第二章〜再びたー君、参上なのだ!〜
校庭の片隅、埃っぽいフェンスの裏。そこでは、エリちゃんが震えながらうずくまっていた。
彼女の周りには、ニヤニヤと笑う苛めっ子たちが取り囲み、意地悪な言葉を浴びせていた。
「ほら、エリ、泣き虫のくせに生意気じゃん!」
と、でかい態度のリーダー格が嘲る。
エリちゃんは涙をこぼしながら、か細い声で呟いた。
「痛い!許して下さい…」
その時、空を切り裂くような声が響き渡った!
「たー君参上!!」
そう、破茶滅茶な正義のヒーロー、たー君が颯爽と登場なのだ!
その姿はまるでB級アクション映画の主役、キラキラしたオーラが…いや、ただの汗かもしれないのだ!
エリちゃんはたー君の声に少し安心したものの、怯えた表情で震えながら呟く。
「…た、たー君...助けて...みんなが...」
その声に、たー君の正義のエンジンがフルスロットル!
「たー君も喧嘩大好きなのだ!!強い相手と戦うのは男の醍醐味!!皆もそうなのだ!!」
ガッと拳を握り、苛めっ子たちを睨みつける!
「や...やめて...たー君まで...私をいじめるの...?」
エリちゃんは恐怖で目を潤ませるが、たー君はニヤリと笑って叫ぶ。
「だから、こんな弱っちい相手と戦わずに、たー君と戦うのだ!!オラオラ、一番手は誰なのだ!!」
その迫力に、苛めっ子たちは「ヒッ!」とビビって蜘蛛の子を散らすように逃げ出した!
さすがたー君、登場5秒で敵を蹴散らすのだ!
エリちゃんは涙を拭いながら、小さな声で呟く。
「たー君...ありがとう...でも、みんなが怖くて...」
すると、たー君はエリちゃんの前に仁王立ち!
「その通りなのだ!!お前は弱いから苛められるのだ!!だから、今からたー君が修行してやるのだ!!」
その言葉に、エリちゃんはおずおずと立ち上がり、目を丸くする。
「修...修行?私にも...できるかな...」
たー君のスパルタ修行、開始なのだ!
たー君は腕を組んで、ニカッと笑う。
「『やめて下さい!!』はい、言って見るのだ!!」
エリちゃんは小さな声で、練習するように呟く。
「や...やめて下さい...!!こ、怖いです...!」
だが、たー君は満足しない!
「もっとはっきり、たー君の目を見て言うのだ!!そんなのじゃ通用しないのだ!!」
エリちゃんはゴクリと唾を飲み、たー君の目をまっすぐ見つめる。震える声で、だが決意を込めて叫んだ。
「やめてください!!私は...もう...いじめられたくない!!」
その声に、たー君はグッと親指を立てる!
「いい感じになってきたのだ!!声を大きくして、リピートアフターミー!!」
「やめてください!!」
エリちゃんは今までにない大きな声で叫び、ほんの少し自信がついた表情を見せる。
たー君はさらにノリノリ!
「よし、次なのだ!!『先生に言います!!』さぁ、言ってみるのだ!!」
エリちゃんは深呼吸をして、決意を込めた声で叫ぶ。
「先生に言います!!もう...黙ってません!」
「よし、いい感じなのだ!!それでは最後に『たー君助けて!!』」
たー君の声に合わせ、エリちゃんは今までで一番大きな声で叫んだ。
「たー君助けて!!」
少し涙ぐみながらも、彼女の顔には勇気のある表情が浮かんでいた。
たー君はニヤリと笑い、こう続ける。
「よし、素晴らしいのだ!!ただ、たー君はいつでもお前の側にいるとは限らないので、たー君の部分は状況に合わせてアレンジするのだ!!」
エリちゃんは少し強くなった気がして、頷く。
「分かりました...次は自分で...やってみます。」
たー君は満足げに胸を張る。
「これで修行は終わりなのだ!!喧嘩というのは腕っぷしだけじゃないのだ!!言葉も喧嘩に戦う為の道具なのだ!!お前は強くなったし、これから頑張るのだ!!」
エリちゃんは目に涙を浮かべながら、でもほんの少し笑顔で呟く。
「うん...私、強くなれた。たー君のおかげ...ありがとう。」
たー君はガハハと笑い、突然こう叫ぶ。
「それでは、たー君はラーメン食って帰るのだ!!さらばなのだ!!」
そして、夕日を背に颯爽と去っていく…いや、ただのラーメン屋に直行しただけなのだ!




