消えた記憶のピース
大会当日、競技に参加する全チームに向けて、大会主催者モリータから最終の説明が行われた。彼の言葉に会場内の空気が一層引き締まる。
「これより、各チームは15分間のミーティングタイムを設け、その後に転送が開始されます。転送先は東の大樹海の各地となり、各チームはランダムに配置されることになります。そして、競技開始から1時間後、強制転送魔法により、この会場に戻ってきます。」
観客席がざわつく中、モリータは続けた。「また、観客の皆さんは魔法による巨大モニターを通じて、各チームの様子をリアルタイムで楽しむことができます。」
この発表により、観客たちの期待感はさらに高まった。
ミーティングタイムが始まると、ラリー、ダン、リアナの3人はそれぞれに思いを巡らせた。昨晩の激しい二日酔いの影響がまだ少し残っており、覚醒草を吸い込んだものの、完全には体調が戻っていない。
ラリーがふとポケットに手を突っ込むと、謎の手紙が出てきた。それには、アリスの名前と「気をつけてくださいね!笑」とだけ書かれていた。
「どうやら、昨日の記憶がない中でアリスに会ったらしいな」とラリーが言うと、3人は昨夜の出来事について思い出せる限りのことを話し合い始めた。
「確か、バルバラの店で夢物語のような話をしていたんだよな」とラリーが語る。「それで、話がどんどん盛り上がって、勝利を確実なものにするために『今夜から戦いは始まっている!』なんて言いながら店を飛び出したんだった。」
リアナが続ける。「それで、どうして王城に行ってアリスに会ったの?」
ダンはカバンの中を探り、記憶の手がかりを探し始める。「こんなもの見つけたぜ」と言いながら、彼が取り出したのは大量の地雷と、記憶にない店のレシートだった。
徐々に3人は記憶を取り戻し始めた。
「大会当日までに概要を知っておきたかったんだろうな」とラリーが言う。「それで、アリスに聞けばわかるんじゃないかって、完全に泥酔したまま王城を目指したんだ。」
そして、王城の門の前でふざけたラリーとダン、リアナは、「また爆弾で門を壊しにきましたよー!」と叫びながら騒ぎ出した。これに兵隊たちが飛び出してきて、「いい加減にしろ!お前ら!アリス様のご友人だから多めに見てるが、次は捕まえるぞ!」と怒鳴られる。
ラリーたちはアリスに会いたいと伝えると、兵隊たちは仕方なく連絡を取ることにした。しばらくすると、アリスが中庭に現れた。笑顔を浮かべながら小走りで近づいてくる彼女に、ラリーたちは酔った勢いで「明日の大会の概要を教えろー!」と詰め寄った。
「もう、ほんとはひみつなんですよ?」とアリスは少し困った様子を見せたが、優しく微笑みながら「第一回戦は東の大樹海で行われる」とだけ教えてくれた。
そして、彼女はラリーたちを見守りながら「明日のために」とラリーのポケットにそっと手紙を入れたのだった。
15分のミーティングタイムが過ぎると、各チームはそれぞれの準備を整え、東の大樹海へと転送された。ラリーたちは少し残る二日酔いとともに、東の大樹海とダンの地雷の購入レシートを必死に結びつけるのだった




