人物設定(3)
相馬 紘子
武生たち兄弟の母。四朗曰「お母さまってかんじより、母ちゃんって感じ」しっかり者で、「思い立ったら即行動」というタイプ。でも、ちょっと抜けてるところも多いようだ。
しっかり者の武生が、自分のしたいことをしている今を微笑ましく思っており、「なんとか力になってやりたい」と考えている。
菊子について「‥男の人って追われると逃げたくなるって言うじゃない? 」とアドバイスしているが、どうも聞き入れてもらえている感は無い様。一緒に恋バナをしたりするほど仲良しだが、礼儀作法には厳しい。
ワンボックスカーに乗って買い物に出かけ、週末は貸農園で農業に勤しむパワフル母さん。
趣味はドライブ(運転する方)と週末農園。庭は、こじんまりした純日本庭園で、庭に週末農園っぽいものを持ち込むのは彼女のポリシーに反するらしい。
料理は苦手で、得意料理は鍋料理。鍋を仕切るのは鍋奉行である相馬三郎(武生父)で、実質彼女は何もしない。
「材料(野菜)のおいしさを引き出すのは、鍋が一番」が口癖で、冬は連日鍋が通常運転。一方、凝り性なところもあり、スライサーにはまった時は、毎日ボール一杯分のキャベツをスライスした。
「菊子も、お菓子なんか作ってないで、ご飯を作ってくれたらいいのに。早く息子たちに料理の上手なお嫁さんが来てくれたらいいのに」
と夢見る日々。博史が料理上手なのを聞いて「菊子と結婚して、相馬に来てくれないかしら。‥苗字は相生でもいいから」と、結構本気に願っている。‥どういう判断基準だ。
西遠寺 楓
桜の妹。病弱で幼くして病死した。前向きで、優しくて明るい桜たち兄妹の最愛の妹。
その強い愛情は、彼女の死後、上の姉である蕗子に
「生まれ変わらせてあげたい」
という思いを抱かせる。
しかし、駆け落ちして家出した蕗子は、その愛情が「西遠寺」という閉じこもった世界の中の唯一の救いの象徴だったと気づき、そっくりに産まれてきた紅葉を彼女の生まれ変わりだと思わず、紅葉として愛情を注いできた。
しかし、同時に西遠家を飛び出し、妹の桜を犠牲にした自責の念は常に心に残り、紅葉の「西遠寺の跡取りになりたい」という思いに戸惑っている。あの家に関わることには、反対。だけど、紅葉が願うなら‥と思う気持ちが半分。桜に合わす顔がないという思いから、桜に会えずにいる。(実は、対面の機会があった際も、桜には会っていない)
桜は、自由で朗らかな楓の中に自分の理想を重ねており、楓の死後「自分の心の中にいる」「楓像」である臣霊「楓」を作った。桜は、心に空いた穴を埋める様に臣霊「楓」に愛情の総てを注ぎ、また臣霊「楓」からの信頼を得て、臣霊「楓」は桜の守護臣霊になり、のちの四朗になる。
臣霊としての「楓」は、スペックも能力も桜の臣霊の中で最高峰であったらしいが、臣霊の核である「執着」を桜がうっかり封じてしまったため、アイデンティティを欠き、それを探し求める「(みんなが言うところの)根暗な四朗君」になってしまった。
紆余曲折の後、四朗君は「失われた人からもらったスキルなんてあてにしないで自分で頑張っていく」という方向にシフトチェンジしている最中。
「恋愛感情を持たない」「性別が無い」という臣霊「楓」の設定だけは、記憶が消えても消えなかったらしく、多分今後も恋愛には無縁な人生を送っていくだろうと思われる。(今後、四朗君は恋愛感情が無いことについても、達観して「まあいいか」の感情に移行していく‥のか? )
田中
四朗のクラスメイト。祖父が四朗の祖父(実際は曾祖父だった)を知っていたことをきっかけに四朗に興味を持ち始めた。
地味で普通の人であることが以前はちょっと物足りなかった。偶然祖父に聞いた「四朗君たち情報」で、注目を‥と考えていたが、四朗と親しくなったことで、「自分だけの秘密でいい」と考えが変わった。
