ここまでの登場人物紹介
なにやらとても登場人物が増えましたので、これまでに出てきたメンバー紹介です。
ここまで読んでいない方にとっては盛大なネタバレになりますので、ご注意ください。
【暗黒都市 Vice Splendeur】
■ 女王陛下 No name
暗黒都市の頂点に君臨する女王。絢爛な衣装をまとった美しい魔物であるらしい。
■ シャルロ・ド・ユニヴェール Charlot de Univers (1184 - 1215 - )
南フランスの片田舎、パーテルに棲む吸血鬼。
かつては人間であり、名門貴族ユニヴェール家の当主としてフランス王フィリップ2世に仕え、かつクルースニクとして教皇インノケンティウス3世に仕えた。
ヴァチカンではデュランダルに配属され、ソテールの下、副隊長を務めていた。しかしユニヴェール一族を皆殺しにするという事件を起こし、フランスにて毒殺される。享年31。
破門されたまま死んだので、吸血鬼として復活。力を求め続けたユニヴェール家の最高傑作となる。
「吸血鬼あるある」はだいたい当てはまらない。
女王陛下に求婚されたことがあるが、丁重にお断り申し上げた。
暗黒都市の上位組織「オンズ」の一員で、子爵。
ユニヴェール家の紋章は黒い蝶カラスアゲハ。
■ パルティータ・インフィーネ Partita Infine (1466- )
本名、パルティータ・デ・コンティ・ディ・セーニ。
教皇インノケンティウス3世の直系。ユニヴェールに対する切り札として長くヴァチカンに軟禁されていたが脱走。うまいことユニヴェール家に転がりこむ。
セーニの血がユニヴェールに影響を及ぼすことは間違いないらしく、パルティータはユニヴェールに噛まれても吸血鬼にならず(歳を取らなくはなった)、パルティータの血を飲んでいたユニヴェールはダンピールに殺されても滅びなかった。
ユニヴェール家の庭を薔薇だらけにするのが趣味。
伯父がハンガリー王マーチャーシュ1世。母方フニャディ家の紋章はカラス。
給与をくれる人が神様です。
■ ルナール/フリードリッヒ・フォン・バーベンベルク Renard/Friedrich von Babenberg
ユニヴェール家の居候。剣一振りでも充分強いが、実は二刀流。
魔女に呪いをかけられたため、昼間は人間、夜は猫。
ヴァチカンからは、神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世を出したホーエンシュタウフェン家に関係する者ではないかと疑われている。
彼に猫の呪いをかけた魔女キルケは彼が皇帝フリードリッヒ2世の孫でありハインリヒ7世の息子であるフリードリッヒであると証言している。
自分の飼い主はパルティータだと断言し、ユニヴェールと火花を散らすこと多々。
■ アスカロン Ascalon
ユニヴェールの部下。三使徒のひとり。
本名、エドワード。「アスカロン」はコードネーム的なものだが、もはや日常でもアスカロン。イングランド出身の魂喰い。
元々は貴族だったが、父親が亡くなった後、母は妹を連れてフランス貴族オーベールのもとへと嫁ぎ、彼はひとりで孤児同然の暮らしをしていた。
盗みを犯し衛兵に追われている途中、クルースニクだったユニヴェールに拾われる。
名前の由来は、竜殺しとして有名な聖ジョージが所有していた伝説の剣。一つ目の巨人サイクロプスが鍛えたと言われている。
現在はローマの片隅にある教会で神父をしながら、ヴァチカンの動向を監視していることが多い。
■ フランベルジェ Flamberge
ユニヴェールの部下。三使徒のひとり。
本名、フランベルジェ・ド・モントヴァン。フランス出身の魔女。
父は妻子ある貴族であり、母はそのメイドだった。
なんやかんやあってユニヴェールに拾われ、薬学に関してはカリスに師事した。
現在は暗黒都市で薬学(毒薬学)の教師をしている。
氷に関する魔術が得意で、氷の魔女とも呼ばれている。
本名の由来は、フランベルジェ=波刃の剣、モントヴァン=その剣を所有していたシャルルマーニュ大帝の部下ルノー・ド・モントヴァン。
■ シャムシール Shamshir
ユニヴェールの部下。三使徒のひとり。
イングランド出身の死人使い。
