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早く逃げて、エリカいや美咲さん

 薫は非常階段を急いで駆け下りていった。途中でアンドロイド軍団を振り切って別の止まったエスカレーターをかけていた。途中の階ではアンドロイドによる略奪行為が行われていたが、いづれも高価な商品ばかりで日用品のようなものは手付かずだった。これはピンク・ジラフの手口として有名で盗まれそうに無い商品棚の影にジャイアント・カメラの店員などが隠れていた。


 「そこのお嬢さん! 逃げていたら危ないから奴らがいなくなるまでここで隠れなさい! 」と何人もの人に呼び止められたが、薫は聞く耳を持たなかった。地下にいる美咲と聖美に危害が加えられる前に間に合うようにと向かっていたのだ。


 おそらく今までの事例からすると、ピンク・ジラフは二人が着ている機ぐるみを狙うだろう。特にエリカのほうは父が急いで回収しようとしていることを考えると何か重大な秘密があるに違いない。はやく行って二人と一緒に店外に逃げよう。そうすれば外に警官隊がいるはずだから保護してもらおう。と思っていた。


 階段を駆け下りながら薫は息を切らせていた。こんな時にエリカのパワードスーツを着ていれば、ピンク・ジラフのアンドロイドなんか敵じゃなかったのにと思いながら今は逃げるしかなかった。早く地下に行って一緒に逃げなければ二人とも捕まってしまう! 


 一応、ピンク・ジラフは「人を殺さない」という主義があると主張しているが、襲撃された世界各国の施設ではわざとでないにしても怪我人が出ることもすくなくなかった。先週発生した上海高度先端科技集団の研究所襲撃事件では、アンドロイド集団との銃撃戦で警察官に多数の負傷者を出している。そのため彼女らの正体は盗賊もしくは強盗団という指摘もある。ただ抵抗しなければ危害を加えることもないのも事実ではあるが。


 薫は、あちらこちらの壁に身体をぶつけたり転がったりして、ようやく地下の倉庫にたどり着いた。その時彼女の服はあちらこちらが破れたり汚れたりした上、髪もボロボロで手足もすり傷だらけだった。その様子に美咲と聖美はタダならぬ事態が起きていることが判った。


 「早く逃げて! エリカいや美咲さんと聖美さん! ピンク・ジラフの連中に襲撃されているのよ! このままじゃ、あなたらガイノイドとして捕まってしまうわ! 上のブースのガイノイドが全てやられたわ! 」と言った。


 一応、サイバーテックの社則には、強盗などにあった場合、他に取るべき手段が無いやもうを得ない時には、相手の要求を受け入れるか、可能ならば持ち場を放棄しても構わないとあった。商品が奪われるのは仕方ないが、自身の生命を優先しても責任は問わないというわけだった。しかし、機ぐるみの中にはバイトと派遣されてきた店員がいる!彼女らも逃げないといけない!


 「こうなるなら、あなた達が自力で機ぐるみを脱げるようなレベル1の装着方法にしておけばよかった。もう間に合わないし。取りあえず時間稼ぎに地下の在庫品を収めている倉庫の扉は開けておきましょう。とにかく三人で逃げましょう」といって、薫はわざと扉を開けたままにして、美咲と聖美と一緒に従業員用階段を上がり始めた。


 美咲は今朝見た夢のように自分が捕まるのではないかと恐れていた。もし捕まったらピンク・ジラフで一生ガイノイドとして過ごさないといけないのかと考えていた。一方の聖美もこの先どうなるだろうか心配していた。


 全身傷や汚れだらけの薫は、もしアンドロイド軍団が襲ってきたら応戦しようと思い鉄パイプを持っていたが、気休めに過ぎなかった。さっきも考えたが自宅にあるパワードスーツがあれば二人を逃がすことが出来たのにと悔やんでいたが、まさかここで襲撃されるとは考えられなかったので仕方なかった。


 ようやく、地上にある従業員用出入り口の前まで来たところで恐ろしいことに気付いた。前後が窃盗アンドロイドによって挟み撃ちになっていたのだ。

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