時々、深いことをさらっと言ってのけるが、本人にその自覚はない。
四朗のことは、「友達なんていうのは、ちょっとおこがましい気もするけど、困ってるときは支えてあげたいな」というスタンスで付き合っていきたいと思っている。
「みかん事件」以降、一部の女子に羨望と嫉妬の視線を向けられているが、そのことについては気付いていない。
明るく、素朴で優しい普通の人。
理想のタイプも、「一生懸命で素直な子。料理が上手な子がいいな」という超普通な男子。
そういえば、名前はきっとこれからも出てこない。
痩せてもいないし、太ってもいない、標準的な体格をしている。身長は少し低め。
成績は意外とよく、いつも上位50人に入っている。どの教科もまんべんなく出来るが、特に好きなのは理科。
卓球部に所属している。
池谷
四朗のクラスメイト。面白いことが大好きの普通の男子。人の悪口をいうのや人の意見に迎合することが嫌いで、田中や佐藤といった、特に癖もなく、友人も多くないタイプの男子と一緒にいることを好む。四朗は「見てて面白い」。
女子に対しては、ぐいぐい行くタイプではないし、ぐいぐい来られるのもちょっと‥というタイプ。そんな淡泊な池谷から見ても「四朗君の人の視線を気にしない様子は、ちょっと異常‥」
人の事をあれこれ詮索するタイプでもないし、自分のことをペラペラしゃべるタイプでもない。
ちょっと長め(女子のショートカット程度)の髪型は「美容師見習の姉ちゃんにいつも切られる」らしく、こまめにカットされている。「姉ちゃんが「四朗君の髪の毛をカットしてみたい」というが、そんなこと四朗君に頼みたくない‥。失敗しても四朗君は怒らないだろうけど、女子が怖そう」と、実は人並みのデリカシーやら危機感を持ち合わせている。
理想の女子のタイプは「明るくって、人の悪口なんて絶対言わなくって、一緒にいて楽しい子」であるらしい。
ちょっと釣り目で、二っと笑うと八重歯が可愛い少年顔。背は、田中よりちょっと高い位。痩せ型。成績は、中の下。算数は好きだけど、世界史(選択教科)と英語が苦手。
部活動には入っていないが、小学の頃から習っている習字は、いろいろな大会で賞を取る程の腕前。「将来は習字の先生になるのもいいかも」と割と本気で思っている。
佐藤
田中曰「そんなに親しくない」田中の友人。何でも分析してしまうのが癖。田中より身長が低く、ちょっと太め。(肥満という程ではない)
静かな口調で、騒がしくすることは皆無な「物静かな優等生タイプ」。気付けば何となく池谷や田中といるが、休日に会ったりはしないらしい。勉強が出来る様に見られがちだが、中の上位。
得意な科目は、国語(古典。漢文)と日本史。暗記が得意で、世界史や生物などといったそれほど興味の無い教科は取り敢えず暗記してしまう。苦手な教科は、数学と音楽「多分、リズム感が無いんだと思う。音楽は勿論の事ながら、数学の解き方とかの閃きだとかそういうのって、リズムだよね」という彼の持論はしかしながら、共感者はいない。理論的だが、平面的な考え方をしてしまう彼は、地図を読むのが苦手な典型的な「女性脳」。
話している相手のことや、その場で分析することはあっても、陰で悪口を言ったり絶対にしないところが池谷が気に入っているところ。分析は好きだけど、そのことで他の誰かと意見を交換することや、自分の意見を共有することには興味がない。
佐藤的に自分を分析すると「毒にも薬にもならないタイプ」
趣味は読書(歴史小説)と、ラジコンヘリで、休日は一人で広場で飛ばすのが楽しみ。目下の悩みは、「ラジコンヘリを飛ばせるところが減った」ということ。
四朗様親衛隊に入っているらしい妹は、兄が四朗と友達だということに今まで気付かなかったが、四朗様会報により修学旅行の班が同じだということを知り、兄をにわかに尊敬し始めた。