生まれつき動物と意思疎通ができたため気味悪がられ、親に捨てられた。領主の娘が拾い孤児院に入れられていたが、そこでも孤立。孤児院の管理人にも殺されそうになったが、ネズミを操るとの噂を聞きつけやってきたユニヴェールが身柄を預かった。
ハーメルンの笛吹き男の正体はこの少年だと言われている。
死人も操れるが、動物と結託する方が得意。
神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン1世の娘、マルグリット・ドートリッシュと親交が深い。
名前の由来は、ペルシアの三日月刀。
■ セザール・ド・ロートシルト César de Rothschild
暗黒都市に住む若い吸血鬼。
若干自己陶酔型だが、基本的には人が良く、自分の立場に頓着せず、ユニヴェールやパルティータの頼みごとをきいてくれる。
ロートシルト家はもともと神聖ローマ帝国(ドイツ方面)の貴族だったが、紆余曲折を経てロートシルトの両親はフランスに渡った。
■ 白狼
暗黒都市の持つ軍隊の総隊長にして、女王近衛隊“エクリプス”の隊長。ベリオールの上司。
権力の頂点が女王なら、軍事力の頂点がこの男。
見かけは好々爺な老将。
化け物分類は凶狼ウールヴヘジン。
溺愛する孫娘がいる。
■ アルビオレックス Albiorex
通称:アルビオ。女王近衛隊“エクリプス”の副隊長であり、女王の侍従長官(お世話係)。
紅の燕尾服を制服としている眉目秀麗な男。
戦場に出れば強いが、城内では口ウルサイみんなのお母さん的な立ち位置。
化け物分類はケルト神話の主神、アルビオリクス(トータティス)。
■ ウォルター・ド・ベリオール Walter de Balliol
女王近衛隊“エクリプス”の隊員。黒騎士。
実力重視の野心家だが、肩書きにこだわっているわけではない。
生まれながらの魔物で、常に挑発的。戦争大好き。フランベルジェに一目惚れ。魔剣イブリースの所有者。
化け物分類はベルセルク。
■ ウェンデル・バルツァー Wendell Baltzer
吸血鬼の祖とも噂される古い古い吸血鬼で侯爵。
暗黒都市の上位組織「オンズ」の一員。
ザ・吸血鬼な御方。戦闘能力も高い。
表情に乏しく合理的な考え方をするが、切り捨てるだけの冷徹漢ではない。
暗黒都市のバルツァー邸には白い花だけを集めたホワイトガーデンがある。
薔薇愛好家。
■ イルデブランド・ハークネス Ildebrando Harkness
イタリア出身の若い吸血鬼。
暗黒都市の下位組織コンキリウムの代表としてオンズに参加している。
今どき人間を襲って血を飲むのは古い古いという考えのもと、さらってきた人間を囲い血液生産農場を展開して大当たり。
頭はきれるが抜けている。人懐っこく奔放で自由人。男も女もくどく。若干ナルシストで自分に甘い。
■ ヴァナルガンド・フェンリル Vánargandr Fenrir
外見はやる気のないくたびれたデカいおっさんだが、北欧神話に出てくる巨狼フェンリルの人型。
長らく狼の姿で暗黒都市の地下に飼われていたが、死の天使サマエルの出現に対抗するため、暗黒都市の戦力増強として解放された。
だが、パリの闇店長メリル・ジズ・メムによると、未だ女王による枷がされており、力のほとんどは封じられているとのこと。
隊の所属はない。
トレードマークは裏地が派手な外套。
意外と気さくだが、愛称で呼ぶのはメムだけ。
■ ジョヴァンニ・ピコ・デラ・ミランドラ Giovanni Pico della Mirandola (1463- )
人道主義者にして魔術師。
ヴァチカンから異端の烙印を押されたが、フィレンツェのロレンツォ・デ・メディチに匿われる。
後にフィレンツェの支配者となるジロラモ・サヴォナローラを招聘する。
■ エーデルシュタイン Edelstein
暗黒都市の上位組織「オンズ」の一員。少年の姿をした吸血鬼。
ユニヴェールへの嫉妬と嫌悪からパルティータに手をかけようとしたため、また暗黒都市を裏切りヴァチカンと取引をしたため、彼に滅ぼされた。
■ パッセ Passe
エーデルシュタインが飼っていた吸血鬼の少女。血が苦手。見るのも嫌。飲むなんてとんでもない。
現在はロートシルトの屋敷に住んでいる。
救出に一役買ったパルティータを姐御と慕う。
■ アダマス Adamas
暗黒都市に居を構える女吸血鬼。背が高くグラマラスで迫力のある美人。
