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薫の思惑

 ピンク・ジラフの襲撃を受ける直前、薫は父からよくわからない電話を受けていた。理由は教えてもらえなかったが、とにかく美咲が着ている機ぐるみを脱がしなさいというものだった。何故だろうと考えていると、その機ぐるみを着た美咲の視線を感じた。薫は自分がタンクトップにパンティという下着姿のままということに気付いた。どうも自宅の感覚で眠っていたようだ。


 社会人としては、あまりにも恥ずかしい姿である。顔を赤らめて急いでサイバーテックの制服に着替えた薫は美咲に事の次第を話し始めた。


 「父の話によると、美咲さんが今着用しているエリカの着ぐるみに問題があるので、装着装置を扱える技士と代わりのガイノイドを連れてくるので、脱いでもらいたいということです。今後の予定までは決まっていませんが、取り合えず今日はブースの開店時間が遅くなっても構わないそうです。だから美咲さんには悪いけど機ぐるみを脱いでください。お願いします」といった。


 薫は父がわざわざ来てまで機ぐるみを押さえる理由があるのかが、思いつかなかったが、取り合えず美咲を機ぐるみから解放できることに満足だった。薫が美咲の素顔を見たのは昨日が初めてだったが、美由紀に美咲の画像を見せてもらっていた。彼女を見て薫は同性から見ても嫉妬するほどの美人でスレンダーな体つきだった。薫と美由紀の姉妹がグラマーな体型なのでうらやましかった。


 そこで薫は、今日の予定を考えていた。取り合えず父がガイノイドを連れてきてくれるということだから、美咲さんが機ぐるみを脱いだら取り合えずシャワーを浴びてきてもらって、妹の為に用意したけど使っていないサイバーテックの制服を着てもらおう。そして綺麗にメイクしてあげてブースの呼び込みをしてもらおう。そうすれば昨日負けたアルテミス・テクノロジーのベテラン販売員をギャフンといわせ事が出来るかもしれない。などと思っていた。


 一方、美咲は機ぐるみを脱がないといけないことが残念に思っていた。折角三日間も機ぐるみに入れると思ったのに、二日で終了といわれたからだ。先週着た機ぐるみは体温調整機能が不調で、一日が終わると汗だくになってしまっていた。これじゃいけないということで新しいエリカの機ぐるみを着たのが昨日のことだった。


 昨日から売り場責任者が交代したので、美咲は昨日初めて薫にあったが、まだ彼女の事はよくわからなかった。ただ、美由紀と姉妹なので顔が良く似ていたが性格は相当違うようだった。そのため、素顔をさらして一緒に仕事をすることに不安もあった。


 それはさておき、薫は準備をし始めた。美咲のメイクをするための化粧品を出し、今日の販売計画書を書き直し始めた。そして上のブースに資料を取りに行った。その間、美咲と聖美は「朝食」を取っていた。今、二人は機械娘の状態なので流動食をストローで取るしかなかった。


 美咲は昨日、フェイスガードを外す方法を教えてもらったが、外して普通の食事を取ると聖美に悪いので、機械娘のままでいた。


 薫はブースで資料を集めていた。今日はアルテミス・テクノロジーの機ぐるみ販売員だけは負けないぞと思っていた。彼女らはベテランなので五十歳近い歳だった。いくら体型は若い娘に近くても顔はウソはつかないはずだが、機ぐるみを着てしまえば年齢はごまかせる。だから経験で負けたのだ。


 でも今日は、現役美人女子大生の美咲が素顔でブースに立つのだ。彼女を見てブースに来てくれたら、うちの製品の方が良いに決まっているので、顧客になってくれるかもしれないと期待していた。「早く営業開始できたらいいなあ。今日は楽しみだ」といっていた。


 だが、この時ピンク・ジラフの襲撃が始まった。薫はなんとかブースの商品を守ろうとしたが、相手は多数のアンドロイド。強盗を押さえ込むための猿股で応戦するのは無理だった。あまりの勢いで押し込んできたので逃げるのがやっとだった。


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