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雨降り町の屋上にて 後

 まず、扉が音を立てて吹き飛んだ。


 二回ほど扉はバウンドし、屋上の遥か下にある道路に落ちることなく、ギリギリの場所に着地する。そして、


「エリス!」


 怒気の込められた声が、エリスの身体を揺らすほどの振動と共に伝わった。彼女は起き上がらない。その振動の発生源が、自分の方へと近付いていたとしても。


「──勝手に外出するなって言っただろうが!」

「全身を雨に打たれたくなったんだから、仕方ないじゃん」

「部屋のあったかいシャワーでいいだろうが!」

「たまには冷たい雨を浴びたかったんだもん」

「風邪引くぞ!」

「秒で治ります~」


 一歩一歩進むたびに足の形の陥没を作り、エリスに話し掛けたのは、痩せぎすの若い男。短く刈られた赤い髪と鋭い三白眼が特徴的な男だ。

 黒いタンクトップを着て、同じく黒のニッカポッカを履いたその男は、屈伸でもするようにしゃがみこみ、身体を起こすと同時に、エリスの身体を無理矢理立たせる。彼女の顔は不満げだ。

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