ユニヴェールよりも吸血鬼歴が長い。お酒大好きで、ベリオールとは飲み仲間。
■レオナール・ミュラ Leonard Murat
暗黒都市に住む吸血鬼。 元々は教会から異端の烙印を押された「カタリ派」が集まる村出身の傭兵騎士だったが、村ごと焼き討ちにあい、女王の策略で村人ごと全員吸血鬼になってしまった。
異端であっても神を信じていたことには変わりがないので、しばらく暗黒都市にも与せず頑張っていたが、22話にてユニヴェールに下る。
現在は、神を信じ続けて良いことを条件に、ユニヴェールの監視下で村ごと暗黒都市に住んでいる。
■キルケ Kirke
ギリシア神話やホメーロスのオデュッセイアに描かれる古き魔女。
暗黒都市の上位組織「オンズ」の一員。
アイエイエー島に居住し、人を獣に変えることができる。ルナールに猫の呪いをかけたのも彼女。
神聖ローマ帝国フリードリッヒ2世の片腕として宮廷にいたこともあり、彼を世界の王にすることが夢でもあった。
が、その夢がユニヴェールによって断たれたため、今でも彼を許していない。
■コーネリア・キーン Cornelia Keen
イングランド出身の魔女。キルケの弟子。
暗黒都市の上位組織「オンズ」の一員。
思ったことはすぐ口から出るタイプだが、押しに弱く説得もされやすい。
■メリル・ジズ・メム Meryl Ziz Mém
ユニヴェール行きつけのパリにある仕立て屋の店長。
実はものすごくものすごく年長。
暗黒都市の地下に広がる商都アジ・ダハーカを牛耳る謎の「ナルバートン商会」所属。
どんなものからでも糸を紡ぐ能力を持っているらしく、店には地獄の河を織った外套だのバビロンの空中庭園に咲き乱れる花の香を織ったドレスだの珍品が並ぶ。
フェンリルと仲がいいのか、彼を護衛にして珍しい糸を仕入れに出かけることが多々ある模様。護衛が必要なのかはともかく。
■カイラス Kailas
暗黒都市にあるユニヴェール邸の家令。
何百年家令として勤めているのか誰も知らない。
世間では欠点などない非常に優秀有能な家令であると畏怖されているが、その実は意外と雑。メイドのモレラ曰く、「彼が雑な仕事をしているうちは問題ない」。
彼の最優先事項は「ユニヴェール家」の存続。そのためには当主からの命令に従わないこともある。
■モレラ
暗黒都市にあるユニヴェール邸のメイドのひとり。
パルティータと違ってメイドとして大変優秀。
彼女の最優先事項も「ユニヴェール家」の存続。そのためには当主からの命令に従わないこともある。
【ヴァチカン Vatican】
† インノケンティウス3世 Innocentius 3 (1161-1216)
本名、ロターリオ・ディ・セーニ。
最年少で教皇の座に昇りつめた男。デュランダルがソテール、シャルロの両人を擁し史上最強と謳われていた時代でもある、カトリック教会の絶頂期を築く。
ユニヴェールを破門し、吸血鬼への道を拓いた張本人。
† インノケンティウス8世 Innocentius 8 (1432-1492)
冷笑主義、短編第1シリーズ、ジェノサイド中に在位していた教皇。
魔術師と魔女を激しく嫌い、ハインリヒ・クレーマーらの著した「魔女への鉄槌」に権威を与えた。また、ピコ・デラ・ミランドラの著作の多くを禁書とした。
一方で私生活は贅沢で堕落していたと言われている。
† アレッサンドロ6世 Alexander 6 (1431- )
本名、ロドリーゴ・ボルジア。
インノケンティウス8世没後の教皇選定会議では、多くの枢機卿を買収し教皇位を得ることに成功。
親族に次々重要な役職を与え、教皇権力の復権に尽力している。
† ヴァレンティノ・クレメンティ Valentino Clementi
ヴァチカン教皇庁総務局長官代理の枢機卿。
眼鏡をかけた神経質なキレ者。若くしてこの地位に就いたのは家柄と実力だが、そのため敵も多い。
ジェノサイド後、失脚。
が、21話にてデュランダルの分課「オートクレール」の責任者として復活。
現在の階級は司教。
† シエナ・マスカーニ Siena Mascagni
特務課デュランダル長官。ソテール・ヴェルトール直属の上司だった女性。
豊かな金髪と煌びやかな宝石に飾られた、聖なる都には似つかわしくない豪勢な女枢機卿。
ジェノサイド後は教皇に取り入り更に力を伸ばす。
年齢不詳。
† ソテール・ヴェルトール Soter Weltall (1183- )
