リリスとゴルド
隙間から顔を覗かせたラリーたちは、手に持った缶ビールを口に運びながら、ケルベロスとエルフ、そしてゴルドの激しい戦闘を見守っていた。
「おいおい、なんだか盛り上がってきたぞ!」ラリーが興奮気味に言い、笑い声をあげる。
「こんな状況で楽しそうにしてるの、あんたぐらいだっての!」リアナは呆れたようにツッコんだが、彼女も戦闘の行方に目を奪われていた。
広間では、リリスが静かに詠唱を始めると、彼女の周囲に強大な魔力が渦巻き始めた。その瞬間、ケルベロスの足元に巨大な魔法陣が現れ、強力な氷が地面からせり上がり、ケルベロスの脚をがっちりと固めてしまった。
「すごいな、あのエルフ。あんな大技が使えるなんて、見ものだぜ。」ラリーは感心しつつ、新しい缶ビールを開ける。
「まあ、あれぐらいやらないと勝てない相手だけどね。」リアナが冷静に返す。
しかし、ケルベロスはその強靭なパワーで氷を引き裂こうと激しくもがき始めた。氷が割れ、ケルベロスが自由になりかけたその瞬間、ゴルドが巨大な斧を振りかぶり、ケルベロスに強力な一撃を見舞った。
「おお、やるじゃん!」ラリーが楽しそうに声を上げる。
ケルベロスの体が大きく揺れ、その一撃に苦しむ様子が見て取れた。しかし、ケルベロスは氷を完全に打ち破り、怒り狂ったように反撃を開始した。三つの頭が同時に吠え、ゴルドとリリスに襲いかかる。
「これ、もう目が離せない展開だな!」ラリーは隙間からさらに身を乗り出して戦いを見守った。
「ちょっと、こっちに来るんじゃないかって心配はないわけ?」リアナが不安げにラリーを睨む。
「まあ、もしこっちに来たら、その時はその時だ。今はとにかく観戦だ!」ラリーは全く危機感を感じていない様子で、再びビールを飲んだ。
ダンも静かに観察しながら、「リリスの魔法はすごいけど、やっぱり力技には限界があるな。」と、冷静に状況を分析している。
「だからって、ビール片手に評論家気取ってる場合かよ!」リアナが再びツッコミを入れるが、結局彼女も戦闘の展開から目を離すことができないでいた。
戦いはますます激しさを増し、リリスとゴルドがケルベロスに立ち向かう姿が、ラリーたちの前で繰り広げられていた。隙間に隠れて観戦しているラリーたちは、まるで壮大なショーを楽しんでいるかのようにコソコソと笑い声を上げていた。




