1話
―—ノルン王国。
城の中庭で楽しそうに遊ぶ兄妹がいた。
「ステラ!あぶないからおりてきなよ」
「だいじょうぶだって!おにいちゃんったらしんぱいしょうなんだから」
高い木の上ではしゃぐステラをその下から心配そうに見るロゼル
とても仲のいい双子の兄妹でこの頃はまだ幼い子供だった。
お転婆なステラをいつも見守っていたロゼルこれがお決まりの日常だ
2人はノルン王国の王子と姫、紺色の髪は同じだが瞳の色だけは違っていた。
ロゼルが澄んだアクアマリン色でステラは真っ赤なルビー色をしている。
「ステラ様、ロゼル様もこう言っておられますし早くおりてきてください!」
その後ろにはお付きのメイドの姿が早くおりてこいと言わんばかりにせかしてくる。で、渋々ステラは木からおりようとするがバキッと鈍い音がして。
「——あ」
太い木はバキッと折れてしまいステラはそのまま下へ落下する
「ステラ様!」
「ステラ!」
ステラの方へ走るロゼル――上から落ちてくるステラを抱きかかえ
「だいじょうぶ‥‥?」と聞く。
そしてお付きのメイドも安心したのかほっとした表情を見せている。
「あ、ありがとうおにいちゃん。あたしならへいきだよ‥‥あはは」
「だからはやくおりてこいっていったろ?」
「ご、ごめんなさい‥‥」
ロゼルはそっとステラをおろしステラは少し汚れたドレスをはたく
どうやら心から反省しているようだ。
「これからはきをつけなよ」と優しく言うロゼルにステラは「うん!」と返事をし2人は手を繋いで城に戻った。