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プロローグ

 大きな木を囲んで、子供たちが遊んでいる。

 年の頃はまちまちであるが、皆一様に白地に茶色の襟のついたシャツと茶色のズボンを身につけている。よくよく見れば、華奢な子や大人しそうな子、髪の長い子もいるが全員が男の子であるらしかった。

 不意に、大きな鐘の音が鳴り響く。

 がらんがらんと、古びたようなしかして力強いその音を聞くと、子供たちは皆が皆はっとして一方向へ走りだした。見れば、子供たちの走っていく先には突き出た尖塔が特徴的な建造物が、周囲の家々とは少し離れてぽつんとひとつ建っている。真白な壁と色あせた真黒な屋根を持つその建物の尖塔は鐘楼になっているらしく、先程から響く鐘の音はここから聞こえていた。

 鐘の音が止む頃には、子供たちは皆建造物の中へ消えていた。次いで讃美歌だろうか、美しい歌声が風に乗って聞こえてくる。


ひかりのなかにおわします

われらがちちにしてはは

そのほほえみは

ほしにつきにたいように

ひかりとともにわれらにそそぎ

われらをいかしたまいます


 変声期前の少年の、柔らかく伸びやかで良く響く歌声が夕暮れの街に満ちていく。人々はそれを聞きながら、夕べの仕事にとりかかるのだった。

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