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機ぐるみの女の子が連れさらわれてしまった  作者: ジャン・幸田
今日も一日頑張りましょう!
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エリカの”機ぐるみ”着た事があるの

 サイバーテックの原点が”機ぐるみ”だったのは社会的に広く知られた事実だった。元々創業者の江藤英樹が趣味で受注していたのが、それに興味をもった技術者によるサイバーロイド技術と融合して爆発的にアンドロイドやガイノイドが売れたからだ。


 いまでは家庭用だけではなく、老朽化したり事故を起こした核分裂型原子炉の炉心解体作業などに従事する産業用や、危険な災害派遣や地雷除去や紛争地域の治安維持などに用いる防衛用といった様々な分野のアンドロイドが販売されている。現在では、アンドロイドやガイノイドに様々な企業が参入しているが、多くの特許を持っているサイバーテックが最大のシェアを持っていた。


 そんなアンドロイドやガイノイドを人が着れるようにした機ぐるみは今も販売しているが、現在の主力はパワードスーツ型であった。機ぐるみはコスプレ用や販売促進用にしか使えないが、パワードスーツ型は汎用性が高いので需要があった。特に国際的には紛争地域で無人攻撃型兵器の使用を禁止するという不文律があるので、歩兵が着用する重装備パワードスーツを求める各国政府の声があった。


 実際、エリカの設計のうち、生命維持装置は防衛用パワードスーツのそれを流用していた。そのためある程度の装備を追加すれば防衛用としても通用するほどの性能があった。


 その日、薫、美咲、聖美の三人は地下の「女子用機械宿泊所」に宿泊することになった。ここは四畳半の広さしかなく”機械娘”二人と”生身の女性”二人の四人が泊まれるようになっていた。機械娘とは機ぐるみを着た女性のことであるが、時々出荷予定のガイノイドを一時的に保管する時も使ったりするのでこの名称になっている。


 薫は備え付けの布団を用意したが、機ぐるみ姿の二人はベットに入ったが、そこはカプセルホテルの寝室のようになっており、表から入って蓋ができるようになっていた。そして内部には機ぐるみの外骨格が傷つかないように柔らかいフェルトのような素材が分厚く貼り付けられていた。完全に物扱いだった。


 薫はテレビをつけたが、いま話題になっている国際的窃盗団”ピンク・ジラフ”の特集をしていた。なんでも美術品や宝飾品のほかハイテク製品まで盗む窃盗団で、盗みに高度に自動化した機械を使うことで有名だった。この特集では先週発生した上海高度先端科技集団の研究所襲撃事件についてであった。なんでも、自動窃盗アンドロイド百体に襲われたということだった。


 「アンドロイドをこんな事に使われたら、アンドロイドやガイノイドの評判が落ちてしまうからやめてほしいなあ」といって薫はすぐテレビを切ってしまった。明日は午後8時に起床して午後10時半の開店にむけて準備しましょうといった。すると薫は自分の機ぐるみ体験を話し出した。


 「私も美咲さんが今着ているエリカの機ぐるみを持っているのよ。性能実証用なので外観はボロボロだけどね。いま自宅にあるけど妹が欲しいといっているけどね。社長である父の命令でその機ぐるみを着て三ヶ月過ごせと言われたことがあるの。その間シフト通りに出勤しろといわれて。パワードスーツの長期間着用実証実験の一環だったけど、社員ではなく娘だから無理なことを言われたのだと思う」といった。薫も機ぐるみを着たことがあったのだ、しかも三ヶ月もということに二人は驚いていた。

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