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息抜きコメディ〜僕、たー君!〜  作者: 星狼
〜僕、たー君!〜

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4/16

エピローグ〜エリちゃんの日記〜

その夜、エリちゃんは自分の部屋に戻り、ドアをそっと閉めた。

部屋はいつも通り静かで、ベッドの横の小さな机に置かれたノートが、ぼんやりとしたランプの光に照らされている。

彼女は深呼吸をして、震える手でノートを開いた。


今日の出来事が頭の中を駆け巡り、胸がざわつく。苛めっ子たちの顔、たー君の迫力ある声、そして自分自身が発した大きな叫び声——すべてがまだ鮮やかで、夢みたいだった。

ペンを握る手が少し冷たく感じる。

エリちゃんは目を閉じて、ゆっくりと息を吐き出した。


「今日、たー君が助けてくれた。あの時、みんなに囲まれて怖くて体が動かなかったのに、たー君の声が聞こえた瞬間、胸に少しだけ温かさが広がったんだ。苛めっ子たちが逃げていくのを見て、信じられなかったよ。でも、たー君の修行は本当にスパルタで、大きな声で叫ぶ練習なんて、最初は恥ずかしくて声が出なかった。でも、たー君の『もっとはっきり!』って言葉に押されて、初めて本気で叫べた。あの瞬間、心が軽くなった気がする。怖かったけど…なんか、解放されたみたい。」


エリちゃんはペンを止めて、窓の外を見つめた。外は暗く、星がちらちらと輝いている。

彼女の心の中では、苛めの記憶がまだ疼いていた。


「まだ怖いよ。学校に行くのが不安で、朝起きるのも嫌になる時がある。でも、たー君が教えてくれた言葉——『やめてください!!』『先生に言います!!』——これを思い出せば、次は自分で言えるかも。たー君は『言葉も武器だ』って言ってたよね。あの修行のおかげで、少しだけ強くなった気がする。苛めっ子たちがまた来ても、黙ってないで、ちゃんと自分の声を出せるようになりたい。『やめてください』って、ちゃんと。」


ノートに書く文字が、少しずつ力強くなっていく。エリちゃんは涙が頰を伝うのを感じ、そっと拭った。

たー君の笑顔が浮かんで、胸が温かくなる。


「たー君、ありがとう。あんなに怖い思いをしたのに、あなたのおかげで希望が見えたよ。修行はきつかったけど、あなたの熱意が伝わってきて、なんだか嬉しかった。次は…自分で戦ってみるよ。たー君がいなくても、強くなれるように頑張るから。」


ページを閉じ、エリちゃんは小さく微笑んだ。ノートを机に置いて、ベッドに横になる。

外の風が窓を叩く音が聞こえる中、彼女は静かに目を閉じた。明日から、少しずつ変わっていける——そんな予感が、心を優しく満たしていた。



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