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自衛隊攻撃用パワードスーツて何?

 川崎にあるサイバーテック発送センターを出た江藤社長を乗せたワゴンは、途中野間の代わりの三村技士を乗せて、美咲が着ている機ぐるみと交代させるガイノイドを載せるために、新宿にあるサイバーテックショールームに向かっていた。


 この時、江藤社長は今回のことが強烈に不満だった。昨日の夕方たまたま発送センターに顔を出したら、スタッフがあわただしく駆けずり回っていたので理由を聞くと、自衛隊に納入するはずの攻撃用パワードスーツのソフトと、それに対応したウェアが到着していないというじゃないか。おかげで一晩中配送センターで仮眠する破目になった。


 仕事にトラブルがつきものだし、おかげで真夏で行きたくも無い接待ゴルフをキャンセルすることができたが、社長である自分も役員も自衛隊用の攻撃用パワードスーツの事をしらされていなかったのが頭にきていた。サイバーテックもここまで巨大企業に成長すると全部の業務を把握できないにしても、いつの間に防衛関係の契約が行われていたのは、どういうことか不思議であった。


 無論、自衛隊にアンドロイドやガイノイドを納めたこともあるし、広報活動用の機ぐるみも納入している。ただパワードスーツだけはアメリカ企業が先に防衛省と契約しているので、攻撃用というか軍事用というか、そのような戦闘マシーンを受注したことは無かったはずだ。


 しかも、自衛隊向けなら数が少なくても自社のトラックを走らせるはずなのに、なぜ外部の機械託送便で送ろうとしたのか、おかしかった。そう考えたところで江藤社長は恐ろしい答えを出した。


 それを確かめるために三村技士に「君、ちょっと聞きたいが、最近社内の開発部に防衛省の職員らしきものが出入りしている、という噂は聞いたことはないか? 」と聞いたら、「社長、ここだけの話ですがパワードスーツ事業部川崎ラボで制式採用される見込みの無い女性用戦闘用パワードスーツを秘密裏に開発しているのじゃないかという噂があります。しかも現職の自衛隊戦術兵器研究所の職員との共同開発で。わたしは社長直々の指示と思っていたので問題ないということでした」と、不思議そうな顔をしていた。


 どうも江藤社長が思っていたことが起きていたようだった。自衛隊の何者かがサイバーテックの技術者と共謀して戦闘用パワードスーツの研究開発を秘密裏で推し進めている様子だった。しかも社長の私を差し置いて! 


 社長が問題の機ぐるみで知っている事といえば、頭部に戦闘指揮用演算装置、胸部に高エネルギー反応炉があるということであったが、他にも”軍事用”の装備があるとのことだった。自衛隊に納入するパワードスーツにしては前例のないぐらい戦闘能力があるようだった。取り合えず回収した後で関係者を尋問しなければならないと思ったところであった。


 社長は「三村君、わたしがそんな恐ろしい指示を与えると思っていたのかね? いくらなんでも官庁向けの製品開発をするのに役員会にかけないはずはないどろう? だいたい戦争を引き起こしかねない製品の開発は許可を出さないぞ」といった。


 新宿で販売促進用ガイノイド三体をピックアップし。ワゴンはジャイアント・カメラ東京中央店に向けて走っていた。朝のラッシュ時であるためあまり動きはよくなかったが、数百メートルの地点まで来て大渋滞につかまった。この時イヤホンでラジオを聴いていた運転手が叫んだ。


 「社長、大変です。ジャイアント・カメラがピンク・ジラフと思われる一団の襲撃を受けているようです。それが原因の渋滞のようです」江藤社長は薫のことが心配でならなかった。そのため社長は運転手に「悪いが、私はここで降りて歩いていく。後で追っかけてくれ」といって、野次馬を押しのけながら歩き始めた。

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