着替えたスーツ
正直な話、ローズマリーのような格好悪いガイノイドを売ろうと考えた東京本社営業部は何を考えているかと美由紀は思っていた。姉が負傷し父が連れ去られた今、何かしないといけないと考えた彼女は聖美に戦闘用スーツ「ジャンヌ」に着替えてもらうことにした。
美由紀は父にも内緒に警察向けに試作されたスーツを収納しているボックスの解除コードを調べていたのだ。
「お嬢さん、そんなことをしてもいいのですか? 」
「今は非常事態です! 早く美咲先輩も見つけないといけないし、父さんも助け出さないといけない。とりあえず父さんは苫米地さんに任せて、私たちは美咲先輩を探しましょう」
「警察や自衛隊が動いているのですから大人していればいいのに、わざわざ危険な目に遭うようなことをしなくてもいいでしょう! 」
「でも父さんを連れ去ったのは自衛隊でしょ? ピンク・ジラフの襲撃といい、何か裏があるに違いないわ。聖美さんの着替え手伝ってあげて」
そんな言い合いがあったが、美由紀に押し切られる形で東京本社ショールームの着替え担当はしぶしぶ応じた。
「まったく、お嬢さんには叶わないな。それにしても何で解除コードをしっているんだよ? あのコードを示されると社長の命令と一緒だから従わなければいけないのに」
そうブツブツ言いながら、聖美の着替えを始めた。ますローズマリーの機ぐるみを脱がし、インナースーツ姿に戻した上でジャンヌの機ぐるみを着せた。こっちの機ぐるみは警察の特殊部隊が使うことを想定したものであったが、何故か女性タイプがあった。これって社長の趣味?
ジャンヌに着替えた聖美は大変感動していた。さっきまで来ていたガラクタに比べ格好よかったからだ。さっきまでは罰ゲームみたいだったのに今は力がみなぎっているのだ。まるで子供の時に見た宇宙戦士のようだった。
「聖美さん、これから美咲先輩を探しに行きましょう」といって、美由紀は別の男を携帯タブレットで呼び出していた。