代々デュランダルの隊長を務める名門ヴェルトール家当主。父の死に伴い幼年でデュランダル隊長に就任した。ヴェルトール家最高の天才と称されている。
ちなみに、ヴェルトール家の出自は神聖ローマ帝国からフランク王国へとさかのぼることができるらしい。
不死ではない点を除けば、ユニヴェールと互角に戦える唯一の人間。ユニヴェールと比べると常識人だが、一般的には考え方がおかしい部類。
紋章は黄金の竜。
ジェノサイド事件の責任を負ってデュランダル隊長を辞した後、デュランダル分課「オートクレール」が創設され隊長に就任。
これは、ヴァチカンを追い出されたソテールが神聖ローマ帝国皇帝(マクシミリアン1世)の戦力になることを怖れたアレッサンドロ6世が、彼をヴァチカンに留めておくために行った苦肉の策である。
† ルカ・デ・パリス/セバスチャン・クロワ/クリスチャン・ローゼンクロイツ/サマエル
Luca de Paris/Sébastien Croix/Christian Rosenkreuz/Samael
ソテールの代わりにデュランダルの隊長となった男。
外見はフェッラーラでユニヴェールに殺されたルカ・デ・パリス。中身は死の天使サマエル。
パルティータがヴァチカンにいた頃彼女だけに見えていた執事セバスチャン・クロワ、薔薇十字団を結成し世の中の浄化を目指すクリスチャン・ローゼンクロイツとも同一人物。
かつてはパルティータの父・フォリアと何らかの契約を結んでいたようであるが、現在はパリの聖女カタリナに仕える形を取っている。
堕天でありながら神を敬愛し、すべての行動原理は神が望む世界の実現。パルティータを頂いて民を扇動しようとしていたが、彼女に逃げられ失敗。ユニヴェールから奪還する機会を窺っている。
† フリード・テレストル Frido Terrestre (1475- )
ソテールの下で修行中なユニヴェールの息子。いわゆるダンピール。
ユニヴェールは名乗らず、母姓を使っている。(母はマリー・テレストル)
「ジェノサイド」においてほとんど死んだが、父が魂を救い、ソテールが肉体を復活させた。
ジェノサイド後にデュランダルの一員となるが、いつ魔物化するか分からない危険も抱えているので監視対象でもある。
父親に似ず、非常に素直。
† カリス・ファリダット Calix Faridat
デュランダルの一員で、参謀官。
ユニヴェールがデュランダルに入隊する前から籍を置く、古参。
ソテールとユニヴェールのやんちゃに一番迷惑を被っていた人。
優男な容姿とは裏腹に歯に衣着せない物言いをする。
時々自暴自棄気味。
医学、薬学に詳しく、その道においてフランベルジェの師である。
† ミトラ・マンノウォー Mitra Man O' War
デュランダルの一員。
こちらもユニヴェールがデュランダルに入隊する前から籍を置く、古参。
盲目の武人で、デュランダルの中でソテールに次ぐ戦闘能力の持ち主。
大柄で、寡黙。
一般教養の分野におけるパルティータの師でもあった。
† クロージャー・ミルトス Crosier Myrtus
デュランダルの一員。
デュランダルの中で最も常識人。命令と自分の意見との折り合いをつける術を身につけており、上司が誰であろうと内容がどうであろうと、さほど苦悩もせず与えられた仕事は忠実にこなす。が、ギリギリ合格ラインの仕事をする。絶対に必要以上の仕事はしない。
後輩の面倒見はいいが、時々辛辣で時々中間管理職的な愚痴をこぼす。
ソテールの叔父にあたり、ヴェルトール家の一員でもある。
† ヴェルトロ・レンツィ Veltro Renzi
ジェノサイドでのデュランダルの欠員に伴い、マルセイユの聖騎士団からデュランダルへ抜擢された。
目を引く赤毛で、外見はマルセイユの港町のように華やか。
実力はあるのだが、押しの弱い穏やかな性格。へたれとも言う。…に思われるが、中身はサマエルの忠実な部下で魔界の馬の変化。人は見かけによらない、の良い例。
† ヨハン=ファウスト Johan Faustus
ユニヴェールの主治医、ゲオルク=ファウストの息子。錬金術にも医学にも興味なしの不良青年だったが、ユニヴェールにそそのかされて錬金術に傾倒し始めた。短時間で多数の書物を読破するなど、才能はあり。
20話でシエナ・マスカーニによって正式にデュランダル隊員に叙される。
