第六章〜雪山の姉妹!遭難からのハチャメチャ救出なのだ!〜
雪山の頂上付近、吹雪が猛威を振るう中、愛と夢の姉妹は凍えながら山小屋にたどり着いた。愛は息を切らし、夢は震えながらドアを叩く。
愛が先に口を開く。「すいません、休ませて下さい。」夢は小さく「助けて…」と呟く。
二人とも限界だった。
その時、木製の扉が勢いよく開き、けたたましい声が響き渡る。
「たー君、参上!!」
現れたのは、汗だくで制服をだらしなく着たたー君。
雪の中で拳を握り、破茶滅茶な正義感を振りまく姿は、まるで雪山に迷い込んだB級ヒーローだ。
愛はホッとした表情で「たー君、よろしく。この小屋に避難して正解だったわね」と言う。
夢は震えながら「たー君、一緒にいてくれて安心…」と涙目で微笑む。
「とりあえず温まるのだ!!ほら、こっちの火の元に早く来るのだ!!」
たー君が火元を指差し、急かす。
愛は手を火にかざしながら「ありがとう、助かるわ」と感謝。
夢は「あ、暖かい…たー君やさしいね」と涙目で微笑む。
「温かい飲み物も飲むのだ!!」
たー君が二人に温かいスープを手渡す。
愛はホッとした表情で「温かい…体の芯まで温まるわ」と呟き、夢は両手でカップを包み込むように持って「わぁ、スープだ!ありがとう…」と喜ぶ。
「お前ら山を舐めんなのだ!!」
たー君が突然声を荒げる。
愛は反省した表情で「ごめんなさい…その通りね」と謝り、夢は「うぅ…お姉ちゃん、怒られちゃった…」としくしく泣き始める。
「やかましい!!怒られるだけで済むのが幸運だと思うのだ!!命を失ってからじゃ遅いのだ!!天候のチェックは登山者にとって常識なのだ!!」
たー君が熱弁。愛は頭を深く下げ、「本当に申し訳ありません…」と呟き、夢はすすり泣きながら「ひっく…ごめんなさい…天気予報、見れば良かったね…」と反省する。
「今日は天候が荒れるって聞いてたからたー君ここで一人ぼっちで寂しかったのだ!!同じような缶詰仲間が誰かいるはずの思ってたのだ!!」
たー君が胸を張って説明。
愛は申し訳なさそうに「缶詰仲間…?たー君、一人だったのね」と呟き、夢は心配そうな表情で「えっ、たー君ずっと一人だったの…?」と尋ねる。
「たー君の数時間を返すのだ!!寝るまでの間、ずっとたー君のお喋りに付き合って貰うのだ!!こういう状況でも辛い思い出にしちゃいけないから楽しい思い出を作るのだ!!」
たー君がニヤリと笑う。
愛は「そうね、前向きに考えましょう。たー君と出会えて良かったわ」と頷き、夢はやっと笑顔になって「うん!たー君と一緒なら怖くない!」と言う。
「たー君は一人でず〜っとそこの鏡とじゃんけんしてたのだ!!」
たー君がドヤ顔で自慢げに告げる。
愛と夢は同時に「……え?」と顔を見合わせ、困惑する。
「1勝356引き分けだったのだ!!」
たー君がさらに大声で続ける。
愛は「えっ!!?」と目を丸くし、夢は「んっ!!?」と口をあんぐり開ける。
姉妹はたー君の奇妙な行動に呆然とする中、雪小屋の中は不思議な和やかさに包まれた。




