれない。 なんと、子供の頃の夢だ。 もう高校生にもなって幼稚園児の頃の夢だ。 夢の中の俺はただ母親と話したり遊んだりしているだけ。 普通の夢だろう。 でも、その夢を見ると、悲しみと後悔を感じる。
俺は寝ている間に流したであろう涙を拭きながら時計を見た。
そろそろ美沙紀が来ると思われる時間だ。
俺はそれを見て少し焦る。
美沙紀は俺が起きていると不機嫌になるのだ。
きっと起こすのも美沙紀の楽しみなんだろう。
俺は急いで横になると、寝たふりをした。
少し待つと、扉の開いた音が聞こえた。
美沙紀は俺のところまで歩いてくる。
「お兄ちゃん、朝だよ。 起きて」
美沙紀は少し俺を揺さぶるが、ここでなんとなく寝たふりを続けることにした。
「ふふっ、今日もぐっすり寝てる。 それに泣いてない⋯⋯よかった」
美沙紀はそう言うと、寝ている俺の上にそおっと乗ってきた。
それから肩に顔を埋めて深呼吸し始めた。
こ、これは兄弟なら普通なのだろうか? まぁ、もう少し様子を見てみよう。
「⋯⋯すぅ、はぁ。 お兄ちゃんの匂い⋯⋯。 お兄ちゃん⋯⋯大好き」
いつも美沙紀はこんなことをしているのだろうか? もしかして、これも兄妹なら普通なのか? それに、女の子特有のいい匂いがして少しドキドキする。
俺はなんにも考えないことにした。
すると、美沙紀は俺の上から降りて俺を揺すった。
「お兄ちゃん! 起きて!」
俺はバレないようにと心掛ける。
少しづつ瞼を開き、上を少し見てから美沙紀を見る。
「あぁ、美沙紀か⋯⋯。 おはよう」
棒読みにならないように気をつけて言った。
最近棒読みばかりだったからな。
美沙紀はいつもと変わらない微笑みを浮かべる。
「おはよう。 先に下で待ってるから早く来てね!」
美沙紀はそう言うと部屋から出ていった。
いつもと変わらないのが一番怖いんだが⋯⋯。
俺は身支度を済ませるとリビングに向かった。
着くと、美沙紀は既に座って待機していた。
俺も座ると、いつも通りご飯を食べて綾乃の家へ向かった。
綾乃を呼ぶと、学校に向かう。
すると、今日もきつい視線を感じた。
だが、昨日よりは耐えられるようになった。
これはきっと慣れてしまったからだろう。
だが、こんなことに慣れてしまってもちっとも嬉しく感じない。
俺は日に日に慣れていくのだろうか。
俺はそう思いながら遠い目をしていると、綾乃が怪訝そうな顔で見てきた。
「どうかした?」
「いや、大したことじゃない。 ⋯⋯この視線に慣れできたのがなんだかな」
「そう、なら良かったじゃない。 これから毎日視線を浴びるんだから、早く慣れておいて損はないじゃない」
「確かにそうなんだけどな⋯⋯はぁ」
「もっとシャキッとしなさいよ。 あなたは私の恋人役なんだから」
綾乃は少し頬を赤くしてそう言った。
確かに恋人が頼りないように見えるのは嫌だよな。 それに噂されたら嫌だしな。 ここはシャキッとしよう。
俺はそれから視線に耐えながら学校に着いた。
そして思う。
どうして朝からこんなに疲れなければいけないのか⋯⋯。
もう諦めるしかないのだが、それでもやりきれない思いが残る。
俺はとりあえず教室で不貞寝することにした。
そこに中津と正木がやってくる。
「けっ、どうしたリア充くん?」
「別に⋯⋯ただ疲れただけだ」
「なら迎えに行くのやめたら? 一緒に登校してるんでしょ?」
「確かにそうなんだが⋯⋯」
俺はそう言ってため息を吐いた。
その様子を見て中津が勘違いしたのかニヤニヤしながら見ている。
「もしかして振られそうになってるとか?」
「別にそんなことは無いけど、周りの視線がな⋯⋯」
「それはお前が悪いじゃねえかよ。 朝から一緒に登校してくる奴らなんかそんなにいねぇぞ? お前はそれに加えて星野さんだからな。 それが嫌なら別れちまえ」
それが出来るのならとっくにしてるわ!と叫びたい衝動を抑えて苦笑いをする。
でも、綾乃との会話は楽しい。 だから今の関係もそこまで嫌と言う訳では無い。
「まぁ、そのうち慣れるだろうから今は耐えることにする」
「美沙紀ちゃんは何も言ってこないのかい?」
正木は興味深そうに聞いてくる。
美沙紀か。 どうして二人は美沙紀のことをそんなに気にしてるんだろう? まぁ、今は置いておいて。
「美沙紀は何も言ってこないけど⋯⋯。 あ、でも朝は少し変だったな」
二人は驚いたあと、怯えたような表情をした。
