表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

宝石箱屋さん

作者: GRIME featuring[竺麻]

「キミは、どんな石がぁ、好きかな?」


真っ黒なコートを着た、ボクのお父さんと同じくらいの歳だと思う、男の人がボクの手に乗った石を見つめてから、ボクの頭に手を乗せてキいてきた。

コートについてるフードを被ってて、おじさんの顔は見えなかった。


「少年や、ワタシを見て、そこらに落ちている石を連想をしてはくれないかな?」


おじさんは背が高くて、見上げているとボクは首が痛くなる。

それと、何かよくわからない言葉を言ってる。でも、何か頼んでるような言い方だから…………。


「キミは、石を集めているのかな……? 集めて何か面白いことはあるのかな? 良いことは起こるのかな? それで、良いことが起これば、性善説を語り、この世で稼ぎに機能させるのかな?」


石をぎゅっと握って胸に当てる。


「石というのには、様々な種類があるんだ、知っているかい? キミは、それを知っているかい?」


中途半端にしか意味は分かっていないけど、たぶん、おじさんの問いには『ううん』がもっともな言葉だと思って、そう言った。


「石っていうのは、宇宙というところから降ってきて、その途中に大気圏突入により削られ」


ボクの手の方に手を伸ばしてくる。

引っ張って、手の中にあったボクの石をとった。

何か、体の何かが抜き取られたような感じがした。


「この石っころのように小さくなるんだ。解るかい?」


手を伸ばして、おじさんから取り戻そうとしてみた、石を。

でも、とれなかった。


「キミは、この石にーーたったさっき拾ったばかりの石に執着心があって取ろうとしてるのかな?」


ーー「じゃあ、この中からちゃんと探して見ろよ」


ジッケンするみたいな言い方で、ボクは、ウザって、思った。

おじさんは両手のひらに皆そっくりの石を十個乗せていた。全部ボクから取った石に似ている。

手で探そうとしてみる。


「石、というのは時に人間の感情をてらして扱うことがあるときがある。そんなとき、意志と言い換えるのはまた面白味のあることだが、不満に思ったりする、ワタシは」


あっそ。どうでもいいよ、ボクには。理解できないよ、ボクには。

目がなんでかかすむ。


「キミは、どんな石がぁ、好きかな?」


んー、さっきキいたよ。

また目がかすんで、石の姿が見えにくくなったりする。


「キミは、なんで、石を拾ったんだい?」


知らないよ。


「さあ、選び給え。さあ、ワタシを信じ給え」


早く返してよ。

何であなたはボクから石をとったんだよ。

ボクは、おじさんが何を言おうと今回は手を止めずとりあえず石はとってやるというつもりで手を伸ばした。


「このタイミング、そのタイミング。キミは、皮肉っている」


「ハハ、必然は必然だ。偶然も必然だ。キミが取った石は、さっきワタシが取った石である。キミからね。全く同じ石で、キミはさっきと同じ、意志で、それがどんなことかは、解るかな?」


「石とは、人の心を表現するために使われるときが時にある」


「ワタシにしてみれば、人間の意志というのは、目に見えないことはあるが、一種の宝石だと思うよ。どういうことか、解るかい?」


つまり、キミの意志がそれであるというわけだよ。石、ね。

性急に話すよ、その石は、キミの石をテらしたもの、何だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