day 8 太初 + 幻覚
1. 宇宙と世界について
「光あれ。そして、ただ闇だけがあった。」
太初に、過去と未来という二つの世界があった。過去の世界では時間は未来へと流れ、未来の世界では時間は過去へと流れる。
ある何かが過去の世界に存在し始めると、未来の世界ではその「終わり」が存在することになる。
二つの世界の生命体は、自分が住む世界の理を当然のこととして受け入れていた。 未来の世界で老人がだんだんと若返り、後ろ向きに歩き、リンゴが空へと浮かび上がり、人類の技術が退行していく姿。彼らにとって、そのすべてが自然な光景だった。
そんなある日、両方の世界の生命体たちが、一人、また一人と「幻覚」を見始めた。未来の自分、あるいは過去の自分が目の前に現れたのだ。
彼らは対話を重ねるうちに、一つの事実に気づいた。互いの間には100年の時間差があった。 過去の世界と未来の世界、互いに反対方向へと流れていた時間が、ついに100年以内という距離まで縮まったのだ。
これまで「すべての過去」を経験してきた人類と、「すべての未来」を経験してきた人類は、互いのために自分たちの歴史と記録を共有し始めた。
しかし、突発的な接触によって時間線が乱れ、また別の世界が作り出された。その新しい世界が再び彼らと接触することで、数え切れないほどの世界が指数関数的に増殖していった。
結局、宇宙は膨大な数の世界で埋め尽くされ、宇宙は「最適化」のために、これらをまるでブロックを積み上げるかのように整理し始めた。
これが、現在の宇宙と世界の状態である。
2. 想像を具現化する力
太初に宇宙があった。
宇宙の誕生と共に生成された「存在」は、自らの想像だけであらゆるものを具現化することができた。 彼らは各自が想像で創り上げた世界に住み、時折、互いの世界を見せ合いながら交流していた。
ある日、彼ら全員の目の前に、意味の分からない幻覚が現れ始めた。 その幻覚は「死」を見せていた。
これまで「死」という概念が存在しなかったこの世界で、「死」を目の当たりにし、理解してしまった「存在」は、ついに自分自身の死を想像し始める。
3. 太初の光
この惑星の人々は、15歳の成人式を迎えてから、自分だけの「幻覚」を見ながら生きていく。
ある者は至る所に宿る精霊を、ある者は自分を守ってくれる存在を幻覚として見る。彼らはそれぞれ、自分に見える幻覚を通じて奇跡を体現することができた。
水滴が見える幻覚を持つ者は虚空から水を生成し、食べ物が見える幻覚を持つ者は料理において類まれなる才能を発揮した。
そこに住む一人の少女、ヒカリは15歳になり、成人式で自分だけの幻覚を見ることになる。 それは「太初の光」だった。あまりにも、あまりにも巨大な爆発。
何もない真っ暗な背景の中で起こった巨大な爆発は、一瞬にして少女を飲み込んだ。
意識を取り戻したとき、少女は自分が世界を創造できるほどの力を得たことを、無意識のうちに悟った。
4. マサラタウン(始まりの町)
マサラタウンに閉じ込められて20年、私は未だにここを抜け出せずにいる。
町の出口の向こう側は見えているが、すべては幻覚だ。 あそこから出ることはできない。遮られている。周囲の人々も外へ出られないというのに、不思議なことに誰も何の疑問も抱かない。
すべてがおかしい。
そんなある日、町で新しい顔を見かけた。いや、あの男は前からここにいたはずだ。なのになぜ、今になって気づいたのだろうか。
分からない。明日、オーキド博士からポケモンをもらいに研究所へ行くと言っていた。ついて行ってみよう。
この忌々しい場所から抜け出すためなら、私はどんなことでもする覚悟だ。