「それは本当なのか? 美沙紀ちゃん最近変わったことはないか?」
「別にないと思うけど⋯⋯」
「やっぱり克也の言葉は信じられないな。 とりあえず星野さんを一人にするなよ」
「⋯⋯よく分からないけど、分かったよ」
それからチャイムがなり、授業が始まった。
俺たち三人はいたって普通の高校生だ。
だからしっかりと授業は聞くし、家で勉強もしている。
だから、授業中に雑談とか手紙を回したりはしないのだ。
まぁ、考え事とかはするが⋯⋯。
授業が4限目まで終わり、昼休みになった。
それから、利明はどうするのだろうかと悩む。
すると、中津と正木が来た。
「今日はどこで食うんだ? 教室? それとも屋上?」
中津がそう聞いて来た。
俺は少し悩んでから屋上に決めた。
「他のクラスのやつが一人いるし、屋上がいいな」
「そう言えば面白いやつがいるって言ってたな。 それじゃあいくか」
中津がそう言い、行こうとしたとき、綾乃と須磨彩香さんが近づいてきた。
須磨彩香さんはよく綾乃と一緒にいる人だ。
予想はついていると思うが、話したことはない。
同じクラスになったのは今回が初めてだ。
と言っても、去年同じクラスになっていたとしても、話す機会なんてなかっただろう。 それは、俺が普段中津と正木と一緒にいるからだろう。
俺たちはクラスで少しういている。
と言っても、少しだ。
クラスではグループみたいなのがあって、話しているのはだいたい同じグループの人同士だろう。 ⋯⋯綾乃を除いでが。
綾乃は誰とでも話すし、誰と話していても違和感がない。
まぁ、男子と女子のリア充グループ(偏見)に入ってるやつらもだが⋯⋯。
やつらが急に話に入ってきたりしても違和感はあまりない。
それに、入られた人達も「なんだコイツ、早くどっかに行ってくれないかな」なんていう考えにはなかなかならない。
リア充の雰囲気はリア充じゃないやつからしたら恐縮してしまう。
俺とは大違いだ。
俺と何が違うのかと聞かれたら、クラスのやつらの印象と、初めに話す相手を間違えたか間違えていないかだろう。
少し悔しいが、別に後悔している訳では無い。
まぁ、長ったらしい話だったが、何が言いたいかと言うと、リア充は誰と話してもあんまり問題はない。
須磨彩香はリア充グループに所属しているため、俺たちにいきなり話かけてもあまり問題はないのだ。
そう思っていると、綾乃が話しかけてきた。
「克也くん、私たちも混ざっていい?」
俺は中津と正木にどうする? みたいな視線を向けた。
すると、中津はブンブンと頭を縦に振った。
「もちろんいいっすよ。 な?正木。 ⋯⋯克也は聞かなくてもいいか」
「僕はいいと思うよ。 賑やかになるのはいいしね」
「そう? 良かった」
綾乃は笑顔でそう言った。
その笑顔を見た中津は満足そうだ。
⋯⋯もう恋人役中津でいいんじゃね? と思いつつも彩香に目を向けた。
「そうだね⋯⋯私はいきなり綾乃に連れられてね。 私もよろしく」
彩香とは仲良くなれそうな気がする。
疲れたような笑みは分かる人なら分かるだろう。 俺もわかる人だ。
まぁ、本人もあまり嫌そうには見えないし、問題はないのどろうが。
「よし、じゃあみんなは先に行っといてくれ。 俺はもう一人連れてくるから」
「わかった、楽しみにしてるぜ」
「おうよー」
中津がそう言うと、4人は屋上に向かった。
綾乃達も屋上にいくのがわかってるのは、少し会話を聞いていたんだろう。
それと、昨日綾乃に話たのもある。
俺は2組の教室に行く。
ついて教室を見渡すと、窓際に利明はいた。
コンビニ袋を持って何か悩んでいる。
その様子を少し眺めていると、利明がこっちを向いて微笑みながら来た。
なんか少し犬を連想させる。
でも、可愛いわけではない。
「克也さん、来たんですか。 今日も屋上行きますか?」
「うん、今日は俺の友達がいるから、利明を紹介するぜ」
すると、利明は少し怯えた様子だ。
まだ悪友って言ったのを覚えているんだろうか?
「大丈夫。 いい奴らだから、安心しろって」
「最初はみんなそう言うんですよ」
「⋯⋯おい、一体誰が言うんだよ。 まぁ、みんな待ってるし行こうぜ。 いい奴らだし、安心しろって」
「分かりましたよ⋯⋯」
利明は渋々といった様子で頷いた。
俺はそんな様子に苦笑すると、利明と一緒に屋上に向かった。
次は5千ちゃんと行きます!