これからの時代は力だけではなく科学が必要だというシエナの考えにより、副隊長に大抜擢。
変人だらけの職場だが、すでに馴染んでいる。
† シルヴァン・レネック Sylvain Laennec
パーテル聖騎士団の隊長。ジェノサイド以前にパルティータの素性を知っていたが、律儀に約束を守って黙っていた。
職務に忠実な堅物だが、実は情熱家。
ジェノサイドでの功績を認められ、シエナ・マスカーニによってデュランダルに招聘される。
† ルイーゼ・レネック Luise Laennec
シルヴァン・レネックの妻。元ユニヴェール家のメイド。
魔女狩りで処刑されそうになったところをレネックに救われる。
† ヴィスタロッサ Vistarossa
パーテル聖騎士団の女聖騎士。理想の男性はレネック隊長。
クルースニク時代のユニヴェール、ソテールの同僚、リカード・デューイの末裔。
オートクレール創設後、唯一の隊員としてクルースニクに抜擢される。
パルティータとは口ゲンカが同レベル。
かなり常識人。
† ハインリヒ・クレーマー&ヤーコプ・シュプレンガー Heinrich Kraemer & Jakob Sprenger
ドミニコ会修道士にして異端審問官。
魔女狩りの教典とも言える「魔女への鉄槌」という本を著した。
† ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ Giuliano Della Rovere (1443- )
教皇シクストゥス4世の甥である枢機卿。いくつもの司教位を掛け持ちし教会内でも大きな力を有していたが、インノケンティウス8世没後のコンクラーヴェでは、賄賂戦略を展開したロドリーゴ・ボルジアに敗れる。ボルジアとは事あるごとに対立していたため、現在はパリに逃れている。
† カタリナ Caterina
アスカロン(エドワード神父)が創った孤児院で暮らしていた少女。
神の声を聞くことができる。
デッラ・ローヴェレ枢機卿がその噂を聞きつけ、セーニの代わりの聖女にと引き取られた。
現在はローヴェレ枢機卿と共にパリにおり、神の啓示があるとサマエルに伝えている。
† マリー・テレストル Marie Terrestre
フリードの母。敬虔なクリスチャンだったというが、どのようにしてユニヴェールと出逢ったのかは不明。パルティータの愛読書「吸血鬼の飼い方」の著者。
† リカード・デューイ(偽名) Ricard Dewey
ユニヴェールのクルースニク時代、ヴァチカンの聖騎士見習いだった若者。
ソテール、ユニヴェールの問題児ふたりと組まされることが多かったが(緩衝剤の役目)、それゆえに功績も積み上がった。
男装していたが実は女性。後に史上初の女聖騎士となる。
† フォリア・アラート Folia Alato
ヴァチカンの地下に幽閉されていたパルティータの父、フォリア・デ・コンティ・ディ・セーニの影武者。
とは言っても本物を守るための影武者ではなく、本物が悪だくみをする際の地上での実行役。
本物のフォリアと契約していたサマエルの姿を見ることもできた。
† フォリア・デ・コンティ・ディ・セーニ Folia de Conti di Segni
パルティータの父。生涯のほとんどをヴァチカンの地下に幽閉されて過ごした。
金策については非常に有能で、フォリア・アラートを使って違法すれすれ、数えきれない怨みを買いながら、ヴァチカンの資金を作ったとされる。
その過程で買った怨恨がもとで殺された。
だが築いた財産のすべてがヴァチカンに捧げられたわけではないらしく、彼の富の多くは未だ所在不明である。
あだ名はラードーン。ギリシア神話の黄金の林檎の樹を守る竜より。
金策以外にも、多々、後世までつながる蜘蛛の巣をはっていた様子。
† フニャディ・パレストリーナ Hunyadi Palestrina
パルティータの母。ハンガリー王マーチャーシュ1世の妹。
父ヤーノシュと長兄ラースローがベオグラードを包囲したオスマントルコ軍を破った功績を称え、ヴァチカンが彼女をフォリアの妻に迎え入れた。(ハンガリーはヴァチカンとのつながりができる、ヴァチカンはハンガリーからの人質をとることができる、利害の一致)。
ハンガリーは日本語と同じく姓→名の順番なので、パレストリーナが名前。