ひねくれもののひとりがたり よん
最近、新しい光を見た。
『新しい』というのは主観で、過去からそこにあった光らしい。そこから続く光を見た、というだけのことらしい。
最近、新しい人と出会った。
『出会った』とはいうのは言葉の綾で、どちらかといえば『知った』という方が正しいかもしれない。
光の中にいるその人に、私は強く憧れた。
それはきっと、影が光を追うような…そんなものだったのかもしれない。
その人の話をもっと聞きたい、その人の立つ景色ををもっと知りたい…そう思える人だった。
『誰か』とは、そう深く考えることはなく。
その『声に』ただ、耳を傾ける。
そうして一歩、また一歩と踏み込むと…私にもまた、別の世界が広がった。
あの人も、その人も、この人も…もしかしたら動物だっていたかもしれない。
知らない景色を知るのは楽しいし、面白い。
でも、主観はあくまでも主観なだけで、違う角度から見るとまた見え方も違うように。
『違う世界』を見て、『私の世界』を見る。
つまらない…そう思ったところで特に変えたいという理由はなく。
手にしたい…そう思ったところで、私の生き方を創るのは私でしかない。
模倣などする気もなく、そしてまた、できるはずもない。それは私の生き方の否定で…同時に『その人』の生き方の否定になってしまうから。
でも、私の景色は確かに広がって。
同時にまた、狭くなった気もしなくもない。
部屋の内側に入ったならば、部屋の外の景色は見られない。
…なんてね。
景色を見て、世界を知る。永遠に巡るような徒労だったとしても。今はまだ。
私の『世界』にも、まだまだ魅力がありそうだ。