アリスの提案
時は少し遡り、魔法大会の発表がされる前。国の宮殿では、若き女王アリスが大臣たちとの会議を主宰していた。大きなテーブルの周りには、国を支える重鎮たちが集まり、アリスの言葉に耳を傾けていた。
「皆、聞いてほしい。先日、東の森の大樹海に現れた『魔王軍』と名乗る謎の軍団についての報告が上がってきた。彼らは我々の領土に侵攻し、甚大な被害を与える可能性があったが…」アリスは一瞬言葉を切り、目の前の大臣たちを見渡した。
「ラリー・アドラーとその仲間たちの活躍によって、その脅威は未然に防がれた。」その名前を聞いた大臣たちは一瞬ざわついた。ラリーたちは、普通の冒険者とは少し違う存在だと認識されていたが、まさかこのような重要な役割を果たすとは想像していなかったのだ。
「彼らは、偶然にもこの軍団の動きを察知し、迅速に対処した。無駄な戦闘を避け、戦略的な判断を下した結果、魔王軍の計画を未然に阻止することができた。」アリスは続けて報告した。
「特にラリーのリーダーシップ、そして彼の仲間たちの奇抜な発想と行動が功を奏した。彼らは通常の手段では到底対応できなかったであろうこの脅威に対し、まさに一撃を見舞ったのだ。」
アリスの言葉には感謝の色が滲んでいたが、同時に、その背後にある深い考えも見え隠れしていた。「しかし、これは単なる偶然に頼ることはできない。この国を守るためには、さらなる強化が必要だ。」
「女王陛下、何をお考えですか?」一人の大臣が尋ねた。
アリスは軽く微笑んで答えた。「優秀な魔法使いを探し出し、国の防衛力を高めるために、魔法大会を開催する。これは、ラリーたちのような者をもっと発掘し、国の力を強化するための機会となるでしょう。」
こうして、アリスの提案によって、国一の魔法使いを決める大会が正式に企画された。その背景には、彼女の国を守るための強い決意と、未来に対する危機感が隠されていた。




