闇の中の糸
ラリーとリアナは事件の手がかりをもとに古びた建物の調査を続けていた。夜の帳が降りる中、周囲は静まり返り、わずかな音でも敏感に反応する必要があった。
「この建物、かなり古いわね。何か手がかりが隠されていそう」とリアナが言いながら、建物の壁に注意深く耳を傾けた。
「まあ、これが何かのヒントになるといいんだけどな」とラリーも周囲を注意深く見回した。
2人が建物の中に入ると、ほこりと湿気が漂い、長年放置されていたことが一目でわかった。ランタンの明かりがわずかに照らす中、古びた家具や箱が積み重なっている。
「何かありそうな気がするわね…」リアナが古い棚の下を調べながらつぶやいた。
その時、ラリーが建物の奥に何かの異変を感じ取り、近づいてみると、床に隠された小さな扉を見つけた。「これ、なんだ？地下室への入り口かな？」
リアナもその発見に気づき、「開けてみましょう」と応じた。
扉を開けると、階段が暗闇の中へ続いていた。ラリーが先に降りていくと、地下室には古い書類や書物が散乱しており、隅には古びた机と椅子が置かれていた。机の上には複数のメモと一冊の古い日記が置かれていた。
「これがその日記か？」ラリーが日記を手に取り、ページをめくると、内容はかすれた字で書かれていたが、一部は読める状態だった。
「この日記には何か重要な情報があるかもしれないわね」とリアナがじっと見守った。
ラリーが日記を読み進めるうちに、特定の名前や場所が頻繁に登場し、その中に「クレイ」と「深淵の森」という言葉が目に留まった。「クレイって、誰だろうな。深淵の森って場所も気になる。」
「深淵の森？それって確か、街の北にあるという噂の場所よね」とリアナが言った。
「それなら、次はその深淵の森を調べてみる必要がありそうだな」とラリーが決意を固めた。
その後、2人は古びた建物を出て、夜明けを待たずに深淵の森に向かう準備を始めた。日記の内容が示す次の手がかりが、この森に隠されているかもしれないという期待と共に。
