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機ぐるみの女の子が連れさらわれてしまった  作者: ジャン・幸田
今日も一日頑張りましょう!
14/39

本日の受付は終了します

 美由紀の職場体験は午後5時で終了だが、真実と二人でブース裏で職場体験報告書を書いていた。美由紀が通う高校は理工系なのでメーカーやその系列の職場を一週間通うことになっていたが、美由紀の場合親のコネで”ジャイアント・カメラ”のブースに来ていた。一方の真美は来週から別の企業に行くことになっていた。ただ今は夏休み期間中なので真美は暇なのでここにきていた。


 実は美由紀も真実も成績はそこそこでなので、希望すれば系列の美咲が通う大学に大きな問題が起きなければ進学できるのは確定的なので、高校生活をどっちかといえば楽しんでいる状態だった。その様子を見た薫は半ば切れかかっていたが、怒ってしまうと自分のキャリアに傷が付くので我慢していた。


 薫は十歳も年下の妹の美由紀のことが心配であり、よく怒ってしまうこともしばしばなのに、それでもなお自分のそばにいようとする妹が愛おしかった。もっとも、今は仕事の邪魔になっているので「高校生のお嬢さんたち、夏休みの宿題が出来たらお家に帰ってご飯食べましょうね」と厭味を言って追い出そうとしていたが。


 「ジャイアント・カメラ」の営業時間は午後10時までだが、テナント扱いのガイノイド売り場は午後8時で受付は終了である。後は自動問い合わせシステムを稼動させ、”人間”の店員は退出することになっていた。


 そのため、問題になるのは機ぐるみを着た二人だ。今は”機械”だからだ。ただ労働時間が長時間におよび残業が発生しているので本当は残すわけにはいけなかった。そのため、稼動可能な”本物の”ガイノイドを残す予定だったが、稼動するはずの”プリス”が野村の努力も空しく稼動しなかった。


 「本社もいくら私が成績を残さなくても問題ないと思っているからといっても、動かないガイノイドを遣してどうするのよ! 明日、一番で動く奴を持ってきて欲しいものよ! 」と薫は怒っていた。それでしかたがないので美咲と聖美のどちらかを残すことになった。


 本来なら二人の機ぐるみは営業時間が終わったら、脱がせて人間に戻した上で帰宅してもらうはずだったが、あいにく担当者の野間は愛媛の山奥にいってしまたので、脱がせるのはあさってのことだった。いくら機ぐるみは連続着用一ヶ月は大丈夫でも若い女を機械の姿にしているのも問題だった。


 最初、薫は聖美にしてもらおうと思っていたが、ジャイアント・カメラの店長が急遽イベントに出てくれといわれたので、しかたなく美咲が残ることになった。「美咲さん、あなたには悪いけどブースの中でお客さんが来たらお相手してあげてね。台詞はいつものようにエリカの自動応答機能が言うので、あなたはある程度指示のように動いてあげてね。一応、私は帰ったことにするけどブースの裏にいるから、何か問題が起きたら対応するね」といって、タイムカードだけ切ってブースの裏に引っ込んでしまった。


 夏のボーナスセールの最中とはいえ、平日で悪天候で来客数も極端に少ない状態では、ブースを訪れる客はいないはずだった。しかし午後9時になってから変な客が来た。彼は”エリカの機ぐるみが欲しい”というのだ。

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